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メーカー
アストンマーチン
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
オープン
外装色
チチェスターブルー
年式
年型
走行距離
31000km
乗車定員
4 名
サイズ
長 459 cm 幅 183 cm 高 133 cm
エンジン形式
排気量
5340 cc
馬力
トルク
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ベージュ
燃料区分
ガソリン
幌色
ネイビー

1972年、アストンマーティン・ラゴンダ社を運営してきたデイヴィッド・ブラウン・グループの業績悪化は深刻なものとなり、サー・デイヴィッド・ブラウンはアストンマーティン・ラゴンダ社を売却する事となる。新しいオーナーとなったのはウィリアム・ウィルソンをトップとするカンパニー・ディベロップメントで経営責任者としてアラン・カーティスが任命された。これによりオールアルミ製V8気筒エンジンには、DBシリーズの名前は冠されず、革新的なウェッジシェイプのボディと近未来的なインテリアを持つ新型「ラゴンダ」と「DBS」の後継サルーン(アストンマーティンではクーペボディをサルーンと呼ぶ)の「AM V8」が生産されるようになる。「DBS」はグリル内に4灯ヘッドランプをレイアウトしたデザインが好評とはいえず「AM V8」にチェンジするのに伴い、古くからのDBシリーズの様にグリルから2灯のヘッドランプを独立させたデザインが採用された。両車ともオールアルミ製5.3リッター90°V8気筒DOHCエンジンを搭載し、社内チーフ・スタイリストのウィリアム・タウンズのデザインによるボディを持つ。「V8ヴォランテ」がラインナップに加わるのは、19786月。それまでDBシリーズに於いてオープンモデル(アストンマーティンではオープンボディをヴォランテと呼ぶ。イタリア語で軽快感や開放感を表す言葉で、ハンドルの意味もある)が存在していた事から、最大マーケットとなるアメリカからのリクエストにより実現した。この時「AM V8」はシリーズ4となっていたが、デビューしたての「V8ヴォランテ」は1978年〜1986年までの生産モデルがシリーズ11986年〜1989年までの生産モデルはシリーズ2となる。シリーズ1のエンジンはウェーバー・キャブ仕様で、シリーズ2はウェーバー・マレリ製インジェクション仕様となっている。オープンボディ化するにあたり、ファストバックスタイルのサルーンに対しヴォランテのリア・トランク部はウェストラインから水平に伸ばされたスクエアなスタイルに変更された。同時にサルーンと同じ後席空間を確保した上で、幌を収納するスペースを得るためシート直後の燃料タンクを後退させている。これにより荷室と燃料タンク容量は若干減少している。上げ下げともに完全自動化される幌は、メーカーこそ公表されていないがロールス・ロイス・コーニッシュ・コンバーティブルと同じシステムと素材が使用され、アストンマーティンのファクトリーで組み上げていたようだ。ダッシュボードのボタンでトランク内のSMITHS製油圧ピストンが可動し、幌のスケルトンを動かすシステムとなっている。幌の外皮は耐候性を考慮し、革ではなくEverflex PVCという合成レザーが張られている。幌内側は上等なモケットを使った内張が丁寧に施され、幌骨は一切見えない。サッシュレスとなるサイドウィンドウは、幌側にこれを受け止めるレールが備わる凝った造りがなされている。モノコックボディならば、構造上ルーフを取り払いオープン化すれば、ボディ剛性が低下してしまう。しかし強固なプラットフォーム・シャーシ上に細い鋼管を張り巡らせ、アルミ製ボディパネルを架装するスーパー・レッジェーラ工法(イタリアのカロッツェリア・トゥーリングがパテントを持っていた)を採用するアストンマーティンでは、さほど影響は出ない。僅かにサイドシルをダブルスキンとし、フロントピラー周辺に手を加えただけの対応がなされている。この結果ベースとなるサルーンの34kg増しとなる車重は1834kgとなり、1.9%の重量増に留まる。「V8ヴォランテ」の日本における新車価格は実に2980万円となっていて、ベースとなる「AM V8」の1630万円より更に1350万円も高額となっている。V8エンジン組み立てに約40時間、プレス成形のフロントパネルに追加する細部の叩き出し作業だけで約30時間を要する。一台のアストンマーティンが生まれるまでの全工作時間は、サルーンが1400時間なのに対しヴォランテは2000時間必要だといわれている。その大半は175人の熟練工による手仕事がメインとなる上に、ヴォランテにはウッドパネルなど贅を尽くした装備が独自に加えられている事で、この価格差となってしまうのだろう。生産ペースは週7台のうち2台がヴォランテとなっている。エンジンルームに低く搭載されるエンジンはボア・ストローク100mm×85mmの排気量5340ccとなるオールアルミ製90°V8気筒DOHCとなり、ツインチョーク・ウェーバー42DCNF274基備える。出力、トルクは公表されていないが、およそ300馬力くらいといわれている。参考値として「AM V8」の1977年型、日本仕様(51年規制対応モデルで圧縮比9.08.3、キャタライザー付)の当時の運輸省提出データによると、285馬力/4600rpm48.7kgm/3000rpmの出力、トルクとなっている。組み合わされるトランスミッションはクライスラー製トークフライト3速オートマチックトランスミッションとなる。前出の1977年型サルーンのカーグラフィック誌実測値は0100km加速8.59秒、0400m加速15.7秒、最高速度210km/hとなっている。足回りはフロント、ダブルウィッシュボーン式でスタビライザー付き、リアはドディオン・アクスル式となり、旧式なレバー型からコニ(KONI)製テレスコピックダンパーが採用されている。ブレーキは4輪ガーリング製4ポッドキャリパーとベンチレーテッドディスクを備え、リアブレーキはインボード式となっている。タイヤサイズは4輪とも235/70HR15となりケント製ホイールと組み合わされる。インテリアは仔牛5頭分のコノリーレザーを張り巡らせたといわれるシートをはじめ、素晴らしく良く磨かれたウォールナットパネルが施されている。これは熟練職人の手作業だからこそ成し得る、温もりさえ感じさせる丁寧な仕上げとなっている。ドライバー正面にW型に配された7連メーター類はスミス(SMITHS)製、ダッシュボード中央のアナログ式時計は、ロールス・ロイスでお馴染みのキンツレ(KIENZLE)製となる。クロームメッキは最小限でスイッチ類は少なく高級でありながらも派手さは無い。伝統に従ってパーキングブレーキレバーは、通常とは逆となるフライオフ式となっている。「V8ヴォランテ」をオープンのまま走らせると風の巻き込みはそれなりにあるが、サイドウィンドウを上げておけばドライビングの邪魔になる程では無い。乗り心地は路面の感触を伝えつつ角は丸められ佳き時代のグランドツアラーらしいものとなっている。クローズド状態で高速道路を走っても幌がバタつく気配さえ見せずに、造りの良さが感じられる。サルーンより少しだけ車外の音が耳に届く程度で、ヴォランテに乗っているという実感が湧く。高回転型のDOHCエンジンと低速トルク型アメリカンV8用のトランスミッションのコンビは、発進時に大きなスリップを伴いながらも、タウンスピードレベルでは1000rpmを越えると自動シフトアップされてしまうが、340km/h付近からでも充分な加速感が得られる。「V8ヴォランテ」にとって思いのままのスピードで巡航出来る、空いたハイウェイは最高の舞台となる。高めのギア比は3000rpm125km/hとなり、ちょうど力強いパワーを発揮し始めるところとなる。そこから4000rpmを超えると軽快に吹け上がり全力加速に移り、スポーツカー以外の何者でも無い咆哮に包まれゾクゾクする様な新たな世界を見る事となる。それは他のどのオープンモデルでも味わう事の出来ない、どのモデルとも似ていない男っぽく骨太な「アストンマーティンV8ヴォランテ」だけの世界と呼べるものとなる。全長×全幅×全高は4590mm×1830mm×1370mmとなり全高はサルーンより40mm高くなる。ホイールベースは2605mm。「V8ヴォランテ」には「P.O.W」と呼ばれるモデルが存在する。P.O.Wとはプリンス・オブ・ウェールズ、英国皇太子という意味だ。V8ヴォランテに注目したひとりにチャールズ皇太子がいた。21歳の誕生日に、母であるエリザベス女王からDB6ヴォランテMk-をプレゼントされ愛用していた。そんな彼は「V8ヴォランテ」のハイパフォーマンスモデルとなる「V8ヴァンテージ・ヴォランテ」に魅了された。しかしヴァンテージ・ヴォランテに標準装備されるエアロパーツが好みに合わない。その為スタンダード・ヴォランテのボディにヴァンテージ用のハイパワーエンジンを組み合わせたモデルをオーダーした。このモデルが公になるとアストンマーティンに同じ仕様の市販車を求める声が相次ぎ、ニューポート・パグネルのファクトリーではこのスペックのモデルを27台製作した。これが「V8ヴァンテージ・ヴォランテP.O.W」と呼ばれるモデルとなる。ヴァンテージモデルのハイパワーエンジンはコスワース製ピストンやハイカム、大口径ウェーバーキャブレターなどにより、410馬力〜420馬力を発揮する。ウェーバーを50mmにしてキャタライザー無しとすることで最強の432馬力となり、最高速度270km/h以上にもなるといわれている。生産台数は「V8ヴォランテ」が1978年〜1989年までで849(883台という説あり)。ベースとなる「AM V8」は1972年〜1989年までで1984台となる。