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メーカー
フェラーリ
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
外装色
グリジィオシルバーストーン
年式
2006.0 年型
走行距離
40450km
乗車定員
2.0 名
サイズ
長 451.0 cm 幅 192.0 cm 高 121.0 cm
エンジン形式
排気量
4307.0 cc
馬力
490
トルク
47.0
車検
令和5年12月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
並行輸入
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

フェラーリ「F430」のデビューは20049月パリサロン。先代となる「360モデナ」から引き継がれたボディスタイルや、ボディ構造を用いた進化モデルともいえる内容をもつ。フェラーリは代々フルモデルチェンジの間に、大きな進化モデルを発表し、それを繰り返してきた。例えば「308328」「348F355」「456GT456M GT」「550マラネロ575Mマラネロ」など。「F430」のリフレッシュされたボディデザインは、1961年にアメリカ人として初めてF1ワールドタイトルを獲得したフィル・ヒルの乗っていた「フェラーリ156F1」のシャークノーズ・デザインを取り入れている。他にも「360モデナ」に比べシャープなライト周りや「F430」と刻印の入った空力的なドアミラーと逆に「360モデナ」から継承したボンネット、ドア、ルーフをもっている。デザインはフランク・ステフェンソンによるものとなる。2001年、BMW在籍時にBMW製となる初代「ミニ・ワン」を、その後「X5」をデザインし、フィアット・グループに移籍し「マセラティMC12」「マセラティ・クーペ・グランスポーツ」を、それからマクラーレンに移り「P1」などを手がけた人物。アルミ製ボディに包まれたフレームは、「360モデナ」同様、アルコア社製アルミスペースフレームを採用し、最新の衝突安全基準を満たす為、細部に手が入れられ捩り剛性20%アップ、曲げ剛性8%アップを達成。フレーム構造の床には、新たにアルミ合金の中で頭抜けて強度の高い超々ジュラルミン材が用いられ強度を後押ししている。おかげで60kg重くなってしまった。また空力性能は「360モデナ」と同じCd0.33としながらも、超高速でダウンフォースを50%増やし揚力係数(Cl)0.25となっている。200km/hから上の速度で、フロントの安定感が増し、速度を問わずステアリングフィールが向上している。一番大きく進化したのは、エンジンだろう。「360モデナ」のF131B型エンジンまでは1973年デビューの「308GT4」からはじまり「GTO/F40」を含め搭載され続けてきたエンジンは、ボア間ピッチ94mmをはじめとし、タイミングベルトを含む基本要素を変えずに同じくしてきた。この「F430」からは全く新しいティーポ136E型とよばれる新型エンジンとなり、先にマセラティが自社の「クーペ/スパイダー」用に設計していたモノを、フェラーリにより再設計され、フェラーリのエンジン部門で生産されるものとなっている。エンジン担当責任者はルノーF1エンジン設計で知られるジャン・ジャック・イス(1980年代のV6ターボF1時代に、フェラーリF1エンジンを設計していた人なので、フェラーリ復帰ともいえる)90°V8気筒DOHC32バルブエンジンは、チェーン駆動となり先代に比べ、ひと回り大きくなっている。ボア・ストロークは92mm×81mmとなりマセラティ用とボアは共通となるがストロークは1.2mm長く、排気量4308ccとなっている(マセラティ用は4244cc)。圧縮比11.3をもち、吸排気ともに連続可変バルブタイミング機構を備え、最高出力490馬力/8500rpmと最大トルク47.4kgm/5250rpmを発揮する。それぞれ「360モデナ」に比べ90馬力=20%9.4kgm=25%も向上している。478馬力を誇る「F40」を凌ぐ性能となっている。5バルブヘッドを採用していた「360モデナ」用F131B型エンジンから、オーソドックスな4バルブヘッドに変更したのは、設計者イスによると吸気効率を高める為に、より直線的なインテークポート形状にしたかったからと話している。それはF1で培った技術をダイレクトにフィードバックしたものとなる。マセラティ用では90°スローのクロスプレーン・クランクシャフトだったが、フェラーリ用では伝統の180°シングルプレーン・クランクシャフトに変更され、慣性吸排気を存分に利用出来る様になっている。ピストンは引き続きマーレ製の鍛造アルミピストン、コンロッドはパンクル社製チタンコンロッドとなり、エンジン単体重量は184kgに抑えられている。これは「360モデナ」用F131B型エンジンに比べ僅かに4kg増しにとどまる。組み合わされるトランスミッションは「360モデナ」と同じく「6MT」とセミオートマチックとなる「F1」システムから選択出来た。進化した「F1」システムは構造は基本的に「エンツォ・フェラーリ」と同じながらもECU などの進化に伴い変速に最短0.15秒しかかからない。自動変速となる「AUTO」モードと「AUTO」モード中でもステアリング裏にあるパドルにより、任意にシフトチェンジ可能となる。「360モデナ」ではオイルパン底面から145mmだったクランク中心が「F430」では130mmまでとなり、エンジン搭載位置がそれだけ下がった。これによりクラッチ板が247mm乾式単板から、小径の215mmツインプレートに変更された。エンジンオイルも低重心化の為ギアボックスハウジング内に納められ、これもF1由来となる。また電子制御により、作動制限率を変化させるLSD(E-Diff)が、新たに組み込まれた。「F1」システムの油圧を使い、機械式LSDのフリクションディスクの代わりに湿式多板クラッチを用い、それを押し付ける事でロック率を変化させるモノとなる。これによりハイパワーを有効に使える様になるとともに、スタビリティの向上にも効力を発揮する。ステアリング右のスポーク下に設定された「マネッティーノ」により走行モードを変更する時にも「E-Diff」が活用される。「アイス」「ローグリップ」「スポーツ」「レース」「CST(Control for Stability&Traction)オフ」の5つが用意され、ダンピング、CST介入度、ギアチェンジ速度、E-Diffロック率などが、組み合わされたプログラムにより異なる走りを味わえる。足回りは、総アルミ製の前後ダブルウィッシュボーン式でスタビライザーを備え、ブレーキは前360mm、後330mmのドリルドベンチレーテッドディスクとなる。組み合わされるキャリパーは前後ともブレンボ製4ポッドキャリパーとなる。タイヤサイズは前255/35ZR19、後285/35ZR19となる。今回入荷した個体には純正オプションのBBS19インチ・マグホイールが装着されている。インテリアはフェラーリならではの上質なレザーの匂いに圧倒される。「F1」システム用のアルミ製パドルを備えたステアリングは上下が少し潰れた形状をしている。ダッシュボード中央には、特徴的な3連エアベントが並びカーボン製のパネルで覆われる。ステアリングを通してメータークラスター中央には「エンツォ・フェラーリ」にならった、一際大きな1rpmまでのタコメーターが備わる。その右には360km/hまでの一回り小さなスピードメーターを配置、スタンダードのシートは調整は全て電動調整式となっている。カーボンファイバーとレザーにより構成されるインテリアは、使用材料と、その工作品質もとに高いクオリティとなっている。パーキングブレーキはセンターコンソールにあるオーソドックスなタイプを採用。また「F1」システムのオートモードとバックギア選択の為のボタンもセンターコンソールのアルミプレート部に装備する。全長×全幅×全高は4512mm×1923mm×1214mmでホイールベースは2600mm、トレッド前1669mm、後1616mm、車両重量1450kgとなり「360モデナ」の約10%増となっている。燃料タンク容量は95、新車時ディーラー価格は2242万円(2006)。生産台数は「F430」全てのモデルを含む合計で16999台となる。メーカー公表性能値0100km/h加速4.0(エンツォ・フェラーリの4.2秒を凌ぐタイム)0400m加速11.95(6MTモデルは12秒フラット)、最高速度312km/hとなっている。ちなみにフィオラノ・テストコースのラップタイムは「F50」と同タイムとなる127秒で「360モデナ」から4秒、短縮している。カーグラフィック誌による実測データは「F430 F1」によるもので、0100km/h加速4.5秒、0400m加速12.3秒、最高速度250km/h以上となっている。「F430」に乗り込みミラー越しにリアフェンダーの膨らみと透明なリアのエンジンフードを見ると、低いドライビングポジションと合わせてフェラーリに乗っている実感が高まる。イグニッションをオンにしてステアリング上の「エンジンスタート」ボタンを押せば、忽然とエンジンはアイドリングを始める。背後のエンジン音がとてもパワフルなものに思えて、ドライバーを鼓舞する様に感じられる。右のパドルを引くとカコンと1速に入り、アクセルペダルをゆっくりと踏み込むと、クラッチがエンゲージし少しずつクルマが動き出すポイントがある。そこで一度アクセルを踏む足を固定出来れば、その後クラッチが自動で繋がり滑らかに発進出来る。絶え間なく改良されてきた「F1」システムは、自動変速がとてもスムーズで滑らかに出来るようになっている。ハードな足回りではあるが、しっかりと強化されたアルミスペースフレームにより、乗り心地も満足出来るレベルとなっていてシートの出来と相まって、尖った振動は直接身体に伝わっては来ない。街乗りは車両感覚さえ掴めれば、低いエンジン回転数で自動シフトに任せても、難なくこなせてしまうだろう。高速に上がって少しエンジン回転を上げてみると「F355」の様に咽び泣くような感じでは無く「360モデナ」より澄んだ、これも紛れもなくフェラーリだと思える官能的な音を奏でる。レッドゾーンまで上りつめてもパワーのタレは感じられず、キレイに吹けきる様にセッティングされている。左のパドルを引いてシフトダウンを促せば、中吹かしの時のレスポンスの良さとサウンドが印象的だ。山道に入れば、路面状況をドライバーにとても良く伝えるステアリングに驚くかもしれない。しっかりと踏力に比例して頼れるブレーキと、パドルによるシフトの上げ下げ、そしてフィール溢れるステアリングを操作してのワインディングロードはどれだけ走っても足りない、楽しみの時間となる。スピードを出す事ばかり考えなくても、自分のイメージ通りにクルマを走らせられる気持ち良さを味わうと、時間が過ぎるのを忘れてしまうだろう。その上、魅力的なサウンドが加われば、これ以上の楽しみは無い。実用性と耐久性の高まってきたこの時代のフェラーリはコミュニケーション能力も高く、乗り続ける事で自信を持って走る事が出来る様になる。快適性も合わせ持つ為、長距離ドライブも可能となり更に楽しみは広がりを見せる事だろう。