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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
4.8
ボディタイプ
外装色
ホワイト
年式
2011 年型
走行距離
1500km
乗車定員
2 名
サイズ
長 450 cm 幅 189 cm 高 122 cm
エンジン形式
排気量
4805 cc
馬力
560
トルク
48.9
車検
令和6年10月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
内装色
レッド
燃料区分
ガソリン
幌色

整備関係他、全てレクサス店にて行っております。( 記録資料、備品、スペアキー等揃っております。)


現代のスポーツカーでは、設定された価格や製造コストなどの制約により、構成される多くの部品に乗用車用のメカニズムを流用せざるを得ない。それが、目標とする運動性能や基本的な設計に様々な影響を与え、商品化する為にはある程度の妥協が必要となってしまう。高価格なスーパーカーにおいてもコストは深刻なテーマとなり、専業メーカーでは各車で可能な限り必要なパーツの流用が行われ生産されているのが現実となっている。そんなスーパーカーの世界に車両構成部品のほとんど全てを、僅か500台の生産車の為に、白紙から企画し専用設計されたモデルが「レクサスLFA」となる。モノづくりに賭ける日本人ならではの気骨と心意気が凝縮されカタチになった、他に類を見ない日本オリジナルのスーパーカーといえる内容をもっている。「レクサスLFA」は、2005年と2007年の東京モーターショーでプロトタイプが公開され、当初「LF-A(Lexus Future Advance)」と命名されていた。2005年に登場したプロトタイプは平面造形を軸にデザインされ、この時点での量産はまだ少し遠く感じらるものだった。しかし2007年に姿をあらわした2世代目のプロトタイプは見違える程の進化を見せ、まとまりのある美しささえ感じさせるデザインを実現していた。凹面を巧みに生かした造形が用いられ、5近いV10エンジンを搭載するとは思えない、コンパクトに感じられるボディは、'70'80年代の代表的な「フェラーリ」各車のデザインで知られる、イタリアのカロッツェリア・ピニンファリーナに在籍していた、レオナルド・フィオラバンディの関与を窺わせるものとなっている。「LF-A」とフィオラバンディのイニシアル「LF」が重なるのもあながち偶然とは考えにくいと、見た者に想像させる印象を持っていた。ボディデザインの進化とともに200410月から「LF-A」はドイツのニュルブルクリンクを拠点に本格的に開発走行テストを実施していた。統括エンジニアの棚橋晴彦と、チーフテストドライバーとしてトヨタが誇る熟練の「マスターテストドライバー」成瀬弘が中心となり、毎年春と秋に1回ずつこのオールドコースを何百ラップも走り込むことでクルマを鍛えあげていた。その中にはデビュー前の2008年と2009年の「ニュルブルクリンク24時間レース」へのエントリーも含まれ、2008年のレースでは数々のトラブルに見舞われ121位完走となり、多くの知見を得た。2009年のレースにおいては「GAZOO Racing」として成瀬にドライビングを教わった、豊田章雄本人も「モリゾウ」として成瀬とともに「LF-A」をドライブしレースを闘った。成瀬組はリタイアに終わるが、豊田組は87位という結果でレースを完走した。チーフテストドライバーの成瀬は「LFA」開発において常に「クルマは最後までドライバーを見放してはならない」というダイナミクス性能を目標に掲げ開発にあたっていたといわれている。世界超一級レベルの動力性能と官能性をあわせもつスーパースポーツカーとして開発が続けられた「LF-A」は、2009年の東京モーターショーで正式にデビューを果たす。市販型では車名を「レクサスLFA(Lexus Fsports Apex)」と改めトヨタ自動車元町工場の「LFA工房」にて、全てを職人によるハンドメイドにより生産され、20101215日にラインオフ式を済ませると、同年末からデリバリーが開始された。月産21台という少量生産を続けながら、2010年の「ニュルブルクリンク24時間レース」にエントリーすると、SP8クラスで見事クラス優勝(総合18)という結果を残し、それまでの雪辱を果たした。この頃、成瀬は「GRMN(GAZOO Racing tuned by MN)」と「G's」というコンプリートカーブランド発足にも関与し「GRMN」の「MN」とは「ニュル・マイスター(Meister of Nurburgring)」に由来し、現在の「GR」へとつながっていく。クラス優勝からひと月後の2010623日、追加販売が予定されていた「LFAニュルブルクリンク・パッケージ」の開発テストの為、ドイツのニュルブルクリンク近郊の一般道で、対向車線を走っていたBMW車との正面衝突事故により成瀬は命を落とす事となる。その後の20118月〜9月、2回に分けて統括エンジニアの棚橋とともにニュルブルクリンク入りした開発チームは「ノルドシュライフェ」において「LFAニュルブルクリンク・パッケージ」によるテストの中で714秒台を記録し、当時このコースで最速だった「ポルシェ911GT2RS」の記録718秒を破り世界最速の1台という栄誉を獲得する。「ノルドシュライフェを720秒を切れるクルマを世に出したい」という想いを胸に抱き、それを目標のひとつに掲げていたのは他ならぬチーフテストドライバーだった故・成瀬弘だった。その遺志は、開発チームと「LFA」により報われ成し遂げられた瞬間だった。「レクサスLFA」最大の見どころとなるのは、100%自社でつくられるカーボンコンポジット製のそのボディと言えるだろう。トヨタのF1参戦により、そこから生まれた技術が活かされ車体の中心となるキャビン部分は、カーボン成形法としては従来からあるプリプレグ法とSMC法に加え、RTM(E46BMWM3CSLのルーフに使われた手法で、強度はプリプレグ法より若干低いが生産性に優れる)と呼ばれる成形法を組み合わせ、強度と軽量化のバランスを取りつつ生産性の向上も図られている。またルーフサイドレールはABS製のチューブが「三次元編み機」によりカーボンの糸で包まれる構造をもち、織機の技術を活かしたトヨタ独自の画期的な製法が用いられている。このカーボンコンポジットボディの前後にアルミ製フレームがボルト締めされた「LFA」のボディは、開発当初(2003)アルミプレス構造によるボディの採用を想定していた。強度を増したカーボンコンポジット65%アルミ35%で構成される、この新たな骨格はそれに比べ約100kgも軽量化された236kgに仕上がっている。被せられる外皮は、面積が広く剛性が必要なエンジンフード、ルーフにカーボンコンポジット(CFRP)、フロント及びリアフェンダー、サイドスカート、ドアなど剛性を必要としないエリアには、ガラスコンポジットが用いられ、軽量で高剛性のボディが形作られている。搭載されるエンジンは1LR-GUE型と呼ばれる、水冷72V10気筒DOHC40Vの「LFA」専用エンジンで、吸排気ともに可変となるVVT-i機構を備えたコンパクトで軽量設計となっている。このエンジンは、ハードウェア開発は「トヨタ2000GT」のエンジン開発以来、永きにわたり技術提携をしてきたヤマハ発動機が担当し、設計グループ主務の吉岡伸二を中心として2000年から開発が開始された。電子デバイスや制御システムの開発はトヨタ自動車が主に担当し、同クラスV8エンジン並みのエンジン単体重量200kg+aを実現している。ボア×ストロークは88mm×79mmから4805ccの排気量をもち、12.0の圧縮比により560馬力/8700rpm48.9kgm/7000rpmのトルクを発揮する。パフォーマンスはもちろん、NAエンジンならではのレスポンスとコンフォート性、耐久性を考慮して開発されたエンジンは、10個のピストンが等間隔爆発となる様に、72度のバンク角を採用している。10連独立スロットルとステンレス製等長エキゾーストマニフォールドを装備し、アイドリングから9000rpmまで僅か0.6秒という電光石火のレスポンスが可能となっている。それとあわせてサウンドにもこだわって開発されたエンジンは、それまで「NVHは極力減らしてエンジン音はなるべく消す」と言い続けてきたトヨタが180度の方向転換をして「音を消すのではなく美しく奏でるもの」とし「天使の咆哮」と呼ばれる程のサウンドに仕上げられている。中空構造をもつ4本のカムシャフトはエンジン前端でチェーン駆動され、バルブ駆動はロッカーアーム式を採用、ロッカーアームの上下滑り面には摩擦損失低減の為のDLC(Diamond Like Carbon)シリコンコーティングが施されている。 17を必要とするエンジンオイルの潤滑はドライサンプ方式とし、2個のプレッシャーポンプ(オイル圧送用)7個のスカベンジポンプ(オイル回収用)で循環させている。ウォーターポンプは2個装備され、それぞれのポンプ類はエンジン両サイドにレイアウトすることでエンジン高を低く抑えながら、なるべく低いエンジン搭載位置を確保し低重心化に配慮されたものとなる。ピストンは高強度アルミ鍛造製、コンロッドはレーシングエンジンでは定番のオーストリアにあるパンクル社製によるチタン鍛造製、クランクシャフトはニッケルクロモリ鋼の鍛造製となり、表面は窒化処理され強度を高めながら22.54気筒エンジン用並みとなる、重量18kgの軽さを実現。このエンジンの組み立てはヤマハ本社工場内に特設されたクリーンルームが用意され、4人の専従作業者のみで行われる。ボルト1本からダイナモテストまで、その組み立て工程を全て1人で担当し、エンジン左バンク前方にそのいずれか1人のネームプレートが付けられている。組み合わされるトランスミッションは、6ASG(オートメーディット・シーケンシャル・ギアボックス)と呼ばれるアイシン製シングルクラッチ電子制御式MTとなっている。自動変速モードを持ちつつ、ステアリングホイール裏側に付くアルミ製シフトパドルによる任意の変速も可能となる。エンジンレスポンスや変速のダイレクト感、パワーの変化を余すところなく味わう為に、この時代に選択出来たトルコン式やツインクラッチ式を見送り、あえてシングルクラッチ式にこだわり採用されている。1速〜4速までがトリプルコーン、5速、6速がダブルコーンで、全段カーボンシンクロナイザーが採用され、シフト方向とセレクト方向を担当する2個のシフトアクチュエーターにより期待をはるかに上回るチェンジ・レスポンス・マナーを実現するとともに、最速モードを選択するとレーシングカーに匹敵する程の速さでのシフトチェンジが堪能出来る。またこの素速い変速を実現する為に乾式単板クラッチが採用され、リアデフにはトルセンLSDが備わる。「LFA」はフロントミッドシップによるFR駆動となる為、クラッチとギアボックスはリアに搭載するトランスアクスル方式を採用し、ここでもこだわりの設計を見る事が出来る。それはエンジンとミッションを結ぶトルクチューブが、低く搭載されたエンジンから85mm上方へカウンターギアにより移され、その下に排気管を通す方式が取られている。これによりセンターコンソールの幅を狭くする事が出来、乗員の着座位置を中央に寄せる事が可能となっている。また全面投影面積を拡大する事無く、側突要件もクリアするとともにフラットなフロアは空力に有利な設計が可能となっている。ここで使用されるトルクチューブは、バナジウム鋼管の内側をくり抜き、厚さ僅か2.2mm、重量6.9kgの、強度と軽量のバランスを考慮したものが採用されている。トランスアクスル方式とフロントにラジエーターを置かず、リアに配置されるクーリングシステムなどにより「LFA」の前後重量配分は48:52とされ、FR2輪駆動として運動性能を高める為に理想的な数値を実現している。足回りは、前ダブルウィシュボーン式+スタビライザー、後マルチリンク式+スタビライザーとなり、サスペンションアーム類、及びホイールキャリアは全てアルミ鍛造製となる。ショックアブソーバーはカヤバ工業製の、圧力室を別体タンクとしストロークをしっかり確保した車高調整式とされ、軽量なアルミ製シリンダーが採用される。その内壁にはニカシルメッキ加工がされるとともに、ピストンロッドにはDLCシリコンコーティングが施され固められながも、滑らかな伸縮を可能としている。フロントサスペンションは12ヶ所のマウントのうち2ヶ所以外ボールジョイント方式(ピロボール)となり、リアサスペンションにおいては12ヶ所のうち8ヶ所が同様の方式となっている。ブレーキはカーボンセラミック製ドリルド・ベンチレーテッド・ディスクが採用され、前390mm×34mm、後360mm×28mmサイズとなる。組み合わされるキャリパーは曙製で、前が対向異径6ポッド・モノブロックキャリパー、後が対向異径4ポッド・モノブロックキャリパーとなり、ブレーキシステムはフライ・バイ・ワイヤーによるABS付き電子制御式となっている。ホイールはBBS/ワシマイヤー製のアルミ鍛造製となり前9.5J(12.4kg)、後11.5J(14.3kg)、組み合わされるタイヤサイズは前265/35ZR20 95Y、後305/30ZR20 99Yとなり、BSポテンザS001が採用されている。インテリアはカーボンと本革を贅沢に組み合わせたものとなり、特に助手席前方の2段構えのダッシュボード形状が特徴的なデザインとなる。世界の超高級車にならいフルオーダー方式が採用され、本革は基本12色、アルカンターラは基本10色が設定され、注文時にシート、インパネ下部、ドアなど、カラーとマテリアルを自由に組み合わせる事が出来た。縫製ステッチは12色から選択可能となり、これらの組み合わせは1440通りにもなり、特色カラーでのオーダーにも対応していた。またキャビン内にも心地よくエンジン音を響かせる為にヤマハの音響技術が生かされた設計がなされている。革張りのバケットシートは極端に硬くは無いが、座面はそれ程の厚みは無く、電動調整の操作感はレクサスらしい滑らかさを持つ。直径360mmとなる小径カーボンコンポジット製ステアリングホイールは、円周部全体に芯金が備わるのが通常のステアリングとなるが「LFA」用ではイナーシャ低減の為、中空構造の軽量設計となっている。「LFA」のステアリングはダイレクト式の電動パワーステアリングが採用され、コラムアシストとなるので剛性の高いダッシュパネルに取り付けられている。これは低いエンジン搭載位置の為、太いステアリングギアボックスがエンジン下に収まらない事による。量産車ではブッシュマウントされるステアリングギアボックスは、リジットマウントされることにより、高い剛性感を実現している。エンジンはステアリングコラムにキーを挿し、ステアリングホイール上のスタートボタンを押すことにより始動する。ステアリング裏には左右それぞれに変速用のパドルが備わり、右がアップ左がダウン、左右同時に引けばニュートラルとなる。リバースギア選択は、ステアリングコラム左側のスイッチで行う。ドライブモードはオート、ウェット、ノーマル、スポーツがメーターパネル右上のダイヤルで選択出来る。オートモードを選択するとギアボックスは自動変速となり、他のモードはパドルによるマニュアル変速となる。またオートモード選択時でも、パドルによるマニュアル変速は可能となっている。それぞれのモードにおいてVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management=VSCTRCABS、電動スロットル、電動パワステなどを統合制御するシステム)とよばれるアクティブセーフティ装置が黒子となって、様々な状況で巧みにドライバーを支援する。またクラッチミートの速度はそれぞれのドライブモードでデフォルト設定されるが、任意に7段階からの選択が可能となり、最短では僅か0.2秒を実現している。メーターは機械式ではエンジンレスポンスに追従出来ない事から、TFT液晶パネルによる映像式が採用される。映像で投影される円形の針式タコメーターとその内側にデジタル数字のスピードとギアポジションが表示され、アイドリング時のタコメーターの針の細かい動きまで再現される映像は、アナログ製と見間違える程の見事なグラフィックとなっている。12スピーカーによるオーディオはマークレビンソンソン製プレミアムサラウンドシステムが採用されている。ドライバーズ・シートからフロント、サイドの視界は全く問題無くリアも何とか確保されているが、斜め後方の視界と、長めのフロントオーバーハングに対して110mmたらずという低めの地上高とリア・デフューザーのフィンの低さは「LFA」の数少ない弱点と言えるかもしれない。全長×全幅×全高は4505mm×1895mm×1265mmでホイールベースは2605mm、トレッド前1580mm、後1570mm、車両重量1580kg、燃料タンク容量73、最小回転半径6.1m、新車時価格3750万円となる。生産台数は500台、そのうち国内販売台数は165台とされ、この数字は当時の国内におけるレクサス販売店の数と一致する(200台販売されたという説もある)。生産される500台のうち50台は「ニュルブルクリンク・パッケージ」という特別仕様車(11馬力アップの専用エンジン搭載で車体は100kg軽量、専用のエアロ、足回り、インテリアで4450万円)となっている。国産車としては高額となるが、作り上げていく手間とこだわりの品質を考えると、利益は全く望めないと思える内容をもっている。動力性能は、公表性能値0100km/h加速3.7秒以下、最高速度325km/h以上(国内販売車は180km/hに制限)、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェの最速ラップタイムは71464(ニュルブルクリンク・パッケージ車による)となる。カーグラフィック誌による性能実測値は雨天によるウェット状態で、0100km/h加速4.5秒、0400m加速12.3秒、01000m加速21.9秒、最高速度250km/h以上となっている。「レクサスLFA」のサイドウィンドウ後方にあるインテークにつながる窪んだラインの中に、ドアを開ける為のプッシュボタンがある。このボタンを押し込みドアを開き、幅が広めのサイドシルを越えて豪華なレザーで設られたバケットシートに腰を下ろす。包み込まれるようなホールド感を味わいながら、ドア側にレイアウトされたシルバーの2つのレバーでスライドとリクラインを調整し、電動のリーチと上下調整が可能なステアリングを合わせれば、完璧なドライビングポジションが得られる。SRSシートベルトエアバック内蔵の3点式ベルトを装着し、ステアリングコラムにキーを挿し込んでイグニッションをオンにする。ステアリングホイール上のスタートボタンを押す事でエンジンが始動し、右手でパドルを引けば1速が選択され、アクセルペダルをゆっくり開けていくと電子制御クラッチが自動的にエンゲージし、滑らかに走り出す事が出来る。シングルクラッチ式のトランスミッションにもかかわらず、ジャダーを発生させずに動き出す仕草はトルコン式ATに近いものとなる。タウンスピードでは足回りの固さと、過剰な遮音はされていない為にメカニカル・ノイズは気になるが、それ以上にソリッドな各部の操作感は印象的なものとなっている。聴かせる為のサウンドをもつ「LFA」のマフラーは、メインマフラーの排気入口部分にバルブが備わり、エンジン回転数に応じて排気流路を切り替えている。3000rpmを超えるとV10エンジンらしい高音系のサウンドを響かせ始め、7000rpmあたりから吸気音とメカニカルノイズを加えた渾然一体となったドラマチックなサウンドを体感させながら9000rpm迄、全く勢いが衰える事なく回り切る。そのサウンドのグラデーションに比例して、回せば回しただけリニアにパワーの盛り上がりを体感出来る。エンジンパワーはしっかりとしたボディと、締め上げられた足回りに支えられ、洗練されたマン・マシーン・インターフェイスが保たれる。各操作系のバランスは軽すぎず重すぎない範囲で、敏感だけれど過敏にならない上々のバランスと出来栄えを見せ、そのリニアリティは最後の最後まで保たれる。超弩級のスーパースポーツでありながら、日本のワインディングロードにおいても、如何なるスピードレンジに関わらず、素晴らしいドライビングプレジャーが堪能出来る。高速走行時のスタビリティの高さも、アクティブリアウィングをはじめとするエアロシステムにより、強力なダウンフォースでケタ外れの直進安定性を示し、路面に貼りついたような走行感が味わえる。コックピットに鳴り響く「ミュージック」ともいえる鮮烈なV10エンジン・サウンドは、ヤマハ楽器の金管部門が関わって完成されたもので、その快音に包まれて「LFA」を走らせる事は快感以外の何ものでもない。スペチアーレ系の「フェラーリ」各車や、かつての「マクラーレンF1」など、並外れた高水準のスーパースポーツでしか持ち得なかった、雑味の無い一体感を「LFA」はドライバーに感じさせる。その圧倒的ともいえるパフォーマンスをコンパクトで控えめなオリジナリティの高いボディデザインの中に内包しているのが「LFA」となる。あくまでも日本らしいアプローチで、高性能車に仕上げられ、回しきればしっかりとパンチのあるV10エンジンは、どこかで急に炸裂する段付きのパワー感ではなく、回転数に比例して僅かにホンの少しずつリニアにパワーを積み上げて行く。そのエンジン特性が、漸進的で「FR2駆」にとても良く馴染んでいる。100%内製される軽量で高剛性の車体と的確に働くサスペンションは、どこから踏んでも極めてナチュラルにドライバーの意思に反応しエンジンパワーを活かしきれるものとなっている。6千キロ近くニュルブルクリンクでテスト走行を続け、イタリアのナルド・サーキットでは12千キロに及ぶ超高速耐久テストまでこなし、約10年の開発期間を費やし完成まで漕ぎつけた「レクサスLFA」。このクルマは、純粋な内燃機関を持つクルマとして、おそらく空前絶後となる日本オリジナルの、情緒あふれる本物のスーパースポーツとして語り継がれる1台となるだろう