サイズ
長 428.0 cm 幅 176.0 cm 高 123.0 cm
エンジンオーバーホール済、他メンテナンス済車両入庫致しました。
マツダがロータリーエンジン搭載のレーシングカー「787B」で日本車メーカーとして、初めてル・マン24時間耐久レースで総合優勝した1991年。同じくロータリーエンジン搭載でスポーツカーとして1978年から作り続けられてきたRX-7はフルモデルチェンジしFD3S型となる。RX-7としては3世代目となり、デビューは1991年の東京モーターショー。リアハッチを持つ3ドアファーストバックのスタイリングは、初代SA型、先代FC型から継承されているものの、エクステリア・インテリアの造形はそれまでとは全く異なり、ダブルバブル型ルーフを持つ、美しい曲面を意識した流れる様なデザインとなっている。また初代RX-7から全モデル共通となる、リトラクタブルヘッドランプは生産終了となる2002年まで継承され、日本車として最後のリトラクタブルヘッドランプ装着モデルとなった。インテリアではコックピット内の各コントロール類が全てドライバーに向いたタイトな雰囲気をもち、スポーツカーらしさを表現したものとなっている。ステアリングは剛性を高める為、チルト/テレスコピック共に無く完全な固定式となる。同時期の国産ライバルメーカーのスポーツカー各車は、軒並み認可許容範囲限界となる280馬力のカタログデータを競い合っていたのに対し、RX-7(FD3S型)はより軽量にこだわり(車載のジャッキ+クランクアームまでアルミ製とする)、ドライバビリティに特化している事をアピールしていた。︎RX-7(FD3S型)は生産されている間、前期(1〜3型)、中期(4型)、後期(5〜6型)に分類され、1996年4月にマツダはフォード傘下となった時に、販売系列のアンフィニ店やユーノス店の廃止をした。それに伴い車名を「アンフィニRX-7」から「マツダRX-7」に変更された。︎RX-7(FD3S型)のエンジン(13B型)は、全車共通のアルミ製654cc×2の水冷直列2ローターで大小2基のターボチャージャーを備えるシーケンシャルツインターボ型となるが、生産期、グレードにより出力は異なる。今回ご紹介させていただく1998年式マツダRX-7RB BATHURSTは、1996年から1998年まで製造された中期モデルの4型となる。特徴は生産開始時から初めてエンジンに手が加えられたモデルとなる。ターボ過給圧やインテークパイプ材の見直し変更が行われ、エンジン制御コンピューターのCPUも8bitから16bitに変更されより緻密なエンジン制御が可能となり、マニュアルトランスミッション車のみ、発表時から続いた255馬力から、10馬力アップとなる265馬力/6500rpm、30kgm/5000rpmのトルクを発揮するエンジンが搭載される。また、この4型からエクステリアではリアコンビネーションランプが、丸型3連デザインとなりリアウイングが大型化され、インテリアではインパネ照明がそれまでのアンバーからグリーン系に変更された。「BATHURST」はオーストラリアで開催された「バサースト12時間レース」から引用されたグレード名で、マツダRX-7が3年連続優勝(1992年〜1994年)を果たした事を記念して採用された。RB BATHURSTではリアスポイラー、フロントリップ、16インチホイール、リアワイパー、タワーバーが装備され、4人乗り(リアシートはポルシェ911より狭く完全に荷物置き場というべきスペースしかない)となる。足回りはフロント、リアともにダブルウィッシュボーン式となりスタビライザーが付く、タイヤサイズは4輪ともに225/50ZR16(8JJ×16)となり、フロントに対抗4ピストンキャリパーをもつ4輪ベンチレーテッドブレーキ(ABS付き)を備える。︎全長×全幅×全高、4285mm×1760mm×1230mm、ホイールベース2425mm、トレッド前後ともに1460mm、車両重量1260kg、燃料タンク容量76リットル。軽量、コンパクトなボディで小さくパワフルなエンジンをフロント・ミッドシップに搭載して50:50の前後重量配分を持ち、スポーツカーにとって理想的とされるスペックの数々を全て備える設計がなされている。更にバネ下重量軽減の為サスペンションアームやリンク類をアルミ製(ロアアームは前後とも鍛造アルミ製)とし、取り付け部の支持剛性の強化、低重心化など操縦性向上の配慮も怠りない。RX-7は走り出せば、2速、3速にダブルコーンシンクロを採用した事により、素早いシフトを受け付けタッチも確実で、タイムロス無しに最速の加速が味わえる。コーナリングも基本素性が優れている為、絶対的な車体サイズを意識する事なく一体感ばかりが高まる。四つのタイヤが今どういう状況にあるか姿勢変化からとてもつかみやすい。鋭敏な回頭性をしめし、ほとんどアンダーステアを感じる事もなく、ほぼニュートラルステアとよべる軽快な操縦性はツーリングカーというよりレーシングカーに近い成り立ちを持つ、徹底的にこだわった設計をもち、スポーツカーとして理想的な素性をもつ国産車は残念ながらとても少ない存在となる。発売当初の「アンフィニRX-7タイプR(255馬力)」によるカーグラフィック誌実測値は0→100km/h加速5.5秒、0→400m加速13.8秒、最高速度リミッター作動により168km/hとなる。1998年式「マツダRX-7RB BATHURST」の新車時価格は361万2千円となり、RX-7(FD3S型)の総生産台数は約5万3千台となる。そのうち中期型といわれる4型の生産台数は9754台とされている。