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160
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メーカー
ミッション
マニュアル
グレード
160
ボディタイプ
外装色
アズールブルー
年式
2001 年型
走行距離
18300マイル
乗車定員
2 名
サイズ
長 375 cm 幅 171 cm 高 115 cm
エンジン形式
排気量
1790 cc
馬力
151
トルク
車検
令和6年3月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラックレザー
燃料区分
ガソリン
幌色

ロータス社の創業者であるコーリン・チャップマンは、1947年、まだ大学生であった時代にガールフレンドであるヘイゼル・ウィリアムズの実家のガレージで、1928年式「オースチン・セブン」をレーシングカーに改造し、この車を「ロータス」と命名する。「ロータス」というワードは英語で「蓮」を意味し、チャップマンの傾倒していた仏教思想上「俗世の苦しみから解放され、夢がかなう実」とされる「蓮」にちなんだものとなっている。コーリン・チャップマンが、ロンドン北部の元厩舎をオフィス兼ワークショップとして、自動車製造会社のロータス社をスタートしたのは195211日の事で、192851日生まれのチャップマンは23歳の時だった。それから僅か5年後の1957年、ロータス社はロンドンモーターショーに自身のブースを確保して「エリート」と「セブン」という独創的なスポーツカーを発表し注目を集めた。鋼管チューブラーフレームをもつシンプルな構造の「セブン」に対して「エリート」は、アルミボディや金型が必要なスチールボディでの開発は不可能と判断したチャップマンの「航空機用の新素材、FRPでモノコックボディを作る」という大胆な発想をカタチにした車だった。苦労の末、2年後の1958年に発売された「エリート」は、大反響を巻き起こし1963年までに約1000台を製造する。次なるプロジェクトは「FRP製モノコックのオープンモデル」だったが、剛性不足は否めず鋼板製バックボーンフレームを採用する事でFRP製ボディのオープンスポーツ「エラン」が誕生する。この頃、フォード社からは「コルティナ」のチューニング・モデル開発の依頼があり、資金調達とフォードからのエンジン・ブロックの供給を条件に引き受ける事となる。チャップマンは、以前、ロータス社に在籍していたマイク・コスティンとともに“コスワース”を立ち上げたキース・ダックワースの助けを借りてツインカム・エンジンを開発し「エラン」に搭載して1962年のロンドンショーで発表する。大人気を得た「エラン」は、1973年迄に約12000台が生産され、FRP製ボディ、鋼板製バックボーンフレーム、ロータス・ツインカム・エンジンという、その後のロータスのマスター・ピースとなるアイテムで成り立つ小型高性能な1台となる。翌年、1963年のロータス社は「コルティナ・ロータス」を発売すると、フライング・スコットの異名をもつ英国人ドライバー、ジム・クラークにより初めてF1コンストラクターズ・タイトルを獲得、インディ500にも挑戦するという飛躍の年となった。また「エラン」の後継車として新たなスポーツカー「ヨーロッパ」の発表は1966年に行われ、FRP製ボディと鋼板製バックボーンフレームによるミッドシップモデルとなる。後にロータス・ツインカム・エンジン搭載モデルも発表されると、1975年迄に約9000台が生産され、それは次世代の「エスプリ」まで続く高い性能を誇ったモデルとなる。「ロータス」社は、軽量なボディによる高い性能と、チャップマンの斬新なアイディアをベースに、多くのファンを持つスポーツカーメーカーとして、独自の地位を築き上げた。またロータス各車によるワークス・レース活動も怠りなく「エリート」は1959年のル・マン24時間レースにGTカテゴリーで挑戦すると、総合7位、排気量1.2ながらGT1500クラスで優勝を勝ち取る。続く60〜’64年のル・マン「アルファSZ」や「アバルト・シムカ1300GT」を相手にGT1300クラスで5連勝する。日本では、1962年にFJフォーミュラーマシンの「ロータス20」をベースに、グループ4のレーシングスポーツに発展させた「ロータス23」が、1963年に竣工されたばかりの鈴鹿サーキットで大活躍を見せた。「第1回日本グランプリ」において、3台出走した「ロータス23」は、「フェラーリ250GT SWB」や「アストンマーティンDB4GTザガート」「ジャガーDタイプ」「ポルシェ356Bカレラ2」などの精鋭を相手に、2日間行われた2回のレースを、2回とも1-2-3フィニッシュで表彰台を独占。その速さをアピールするとともにレース関係者に大きな衝撃を与えた。19657月の完成間もない船橋サーキットでは「CCCレース」に浮谷東次郎が乗る「エラン26R」が出走し、雨の中、圧巻のポール・トゥ・ウィンを飾りその速さを印象付けた。’60〜’70年代にかけて7回にわたりF1コンストラクターズチャンピオンを獲得出来たのも、速さを裏付ける革新的なアイディアと、確かな技術力によるところが大きい。初めてF1タイトルを獲得した「ロータス25」では、F1初のモノコック・シャーシが採用され、68年シーズンからは「ロータス49」が、F1史上初めての「ゴールドリーフ・タバコ」によるスポンサーカラーを纏い、そこから発生する広告料により更なる戦闘力アップを図った。空力に着目したチャップマンは70年「ロータス72」を空力を重視したウェッジの効いたクサビ型ボディとし、サイド・ラジエーターを採用、’77年にはサイドポンツーンにウィングを仕込んだグランドエフェクトカー「ロータス78」をデビューさせる。その進化版たる「ロータス79」で年間タイトルを獲得するとその技術は、F1のトレンドとなった。ロータス社は数多く存在した、バックヤードビルダーと呼ばれる自動車メーカーの中で、一際高い技術力を数々のレースでの戦績で証明するとともに、独創的なスポーツカーを生産し続け、多くの信奉者を有する英国を代表するスポーツカーメーカーとなった。創業者であるコーリン・チャップマンが198212月に54歳の若さで突然この世を去った後、ロータス社は、ゼネラルモータース(GM)の傘下となる。当時生産されていたイタリアのカロッツェリア・イタルデザインによる、ウェッジの効いた「ロータス・エスプリ」はロータス社に在籍していた英国人デザイナーのピーター・スティーブンスにより柔らかいラインを使ってボディを一新、新生ロータス社をアピールした。同時にロータス社初のFF車となる2世代目「エラン」は、同じGM傘下の「いすゞジェミニ」のパワートレインを採用して発表するが、思った様に売り上げを伸ばすことが出来なかった。1993年になるとブガッティ社を復活させた、イタリアの実業家ロマーノ・アルティオーリは、何よりロータスの技術力に魅せられ買収を決意し、大規模な人員削減も無しにロータス社の立て直しに臨んだ。この時に誕生したのがミッドシップ・スポーツカーの「エリーゼ」となる。1995年フランクフルトショーでデビューする「エリーゼ」は、ロータス社製らしくFRP製ボディを持つ。そのデザインは、社内チーフ・デザイナーのジュリアン・トムソンによるもので、初代「ヨーロッパ」に似たフェイスをもち、車体設計は当時まだ32歳のエンジニアだったリチャード・ラックハムが担当した。この2人が中心となりロータス社の伝説の開発ドライバー、ロジャー・ベッカー(初代ヨーロッパの生産ラインに工員としてキャリアをスタートさせたロータス社の古参メンバーで、ヴィークル・ダイナミクスのスペシャリスト。引退後、その息子のマット・ベッカーがその役を引き継ぐがアストン・マーティンに移籍してしまう)を加え少数精鋭の開発チームにより誕生した「エリーゼ」は、創業者チャップマン時代から続いた鋼板製バックボーンフレームを、アルミ・バスタブフレームに変更することで軽量化に配慮し高性能化を図った。ノルウェーのハイドロ・アルミニウム社と共同開発された軽量なフレームは、航空機用の接着剤によりパネルを貼り合わせる事で剛性を高めながら、単体重量僅か68kgを達成していた。フレームと同じくABCペダルは、アルミの押し出し材で美しく成形されるとともに、軽量化はブレーキディスクにまで及び、市販車としては初となるアルミ製282mm径のブレーキ・ディスクローターを装備していた。軽量化にこだわった設計は、チャップマン時代のロータスを彷彿とさせ、車両重量690kgを実現している。それは当時、国内で注目されていた660ccエンジンの軽スポーツカー「ホンダ・ビート」や「スズキ・カプチーノ」よりも軽量となっている。往年のロータス車を思い出させる成り立ちを裏付ける様に「エリーゼ」という車名は、ロマーノ・アルティオーリの孫娘の名前から引用され、それはロータス社の歴代ロードカーの「E」から始まる流儀にならったものとなっている。「エリーゼ」が発売当初にミッドシップで横置きに搭載していたのは、ローバー製K18とよばれる「MG F」用の小型で軽量にこだわったエンジンだった。水冷直列4気筒DOHC16バルブのエンジンは、ボア×ストローク80.0mm×89.3mmから1796ccの排気量を得る。10.5の圧縮比をもち最高出力118馬力/5500rpm、最大トルク16.8kgm/3000rpmを発揮し7000rpmでカットオフが働く。5MTのトランスミッションと組み合わされるが、LSDの装備は無く、エンジン・トランスミッションはともに「MG F」と共通となっている。後に「MG F VVC」の登場に伴い、K18エンジンに可変バルブタイミング機構(VVC)が付き、このエンジンも「エリーゼ」に搭載された。そのモデルが19983月のジュネーブショーでデビューした「エリーゼ111S」となる。この時から18Kエンジン搭載モデルは「エリーゼ111」、18K VVCエンジン搭載モデルは「エリーゼ111S」と車名が変更された。「111」とは「エリーゼ」の開発プロジェクト時代の開発ナンバーとなっている。「エリーゼ111S」に搭載される18K VVCエンジンは、排気量、圧縮比に変更は無く最高出力143馬力/7000rpm、最大トルク17.7kgm/4500rpmとなった。これに伴い組み合わされるトランスミッションは、クロースレシオ化されるとともにファイナルを3.94から4.2へと下げらている。また同じ1998年にはロータス社のオフィシャル・チューニングを受けた「エリーゼ・スポーツ」シリーズの出発点となる「エリーゼ・スポーツ135」が製作された。18Kエンジンにヤンスピード製のシリンダーヘッドを組み合わせ、車名にあるように135馬力化されたモデルで85台が生産された。「エリーゼ・スポーツ135」に続いて20002月に発表されたのが、今回入荷した「エリーゼ160」となる。このモデルに搭載されるエンジンは「MG F」のワンメイク・レース用にVVCを持たないノーマルヘッドのまま、吸排気系やROMチューンにより最高出力151馬力/7000rpm、最大トルク17.1kgm/5000rpmまで引き上げたものとなっている。エンジンルームには「LOTUS PERFORMANCE 160」の専用プレートとリアフェンダーに「160」の専用ステッカーが付く。更にエクステリアでは「エリーゼ111S」用のリア・スポイラーが採用され26mmのスペーサーにより、高い位置にセッティングされるとともに専用ホイールが装備されている。「エリーゼ160」と「エリーゼ・スポーツ160」の2グレードが設定され、合わせて319台が製作された貴重なモデルとなっている。足回りはフロント・リアともにダブルウィッシュボーン+コイルスプリングとなり、ダンパーはコニのガス入り倒立式となる。ブレーキは、初期モデルで採用されていた、アメリカのランクサイド社が開発したアルミMMC(Metal Matrix Composite)製のディスクローターは、製作会社の都合により供給が途絶え、途中から通常の鋳鉄製ドリルドベンチレーテッドディスクに変更された。組み合わされるキャリパーは引き続きAP製の対向ピストンキャリパーが採用されている。ホイールは「エリーゼ160」専用のテクノマグネシオ製の「ビクトリーファイブスポーク」とよばれるものでフロント6J×15、リア8J×16の異径サイズとなる。組み合わされるタイヤ・サイズはフロント195/50WR15、リア225/45WR16となっている。インテリアは、ロータス自身「Minimalist」デザインとよぶ、必要最小限のドライビングに専念出来る空間となる。ドライバーズシートを車両の中心寄りに向け、助手席はやや後方に配置する非対称アレンジとなっている。このため助手席のレッグスペースはドライバー側に比べ狭くなる。ステアリングはナルディ製の皮巻きとなり、ドライバー正面にシンプルで見やすいスタック製のタコメーターとスピードメーター、その下部にはマルチファンクションLCDがレイアウトされている。中央寄りに配置されたABCペダルと、ステアリングからすぐの位置にあるシフトレバーはアルミ製。バックレスト一体型となるシートは初代「エラン」と同様にドライバー側のみがスライドが可能となり、レザー製でホールド感はとても高い。サイドウィンドウは手動式となりアルミ・バスタブフレームの素材がほぼ剥き出しのままのスパルタンな「エリーゼ」だが、今回入荷した車両にはエアコンが装備されている。全長×全幅×全高は3726mm×1701mm×1148mm、ホイールベース2300mm、トレッド前1440mm、後1453mm、車両重量は初期モデルでは690kgとなっていたが、鋳鉄ローター換装などにより「エリーゼ160」では740kgとなっている。燃料タンク容量は36となり、シリーズ1とよばれる丸目2灯のフェイスをもつ「エリーゼ」は2001年まで製造され、約12000台が販売された。新車時価格は「エリーゼ111」で480万円、「エリーゼ111S」で530万円となっている。メーカー公表性能値は、18Kエンジン搭載モデルで、0100km/h加速5.9秒、0160km/h加速18.0秒、最高速度202km/h18K VVCエンジン搭載モデルで0100km/h加速5.5秒、0160km/h加速14.4秒、最高速度213km/h、「エリーゼ160」の最高速度は217km/hとなっている。カーグラフィック誌による、18Kエンジン搭載モデルの実測データは、0100km/h加速6.5秒、0400m加速14.8秒、01km加速27.9秒、最高速度196.5km/hとなっている。小さいボディでも抑揚に富んだボディラインをもつことで存在感のある「エリーゼ」は、止まっていても躍動感が漲っているように見える。軽いドアを開けて太いサイドシルを超え中央寄りのドライバーズシートに腰を下ろすと低い目線としっかりとしたホールド感、そして絶妙なドライビングポジションによりクルマとの一体感を味わえる。スターターを回してエンジンを始動させるとイタリア車の様な演出された音ではなく、スポーツカーらしい低めのサウンドでアイドリングが始まる。軽い車重によりチューニングされたエンジンでも走り出しは難しくはない。アクセルを少し開けただけでも、それを見逃さずに車体が質量を感じさせる事なくすかさず前に出る。この動きの軽さは「エリーゼ」ならではといえるだろう。スピードをあげなくても軽快に自分を中心に旋回していく感覚は、ドライビングの魅力に溢れたとても楽しい時間となる。更に、今回入荷した「エリーゼ160」のエンジンはオフィシャル・チューニングにより回転を上げても楽しめる様になっている。3000rpmからパワーが漲りはじめ、5000rpmからは明らかにパワーアップを感じさせながら7000rpmまでパワーが盛り上がりを見せてくれる。軽快なコーナーリングの楽しみに、エンジンの伸びやかなパワー感もあわせて楽しむ事が出来、走る程に「エリーゼ」のボディが、より小さく感じられる。ノンパワーのステアリングも走ってさえいれば、シュアな手応えを示して負担にはならないだろう。このニュートラルなコーナリング感覚は、数あるミッドシップモデルの中でも特別なものとなり、他では味わえない個性としてしっかり確立されたものとなっている。「ライトウェイトで優れたロード・ホールディング。実際の反応は鋭いが、ドライバーにはその挙動がゆっくり確実に感じられるハンドリング」と開発ドライバーのロジャー・ベッカーは「ロータス」を表現する。そこには他メーカーの新型車の開発まで請け負う、ロータス社の技術力で磨かれたチューニングレベルの高さを感じることが出来る。「エリーゼ」に接すると、クルマはとても多くのパーツから成り立つモノで、改めてそれらひとつひとつのクオリティと、それをまとめ上げるチューニングの大切さが思い知らされる。そして軽さは高性能に直接結びつくが、それだけでは無く今の時代に相応しいエコでもある。まさに「エリーゼ」は「夢のなかう実=ロータス」この名前に相応しいクルマといえるだろう…