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デュエット
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メーカー
アルファロメオ
ミッション
グレード
デュエット
ボディタイプ
オープン
外装色
ブルーメタリック
年式
1966.0 年型
走行距離
42200mile
乗車定員
2.0 名
サイズ
長 425.0 cm 幅 163.0 cm 高 129.0 cm
エンジン形式
直列4気筒DOHC
排気量
1570.0 cc
馬力
109
トルク
車検
令和6年5月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
中古並行輸入
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色
ブラック

アルファロメオ社は第二次世界大戦後、高級・高性能スポーツ&GTカーの少量生産メーカーから量産車メーカーに転じて「1900」シリーズを生産していた。そして1954年、デビューした「ジュリエッタ」シリーズの大ヒットにより本格的な量産メーカーとしての地位を確実なものとする。ジュリエッタ・シリーズは、ベルトーネ・デザインのクーペ 、自社デザインのベルリーナ、ピニンファリーナ・デザインのスパイダーの3種のボディが用意された。更に、これにコンペティションモデルのザガート製ボディを持つ「SZ」とベルトーネ製スペシャリティモデルの「SS」が加わる。ジュリエッタ・シリーズは1962年の夏に1.3Lから1.6Lに排気量アップされ「ジュリア」シリーズとなる。そして19663月のジュネーブ・ショーで「アルファロメオ 1600スパイダーデュエット」をデビューさせた。スパイダーデュエットのデザインは、ピニンファリーナ社が担当し、創業者のジョヴァンニ・バティスタ・ピニンファリーナの最後のプロジェクトとされている。デビューするにあたりアルファロメオ社は、この新型スパイダーの愛称を広く公募し、僅か2ヶ月間で14万票もの応募を集めた。その中から「二人で歌う」という意味の「デュエット」がえらばれ「スパイダーデュエット」となった。ところが間もなく、他社が食品名として商標登録されているのがわかり、デュエットの名では呼ばれなくなってしまった、というエピソードを持っている。スパイダーデュエットに搭載されるエンジンは、ジュリア・スプリントGTベローチェ用のボア×ストローク78mm×82mmを持つDOHC直列4気筒、1570ccとなる。このエンジンはサイドドラフトウェーバー40DCOE型を2連装し、圧縮比9.0から109馬力/6000rpm14.2kgm/2800rpmのトルクを発揮する。5速マニュアルトランスミッションを介して最高速度は185km/hと公表されている。足回りはジュリアGTと共通のフロント、ダブルウィッシュボーン+コイル+スタビライザーによる独立式となり、リアはトレーリングリンク+コイルのリジットとなる。ブレーキは高性能車を製造していたアルファロメオらしく、量産車と言えども4輪ディスクブレーキを備え、ステアリングはリサーキュレーティング・ボール式となる。タイヤサイズは155SR15。ボディサイズは全長×全幅×全高で4250mm×1630mm×1270mm(全高はトップをかけた状態で1290mm)となり、ジュリアGTに比べると伸びやかなノーズや長いリア・オーバーハングにより全長で170mm長く、全幅は50mm幅広くなる。2台並べるとスパイダーデュエットはずっと低く幅広で、よりスポーティな佇まいに感じられる。ホイールベースは旧型となるジュリエッタ・スパイダーと同じ2250mmで、これはジュリアGTと比べると100mm短くなる。トレッドはフロント1310mmで旧型より18mm拡大され、リアは共通となる1270mmとなる。車重は990kgでジュリアGTより40kg重くなる。ボディ同色のダッシュパネルを持つインテリアはオリジナリティが高く専用のデザインとなる。ドライバー目前のメータークラスターには2つの大径メーターが並び、左に6300rpmからレッドゾーンとなる8000rpmまでのタコメーター、右に220km/hまで刻まれるスピードメーターとなる。その右側に燃料、油圧、水温の順(左ハンドル車の場合)で小径メーターがドライバーに向けられて並んでいる。シートはビニール・レザー製となり、シート後ろには荷物が置けるスペースが備わる。シート後ろのレバーにより開くトランク・ルームはガソリンタンクが内蔵され、天地方向に浅くカーペットの下にはスペアタイヤが納まる。スピードメーターとタコメーターは時計でいう4時の位置あたりが0となり、針が時計まわりに回転しほぼ垂直の位置にくるとスピードは最速に近い175180km/h、タコはレッドゾーンとなる6300rpm付近を示す。にぎりが細めな3スポークステアリングを持ち、オルガン・タイプのクラッチペダルを踏んで、前方から手前に伸びるシフトレバーをローへ送り込む、この時ひと呼吸、間を取るかセカンドを舐めてからローに入れられれば、ギアを鳴かせる事は無い。スムーズにクラッチを繋ぎ走り出せばキャブレターの吸気音と、エグゾーストがミックスされた気持ちの良い音が優しく耳に届く。ツインチョーク・ウェーバーを備えるアルファ・ツインカムは始動で愚図る事も無く、低回転を強いられても不調の兆しは感じない。生き生きと活発に力強くスピードを乗せてアルファサウンドに包まれる。ジュリアGTと同じ足回りを持つ事で、その乗り心地はアルファのスポーツモデルの伝統に従い、低速ではやや硬めだがオープンロードでは、ジュリアGTより100mm短いホイールベースを活かして快適にドライビングが楽しめる。デザインを請け負ったピニンファリーナ社で製造されるボディの造りは入念でオープンボディとしては充分な剛性が感じられる。スパイダーデュエットのデザインは1956年、ベルトーネ社のデザイナー、フランコ・スカリオーネによるコンセプトカーのBAT(Belrina Aerodinamica Technica)シリーズに対応した形でピニンファリーナ社が「アルファロメオ 6C3500スーパーフローI」をトリノ・ショーで発表するところから始まる。そこから程なく「スーパーフローII」に進化したモデルは1959年「3500スパイダースーパースポーツ」となり、そのクーペ版の「3500CSSS」を経て、直接的なプロトタイプとも言える「ジュリエッタSSスパイダーエアロディナミカ」に辿り着き1961年のトリノ・ショーで発表される。翌年にクーペ版のエアロディナミカを追加して、更に4年間熟成を重ねてスパイダーデュエットは完成する。今この時代を振り返るとベルトーネのBATシリーズもピニンファリーナのスーパーフローの流れも、コストやセーフティデバイスに縛られないで、純粋にデザイナーが理想の自動車の形の進化や可能性を追い求めた縮図の様に思える。スパイダーデュエットはデザイナーが熟考しながら数々のプロトタイプを作り重ね、理想をそのまま実現出来た、理想に限りなく近いカタチで製品化された、アルファロメオ社にとっても、ピニンファリーナ社にとっても記念碑的なモデルだと思える。このスパイダーデュエットのデザインが始めにあったからこそ、アルファロメオ史上最長といわれる28年間も、アルファスパイダーは変遷を続けながら4世代、124000台も生産され、多くのクルマ好きに大切にされてきたのだと思う。しかしこの中で1600スパイダーデュエットが占める生産台数は、196669年の3年間に6325(左ハンドル5946台、右ハンドル379)のみ、僅か5%という数値になってしまう。