サイズ
長 474.0 cm 幅 176.0 cm 高 141.0 cm
1984年の登場から1995まで生産されたEクラス(W124型)の中で1992年にラインナップに加わった280E(翌年からマイナーチェンジに伴いE280となる)。DOHC4バルブヘッドを搭載する2799ccエンジンは、200馬力/5500rpmと28.2kgm/3780rpmのトルクを発揮する。直列6気筒で1044型と呼ばれ、3.2Lユニット(1049型)のシリンダーストロークを84mmから73.5mmに10.5mmショート化したエンジンで、シリンダーヘッド、ブロックなど主要パーツは共通となる。︎ショートストローク化されても、しっかり低速トルクが確保されて、フラットトルク型になっているのが1044型の特徴。エンジンマネージメントシステムを、それまでのボッシュKEジェトロニックから、電子制御となるボッシュ・モトロニックに変更し、クリーンで高効率なエンジンとなっている。︎ボディ剛性で定評のあるW124型のフロア構造は独特で、強固に仕立てたフロアで、車体に入る応力の大部分を受けとめる考え方で造られている。それはフロアパネルに、角パイプを縦横斜めに敷き詰めて溶接一体化して、その強固な床を構造の主体としている。この構造が乗った人間に実際以上に「ボディが重厚で頑丈な感じ」を与える。この独特な床構造は、その後をつぐW210型のEクラスでは継承されず、一般的な構造となってしまう。︎足回りはW124型より先にデビューした、190E(W201型)とともに登場した、マルチリンク式をリアサスに採用している。メルセデスベンツが開発期間に10年を要した、サスペンション技術の革命ともいえたこの機構で、更なる安全と洗練された乗り味をも獲得している。これ以降、各自動車メーカーがマルチリンク式を開発、採用し出したのは周知の事実。W124型は、メルセデスベンツが製造し続けてきた従来からのしっかりしたボディと、革新の足回りの融合で表現したクルマで、ユーザーが長い期間使い込む事で、良さがわかるクルマとなっていた。︎そのW124型のE280をベースに、当時チューニングカーメーカーとしてまだ独立していた、AMGが、コンプリートカーとして50台限定で販売したのが「E280AMG Ltd」。エンジン&トランスミッションはノーマルのE280のままで、専用AMG純正パーツが多数装備されている。主だった所で①スポーツサスペンション②スポーツエキゾーストシステム③2ピース17インチAMGホイール④フロント・サイド・リアのエアロパーツ⑤革製AMGスポーツシート⑥スカッフプレート…AMGがメルセデスベンツ傘下に入る以前の、とても貴重なクルマとなっている。※このW124型までは、パワーウィンドウスイッチに右側は右向き、左側は左向きのイラストが描かれている。後を継ぐW210型からは、全て左向きのイラスト付きの共通パーツになってしまう。こんなところにオーバークオリティーと言われた時代を感じる事が出来る…