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4.2 4WD 左H
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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
4.2 4WD 左H
ボディタイプ
外装色
ブラックメタリック
年式
2015.0 年型
走行距離
21000km
乗車定員
5.0 名
サイズ
長 472.0 cm 幅 185.0 cm 高 141.0 cm
エンジン形式
CFS
排気量
4163.0 cc
馬力
450
トルク
44.0
車検
令和6年4月
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラックレザー
燃料区分
幌色

ドイツ・バイエルン州のインゴルシュタットに本社を置くフォルクスワーゲンの子会社として存在するアウディ。その発端はアウグスト・ホルヒが1901年から創業した自動車会社ホルヒとなる。ドイツ語で「ホルヒ」とは「聞く」という意味をもち、それをラテン語では「オーディオ」の語源となる「アウディ」となることから、自身が創業した会社を追われてしまったアウグストは、1910年に新たに立ち上げた自身の会社に「アウディ」と名付けた。その後の紆余曲折を経て第一次世界大戦後のドイツの経済苦境の中「ホルヒ」「アウディ」「DKW」「ヴァンダラー」の4つの自動車会社が合従連衡して「アウトウニオン」が誕生する。第二次世界大戦後には、ダイムラーベンツによる買収を経て1964年以降は、フォルクスワーゲンの傘下となった。1969年になると、そこにロータリーエンジン開発で知られる「NSU」を加え、1985年に現在の「アウディ」という会社になる。現在採用されているエンブレムは「フォー・シルバー・リンクス」と呼ばれる4つの輪を組み合わせたもので、かつての「アウトウニオン」のエンブレムに手を加え、アウトウニオン設立時に集まった4社の結びつきを表現し、左からアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーをあらわすといわれている。「アウディ」が守り続けてきたものは「技術による先進」という、この会社が掲げる言葉通りに常に時代を切り開く技術を追求し、それを自社のクルマに投入し続けてきた事。いかなる状況でも強力なトラクションを生み出す「クワトロシステム」や、「TDI」とよばれる先端のディーゼルテクノロジーに代表されるもので、それぞれモータースポーツのシーンを席巻するとともにプロダクションモデルにその技術を反映してきた。そうする事でドイツ車・プレミアムブランドのメルセデスベンツやBMWと並ぶ、ブランドイメージを浸透させたメーカーとしての成り立ちをもつ。アウディを現在の地位に躍進させた重要な人物を挙げるとすれば、フェルディナント・ピエヒかもしれない。ポルシェ創業主のフェルディナント・ポルシェを祖父とするピエヒは、ポルシェで働いていた時代には数々のレーシング・ポルシェの開発に携わり、中でも当時、無敵といわれたレーシングカー「ポルシェ917」の開発により技術者としての地位を確立した。ポルシェ退社後、ダイムラーベンツを経てアウディに開発担当として移籍、研究を続けてきた「フルタイム4WDシステム=クワトロシステム」と「5気筒ターボエンジン」を組み合わせた「アウディ・クワトロ」を開発する。「アウディ・クワトロ」はWRCに参戦し、1982年マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得、ラリー車のあり方を一変させた。1980年代終盤には「TDI」とよばれる高性能、高効率な直噴ターボディーゼルエンジンが開発され、ヨーロッパにディーゼル車ブームを巻き起こす。今世紀に入ってからは「TDI」技術によるV12エンジンを搭載したレーシングカー「アウディR10TDI」で、ル・マン24時間レースに勝利し史上初となるディーゼルエンジンによる勝利をアウディにもたらした。また、それらの技術はアウディのプレミアムメーカーとしての先進技術を象徴するアイコンともなっている。ピエヒという人物もそうだが、ポルシェとアウディのつながりは深く、その始まりはアウトウニオン時代にまで遡る。1934年、フェルディナント・ポルシェにより開発された「Pヴァーゲン」とよばれるミッドシップレイアウトのグランプリレーサーは「type A」ではV16気筒エンジンを搭載し、当時のグランプリシーンを席巻したメルセデスベンツ勢とともに、常にトップ争いを繰り広げシルバーアローとよばれていた。ベルリンのアヴス・サーキットで265km/hを超える速度で3つの世界速度記録を樹立するとともに「type B」「type C」と進化する。新鋭のレーシングドライバー、ベルント・ローゼマイヤーを見出したアウトウニオンは、1936年には選手権のかけられた4つのレースで3回の勝利をあげたローゼマイヤーにより選手権を獲得。1937年には「type Cストリームライン」とよばれるグランプリレーサーをタイヤ迄全て流線形のボディで覆ったレコードブレーカーに仕立てる事により、406.3km/hの速度記録を樹立する。翌1938128日にはフランクフルトとダルムシュタット間のアウトバーン上で速度記録に挑戦していたローゼマイヤーは479km/hを記録中に突風によりコースアウトし、僅か28歳にして帰らぬ人となってしまう。この年、フェルディナント・ポルシェはメルセデスベンツに移籍し、ポルシェと共に働いてきた技術者のエベラン・フォン・エーバホルストにより「type D」が開発され「アウトウニオンPヴァーゲン」はシリーズを通して、高い技術力が注がれたモデルとして1930年代を代表するレーシングモデルとなっている。時を経て1993年のフランクフルトショーでも、ポルシェとアウディのつながりを見ることが出来る。新型「ポルシェ911(993)」とともに発表されたのが、ポルシェ開発による「アウディRS2アバント」。当時のB4型「アウディ80アバント」をベースに、315馬力を発揮する2.2・直列5気筒インタークーラー付きターボエンジンとクワトロシステムを搭載、更に「ポルシェ928S4」用のブレーキシステムと「964カップ」用17インチ鍛造マグネシウムホイールにより、ワゴンボディながらも「964カレラ2」に匹敵するパフォーマンスを発揮するモデルとなっている。アウディには1983年に設立された「クワトロ社」という高性能車開発の為の子会社があり、「アウディ80」をベースに開発されたスポーツモデルの「S2」が存在していたが、それを遥かに上回る性能を誇るのが「RS2アバント」だった。0100km/h5.8秒、最高速度248km/hを誇り6MTを装備したモデルで、それをアウディ自慢の「アバント」ボディのみでの販売したところが大きな反響を呼んだ。「アバント」とはフランス語で「前へ」という意味をもち、その実用性とスタイリッシュなボディからアウディではステーション・ワゴンボディを現すモデル名として採用し「RS2アバント」の登場により、スポーツワゴンの人気は高まりを見せる。「アウディ80」が「アウディA4」にモデルチェンジすると「RS2アバント」のイメージをそのまま受け継ぐ形で「アウディRS4アバント」が登場する。ポルシェ開発による「RS2アバント」が切り拓いたワゴンボディによるハイパフォーマンスモデルを引き継いだ「RS4アバント」は「A4」シリーズが代を追うごとに、その最高性能モデルとして生産され続ける事となる。今回入荷した2015年式の「RS4アバント」は、「A4」としては4世代目となるB8型をベースとし「RS4アバント」としては3世代目のモデルとなっている。B8型「A4」は、ほぼ7年ぶのフルモデルチェンジとなり、20079月のフランクフルトショーで登場、「アバント」モデルは、翌年2月のジュネーブショーで発表された。このモデルは先代のB7型に比べ、ホイールベースを165mm延長することで、ゆとりのあるキャビンが特徴となっている。ボディ幅で+55mm、全長+120mmと大型化されているが、アルミ材を多用し軽量化にも配慮されたモデルとなり、ヘッドライトにLEDポジションランプが配される。先代にラインナップされていた「カブリオレ」の設定が無く、新たにクーペ系の「A5」が派生し、クロスオーバータイプの「A4オールロード・クワトロ」も発表され、時代の変化が感じられるモデルといえるかもしれない。このB8型「A4」をベースにクワトロ社(20161129日からアウディスポーツ社に社名変更された)により開発された「RS4アバント」は、4.2V8NAエンジンを搭載し、迫力あるエクステリアが採用されている。20123月のジュネーブショーで発表されたこのモデルにはセダンボディは存在せず、原点回帰ともいえる初代「RS2アバント」を想起させるアバントモデルのみの設定となっている。この次の世代では2.9V6ツインターボとなりエンジンのダウンサイジング化が図られてしまうので、ナチュラルなトルク感とレスポンスが味わえる最後の世代となる。ボディデザインは、このエンジンを象徴するようにアバントモデルながら独特の、大きくフレアしたブリスター型オーバーフェンダーが特徴となり、そこに収まる20インチの大径ホイールがタダモノでは無い雰囲気を醸し出している。更にベースから20mm下げられたロードクリアランスもアピアランスに拍車をかけている。フロントグリルは、ベースモデルと異なるハニカム形状とされ、その両サイドには大型のエアインテークを持つことで、パフォーマンスの高さを感じさせるものとなっている。ベースモデルと「RS4アバント」の間に位置する「S4アバント」では、過給ユニットとなる3V6+スーパーチャージャーによりプロダクションモデルのスポーツグレードという成り立ちが感じられるが、クワトロ社により作製される「RS」シリーズは、コンプリートカーとしての味わいを持ったモデルとなる。「RS4アバント」がフロントに縦置きに搭載するのは、水冷90°V8気筒DOHC32バルブエンジンとなり、ボア×ストローク84.5mm×92.8mmから4163ccの排気量を得るFSI(直噴)エンジンとなる。12.5と高い圧縮比をもち、最高出力450馬力/8250rpmと最大トルク43.8kgm/40006000rpmを発揮する。リッター100馬力を超える、このエンジンは「R8」に搭載されるものと基本的には同型で、鍛造アルミピストン、鍛造スチール製となるクランクシャフト、コンロッドを採用しながらも、環境性能や燃費は先代より進化した内容をもっている。組み合わされるトランスミッションは「Sトロニック」とよばれる9000rpmまで許容する、7速デュアル・クラッチ・トランスミッションとなる。クワトロシステムのセンターデフはクラウンギア式となり、前後トルク配分は40:60となる。状況に応じてセルフロッキング機構が働き70:3015:85の範囲で自動的にトルク配分を行う。アンダーステアを軽減する為のトルクベクタリング機構を搭載し、後輪左右のトルク配分を調整しながら優れたグリップを発揮するリアスポーツディファレンシャルも装備する。足回りは、フロント・5リンク式+コイルスプリング、リア・トラペゾイタル式+コイルスプリングとなり、前後ともにスタビライザーが備わる。油圧式となるDRC(ダイナミック・ライド・コントロール)付きスポーツサスペンションプラスが備わり、それまでの油圧システムに電子制御が加わることで、高いコンフォート性能と相反するダイナミック性能を高い次元で両立したものとなっている。ブレーキはフロント・ドリルドベンチレーテッドディスクに8ポッド・モノブロックキャリパーが組み合わされ、リア・ドリルドベンチレーテッドディスクが装備される。ブレーキディスクはフロント・リアともに軽量で冷却性の高いウェーブ・デザインが採用されている。ホイールは9J×20インチサイズの5Vスポークデザイン チタンルックとなり、265/30R20サイズのタイヤと組み合わされている。インテリアは、センターコンソールにカーボン製のパネルが備わるが、アウディらしくハイパフォーマンスカーである事を主張するような派手な演出は見当たらない。下部にフラットな部分を持つ「Dシェイプ」のステアリング裏には、スポーツドライビングには欠かせない変速用のパドルが装備されている。高級なファインナッパレザーで覆われたサポート性の高いスポーツシートは、バケットタイプで電動調整機能が付き、シートヒーターが装備されている。注目はステアリングホイールを通してドライバー正面左側に備わるレブカウンター。ワゴンボディでありながら9000rpmまで刻まれ8250rpmからがレッドゾーンとされる目盛りは、搭載するエンジンの性格を物語るものとなる。オートモードの備わるアウディ・ドライブセレクトのスイッチを操作すると、エンジン・足回り・変速機・ステアリング・マフラーが連携し、スポーツカーの様なダイナミックモードと、プレミアムセダン並みにリラックス出来るコンフォートモード、ドライバーの好みでそれぞれのセッティングが可能となる個別モードが選択可能となっている。また「RS」モデルらしく、燃費重視のエフィシェントモードの設定は無い。オーディオはバング&オルフセンのサウンドシステムが装備され、アバントモデルならではの荷室容量は490が確保される。リア・シートを倒すことにより更に荷室エリアを拡大出来、最大1430までの容量が確保できる。全長×全幅×全高は4720mm×1850mm×1435mm、ホイールベース2810mm、トレッド前1530mm、後1545mm、車両重量1860kgとなる。燃料タンク容量は61、最小回転半径は5.5m、新車時販売価格は1317万円となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速4.7秒、最高速度はリミッター制御により250km/hとなっているが、オプションでリミッター制御を280km/hまで引き上げる事が可能となっている。迫力あるルックスを気にしながらも、ドライバーズシートに腰を下ろすとプレミアムブランドらしいインテリアの質感の高さが感じられる。エンジンを始動すると、ボンネットの下におさまるV8エンジンの存在感は、アイドリング中であっても隠しきれない。シフトレバーをDレンジに入れアクセルを踏んでクルマが動き出すと、ステアリングの軽さと思いの外、滑らかな乗り心地に驚かされるかもしれない。低めの車高に薄いタイヤから想像される、強張ったイメージからは遠い低速時の乗り心地は、プレミアムメーカーの競合他車に劣らず柔らかさを感じさせるが、荒れた路面での衝撃は20インチ・タイヤゆえ、さすがにボディに衝撃が伝わるのが感知される。「RS4アバント」のハイパフォーマンスの一端を感じられるのは、高速道路に入ってからとなる。前方に空間を見つけて深めにアクセルを踏み込むと、硬質なV8サウンドを伴ってレブカウンターの針が8000rpmを超えるレッドゾーンめがけて駆け上がっていく。高回転型エンジンらしく生き生きとしたレスポンスを感じさせ、そのダイレクト感を味わっているとまるでスポーツカーを走らせている感覚になる。23速を使ってのワインディングロードでは、それなりのロールを感じさせながらもフロントノーズにおさまるエンジンの重量を気にさせない、軽いアンダーステアを保って安定してハイペースでコーナーを抜けて行くこととなる。こういった場面でもステアリングの正確性やブレーキの反応は充分に頼れるものとなり、味わい深いエンジンとの対話を安心して楽しむ事が出来る。アウディ・ドライブセレクトにより、滑らかな乗り心地にステーションワゴンボディによる日々のユーティリティと、スポーツカー並みの足回りを活かした高性能エンジンによるスポーツドライビングを使い分けることが可能となる。「RS4アバント」は、明確な2面性をもつモデルであり、それをスイッチひとつでメリハリの効いたセットアップが出来、家族の為のファミリーカーでもあり、ドライバーの為のスポーツカーとしても楽しみも併せ持つ。アウディの先進性の高い技術力により実現したパフォーマンスは、当時、販売されていた同クラスのライバル「AMG C63」に向けられていたものかもしれない。アウトウニオン時代「Pヴァーゲン」でグランプリを競ったのも、ローザマイヤーを失った速度記録も相手はメルセデス・ベンツだった。ポルシェ開発による「RS2アバント」製作時には「メルセデスベンツ500E」が製造されていた同じラインで「RS2アバント」の製作が行われ、技術集団ポルシェ家の血を引くピエヒは、技術者として何処かでメルセデス・ベンツを凌駕したいと思い描いていたのかもしれない。それを象徴するように「RS4アバント」のエンジンは「AMG C63」と同等の馬力を絞り出し、同等の加速性能を誇っている。2000ccも少ない排気量のエンジンで、敢えてアバントボディで、それを実現しているところが、アウディのこだわりと技術力と言えるのだろう。その上、クワトロシステムによる全天候型ともいえる、高いロードホールディング性能というアドバンテージまでもっているのが「RS4アバント」となる。ピエヒは2015年までフォルクスワーゲングループの会長として在任していた。アウディ屈指のハイパフォーマンスワゴン「RS4アバント」はピエヒ時代の最後を飾るのに相応しいモデルといえるのかもしれない