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YANASE 左H
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メーカー
メルセデスベンツ
ミッション
オートマ
グレード
YANASE 左H
ボディタイプ
セダン
外装色
ミッドナイトブルー
年式
1989 年型
走行距離
43000km
乗車定員
5 名
サイズ
長 474 cm 幅 174 cm 高 144 cm
エンジン形式
排気量
2960 cc
馬力
トルク
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ネイビー
燃料区分
ガソリン
幌色

W124型と呼ばれるEクラスのデビューは、1984年フランクフルトショー。それまで8年間にわたり生産されてきた、大ヒット作といわれたW123型の後継車として新開発されたモデル。W124Eクラスは、その後1995年まで11年間にわたりバリエーションを増やしながら、総生産台数250万台が生産された。ボディデザインはイタリア人デザイナーのブルーノ・サッコによるメルセデス内製のデザインとなる。それまでの角のあるフォルムから、空力を意識した滑らかなエアロフォルムとなり、派手なエアロパーツの類は全く目立たせないままcd0.29を達成する。当時W124型はメルセデス自身「コンパクトクラス」と呼ぶ事をやめ、新たに「ミディアムクラス」の愛称を与えた。これは先にデビューしたW201型の190シリーズが名実ともに「コンパクトクラス」に位置するため。搭載されるエンジンは103型の型式名を持つ、新型SOHC直列6気筒で、ボア・ストローク88.5mm×80.25mmをもつ排気量2960ccとなる。ボッシュKEジェトロニック燃料噴射装置をを備え、最高出力185馬力/5700rpm、最大トルク26.5kgm/4400rpmを発揮する。このエンジンはメルセデス自身、発表会の席上で「ひとつ足りないモノがあるとすればBMWの様に良く回るエンジンです」とジョークを飛ばす事があったといわれる程、BMWスタンダードか、それ以上に良く回るエンジンとなる。タップリとした低中速トルクと、高回転まで軽々と回る二面性を備え、メカニカルノイズや振動もそれまでのメルセデスには無い「軽さ」を持ちストレスを感じさせない造りとなっている。組み合わされるギアボックスは、メルセデス自慢のプラネタリーギア式4段オートマチックとなる。Dレンジのままでも、ドライバーの意思どおり忠実なギア選択が可能でエンジンの旨味を惜しげもなく引き出してくれる。都内の低速から郊外の中高速はもちろん、峠道を飛ばす際にもマニュアル・ギアボックス並みのレスポンスとフィーリングの良さを感じさせてくれる。ATとしては「クロースレシオ」の4ATと呼べる程、ATのもどかしさを感じさせないものとなっている。ロック・トゥ・ロックが3.3回転程のパワーステアリングはメルセデス伝統のリサーキュレーティングボール式ギアを採用しているが、レスポンスが正確でとても心地よく、当時のメルセデスとしては、とりわけ完成度の高いものと評価された。ルーミーな室内に入りドライバーズシートに腰を下ろすと、それまでのメルセデスベンツのシートより硬くない、依然としてソフトな方ではないが、違和感を与えない硬さと自然な形状となり、相変わらずの大きめなステアリングとの位置関係は広く調整可能となっている。各コントロール類、メーター類はメルセデススタンダードといった配置となる。ダッシュボードの曲面やドア内張などドライバー周囲のデザインからメルセデス独特のゴツゴツしたところが柔らかく優しい感じに作られている。足回りはフロントにマクファーソン・ストラット/コイル、リアにマルチランク/コイルを採用し、前後にスタビライザーを備える。ふた回りも小さな190シリーズ程、軽快では無いが、一種エレガントな感じさえ抱かせる300Eのハンドリングは限りなくしなやかでスムーズ、そして速い。深いロールを伴いながらのコーナーリングフォームをもたらすが、リアのマルチリンクサスペンションはほれぼれする様なグリップ感を保ってくれる。このハンドリングによりメルセデスに新時代が到来したと言わしめた。ブレーキはフロントに232mmベンチレーテッドディスク、リアに224mmディスクを備え、軽いけどフィールのある踏み応えでジワッと望むだけ効かせる事が出来る。フェードの兆候を見せない高品質なものとなっている。タイヤサイズは前後共通で195/65VR15となりホイールは6.5Jとなる。全長×全幅×全高は4740mm×1740mm×1446mmでホイールベースは2800mm、トレッド前1495mm、後1490mm。車両重量1340kg(満タンの燃料70リットル+フルサイズのスペアタイヤを含んでも1410kg)。新車時価格790万円(1986)、オプションでアルミホイール20万円、ABS37万円。動力性能はカーグラフィック誌による実測値で0100km/h加速8.8秒、0400m加速16.2秒、01000m加速29.7秒、最高速度218.8km/hとなっている。当時のメルセデスベンツはBMW程ファッショナブルなイメージは無く、設計者にとって一番の関心事は、いかに安全で効率の高いボディを作るかという事、といわれていた。ゆえに純粋に道具と割り切って存分に使用(1.5万キロくらいでエンジンは、やっと馴染みはじめ少なくとも10万キロは安心して走れる)する事が出来、最高級車でも本質的には贅沢品では無く、とびきり上等な実用品として存在した。しかも飛ばせば実は愉しい実用車で信頼性も高い。メルセデスベンツの伝統的な設計理念に「シャーシはエンジンより速くなければならない」というのがある。これは搭載されているエンジンが、持てる限りのパワーを使って走っても、安全に曲がり止まれる様に設計されているという意味を持つ。エキスパートドライバーはもちろん、初心者の手にあっても同様に。また、この時代のメルセデスベンツのボンネットの先には例外無く、スリーポインテッドスターのエンブレムが誇らしく立っている。同社のエンジニアによると、これは伊達では無くテスト段階で微妙な操舵の指標として役立つ為、あえて残してあるとの事。メルセデスベンツには、無意味な装飾やギミックの類はいっさい付いていないと云われた、そんな時代だったのだ。あれからどれだけの月日が流れ、世の中の多様化と同じくクルマの存在意義や使用状況も大きく変化してきた。そんな現代においても存分な存在感と走らせる楽しみを充分に感じられる一台といえると思う。