296GTB
4900
万円
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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
296GTB
ボディタイプ
外装色
ロッソイモラ
年式
2023.0 年型
走行距離
90km
乗車定員
2.0 名
サイズ
長 456.0 cm 幅 196.0 cm 高 118.0 cm
エンジン形式
排気量
2992.0 cc
馬力
663
トルク
75.5
車検
令和8年7月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
サッピア
燃料区分
ガソリン
幌色

[ オプション装備 ]

アップルカープレイ・アダプティブフロントリフトシステム・バックレーダー・カラードブレーキキャリパー(アルミ仕上げ)・カーボンエンジンカバー・カーボンリアディフーザー・カーボンアンダードアカバー・カーボンエクステリアシルキック・カーボンセンターコンソール上部・マットINTCレザー/ALCAカラー アルカンタラSABBIA 2010・カラードシートベルト(ボルドー)・サスペンションリフト・ヘッドレストステッチ(ロッソ0504)・アドバンストフロントドライビングカメラ・カーボンフロントスポイラー・カーボンステアリングホイール+LEDS・スクーデリアフェラーリエンブレム・エレクトロクロミックリアビューミラー・F&Rパーキングセンサー・スペシャルカラー(ロッソイモラ)・フルパワーシート・マットダイヤモンドポリッシュド鍛造ホイール・カラードスペシャルステッチ(ボルドー0106)・サラウンドビュー・ホイールスタッドボルトチタン仕上げ・ウェアレススマートフォンチャージャー [ 総額 ¥8.460.144 ]

1967年トリノショーで発表された「ディーノ246GT」に端を発する、ミッドシップ・スモールフェラーリの歴史は、V8エンジンを搭載する「308」シリーズをもってフェラーリ・ブランドのラインナップに組み込まれ、様々なモデルを変遷しながら「F8トリブート」まで進化を続けた。そのポジションを発端となったV6エンジンと、新時代に相応しいPHEVシステムを組み合わせたフェラーリ初のV6ミッドシップ・ハイブリッドモデルが「296GTB」となる。7年ぶりの完全新設計となるエンジンを搭載し、車名は、従来のスモール・フェラーリ同様に「数字」が、2.9V6エンジンを「GTB」はグランツーリスモ・ベルリネッタ(クーペ・ボディ)を表したものとなる。コロナ禍の2021624日、オンライン開催による発表会で公開された「296GTB」は、フェラーリのCMOCCOとなるエンリコ・ガレリアによれば「完全に新しいコンセプトのモデルとなり、これまで販売されたどのモデルとも置き換わる事なく、ドライビングの楽しさを訴求するモデル」とされた。また「V6エンジン」や「ミッドシップ」など共通性が多い「ディーノ」を名乗らない理由として「ディーノはフェラーリにとってクラッシックで重要な名称」としながら「296GTB」は、ディーノとは異なるマーケット・セグメントを作り出す新たなモデルとされている。「296GTB」のボディデザインは、「ラ・フェラーリ」や「488GTB」を手がけたフェラーリ・デザイン部門のフラビオ・マンゾーニによるもの。エレガントなデザインと空力が両立されたものとなり、フロント・バンパー中央の空間には空気の渦を発生させダウンフォースを生み出す「ティートレイ」と呼ばれる小さなウィングが付き、リアのアクティブ・スポイラーと合わせて250km/h走行時には、360kgのダウンフォースを発生する設計となっている。60年代に確立された美しさを持つボディデザインが用いられ、ボディサイドにシャープなエッジを使わずに、リアフェンダー周りは巧みに造形がされている。ルーフラインは後ろ下がりとなり「250LM」や「フォードGT40Mk-1」などに見られる、トンネルバックと透明なエンジンルームカバーが上手く組み合わされクラッシックとモダンが共存する、印象的なデザインとなっている。「296GTB」のシャーシは、フェラーリ初の市販PHEVモデルとなる「SF90ストラダーレ」の、リアバルクヘッドにカーボンファイバーを使ったアルミ製スペースフレームをベースとして開発されている。サスペンションレイアウトは同様となるが、バッテリー容量や搭載方法、エンジンレイアウトは異なる。フロント左右に置かれたラジエーターは、水平に近く寝かされて配置され、エアは床下に抜かれる構造となる。キャビン後方の低い位置に、総電力7.45kwhのバッテリーが搭載され、コンパクトなエンジンはその後ろのかなり低い位置に置かれ、ホットインサイドV方式となり上方排気システムが採用されることで、高温の熱源はバッテリーから遠くレイアウトされる事になる。「296GTB」に搭載されるエンジンはF163型とよばれる120°V6気筒DOHCツインターボとなり、ボア×ストローク88.0mm×82.0mmから2992ccの排気量をもつ。アッティリオ・ピエトローニを開発プロジェクトリーダーとしてつくられたエンジンは、低さ、軽さ、単位当たりの出力の高さを重要目標とし、様々なレイアウトの中から最適解として選ばれたエンジンレイアウトが採用されている。V6エンジンにとって等間隔爆発を実現し、左右コンロッドがクランクピンを共有する事で前後長も短く出来るメリットと、低重心化にも有効な120°バンクが選択されている。大きく開いたVバンクの間に2つのIHI製ターボチャージャーが収まるホットインサイドVのレイアウトも特徴となる。排気エネルギーを効率良くタービンに送り、そのままリアへエキゾーストを伸ばし、背圧ロスを低減しながら後方にガスを逃す事で、リアの低い位置のディフューザーを有効に活用出来るレイアウトとでもある。軽量なインコネル製の等長エキゾーストマニホールドは、クロム処理が施されたアルミ合金(アルクロム)製のカバーで覆われ、ガラス製エンジンフードからは低く搭載されるエンジンの赤い結晶塗装のカムカバーは、良く見えない。バンク角が広い為、エンジンマウントがエンジンブロックでは無くヘッド側に設置され、吸気側はかなり低いポジションとなり、熱源から遠ざけられた位置にスロットルボディが備わる。エンジン単体での出力は663馬力/8000rpmを発揮し、クランクシャフトの出力軸と同軸上に「SF90ストラダーレ」と同じ英国オックスフォードに拠点を置くヤサ(YASA)社製アキシャル型電動モーターがレイアウトされている。全長54mmとなる薄さが自慢のこのモーターの出力は167馬力となり32.1kgmのトルクを発揮する。エンジンとモーターによるシステム最高出力は830馬力/8000rpm、トルクは75.5kgm/6250rpmとなり、もはや自然吸気6.5V12気筒エンジンを搭載する「812スーパーファースト」を上回る数値となっている。エンジンとモーターに続く形で8段デュアルクラッチ式トランスミッションがレイアウトされ、モーターとトランスミッションの間にはトランジション・マネージャー・アクチュエーター(TMA)が置かれ、乾式クラッチ(トリプルプレート)を介してエンジンとモーターの出力を断接制御している。容量7.45kwhのバッテリーをキャビン後方のフロア下部に備え、満充電であればモーターのみで最高速度135km/h、最長25kmの走行が可能となる。足回りは、フロント・ダブルウィシュボーン式、リア・マルチリンク式となる。ショックアブソーバーは、デルファイAS製となる電子制御による磁性流体ダンパー(SMC-FRS)が備わり、走行状況に応じて減衰力の切り替えが可能となっている。ブレーキは、バイワイヤーシステムが採用され、通常の摩擦ブレーキと回生ブレーキが統合制御されたものとなり、減速フィールはスムーズで洗練されたものとなる。フロント398mm×38mm厚、リア360mm×32mm厚のカーボンセラミック製ドリルドベンチレーテッド・ディスクが装備され、前後それぞれ6ポッド・モノブロックキャリパーが組み合わされる。統合制御システム「マネッティーノ」で「RACE」以上のモードを選択していると「ABS evo」とよばれる新しいABSシステムが作動し、ABS作動時のペダル振動が出ない。ホイールサイズはフロント・9J×20インチ、リア・11J×20インチサイズとなり、245/35ZR20305/35ZR20サイズのミシュランとフェラーリが共同開発した「ミシュラン パイロットスポーツ4S K1」が組み合わされている。インテリアは「SF90ストラダーレ」に沿ったデザインとされ、ステアリングに静電容量スイッチを備えた最新世代のものとなっている。「296GTB」には電動式パワーステアリング(EPS)が備わり油圧式では回避出来なかったイナーシャ(慣性)を減らしながら、詳細なフィードバックが得られる様に調整されている。ステアリングには「296GTB」のドライビングを司る「マネッティーノ」と「eマネッティーノ」のスイッチが備わり、メーターパネルもフルデジタルディスプレイが採用されている。細かい車両情報が表示出来、この画面とステアリングで車両のセッティングの多くが完結出来る。ステアリングホイールの中央右斜め下の赤いダンパーが描かれたノブでセッティングが可能となる「マネッティーノ」は、「WET」「SPORT」「RACE」の3つのドライビングモードが選択出来、「CT OFF(トラクションコントロール・オフ)」や「ESC OFF(横滑り防止装置・オフ)」などのヴィークルダイナミクスの統合制御切り替えが可能となる。また荒れた路面では「マネッティーノ」の切り替えスイッチを軽く押す事で、ソフトなダンピングが得られる。「eマネッティーノ」は、ステアリング中央左斜め下にタッチスイッチが備わり、パワーユニットのマネージメントモードを選択出来る。「e Drive(EV走行)」「Hybrid」「Performance」「Qualify」の4種類それぞれのアイコンが備わり、始動時は「Hybrid」モードに設定され「Qualify」モードは、エンジン・モーターともに最強のモードとなっている。また「Hybrid」モードではドライバーの任意で、エンジンによるバッテリーの充電が可能となり、ディスプレイにパワートレインの操作画面を呼び出し「Charge」のボタンを選択することで充電が始まる。シンプルな、装飾を排したインテリアデザインが採用され、カーボンフレームをもつシートは高品質なイタリアンレザーが用いられている。ダッシュボードにセンターモニターは備わらず、ナビ画面はメーターディスプレイに投影する事が可能となり、日本語のフォントも再現される。助手席前には、パッセンジャーディスプレイが設置され、助手席からもオーディオなどの操作が可能となっている。センターコンソールは、これまでのフェラーリ・ロードモデルのシフトゲートをモチーフとした意匠のシフトセレクターがレイアウトされる。ただし「D」レンジを選ぶ際はシフトセレクターではなく、ステアリング裏、右側のパドルを引いて1速を選ぶ必要がある。ドライブを終えてシステムをオフにするとディスプレイには、走行距離やEV走行の比率、ブレーキエネルギーの回生量などが表示されるのも「SF90ストラダーレ」と同様となる。フロントフード下には、実用的な容量をもつラゲッジルームが備わり工具類とともにバッテリー普通充電用のケーブルが収まる。「296GTB」はバッテリー容量が少ない事で急速充電には対応していない。給電の為の充電口は、左側ドア後方エアインテーク上部のフライング・バットレス上にあり、反対側には給油口がレイアウトされている。全長×全幅×全高は、4656mm×1958mm×1187mm、ホイールベース2600mm、トレッド前1665mm、後1632mm、車両重量1470kgで、前後重量配分は40.5:59.5となり、新車販売価格は3710万円。燃料タンク容量は65で、左右分割され低い位置にレイアウトされる。メーカー公表性能値は、0100km/h加速2.9秒、0200km/h加速7.3秒、最高速度330km/h200km/h0km/h107mの距離を要し、フィオラノ・テストコースでのラップタイムは121秒となっている。程良くタイトで低いドライバーズシートに腰をおろし、ステアリング上のスタートスイッチをタッチしてシステムをオンにする。電子音とともに暗かったデジタルディスプレイ中央に大径のタコメーターが投影され「eマネッティーノ」は、デフォルトの「Hybrid」となっている。ステアリングホイール右側のパドルを引いて1速を選び、静かにアクセルを踏み込めばモーターにより、おとなしくスタートすることが可能となる。「Charge」モードを選択すると、雷鳴のような勇ましいサウンドとともにエンジンが起動し、バッテリーを充電しながらの走行が出来る。モーターとエンジンによるパワートレインは、全くもってスムーズな上にナチュラルで「ホット・チューブ」と名付けられたフェラーリによる特許システムから、エキゾースト系が生み出す音質と音量が絶妙に調整されながらキャビンに送り込まれ「フェラーリ・ミュージック」に満たされる。「ピッコロ12(小さな12気筒)」とよばれる「296GTB」のサウンドは、4000rpmくらいから存在感を表し始め5000rpm6000rpmと伸びやかにツヤを帯びてくる。それを超えると、これぞフェラーリといえる程のサウンドで「フェラーリ・ミュージック」を歌いあげる。スロットルに対するレスポンスは極めて鋭く、クルマの動きは軽やかで俊敏に感じられ、ドライバーは実寸よりはるかにライトウェイトなモデルを走らせているような感覚にとらわれる。エンジンそのものの素性の良さに加え、モーターがターボ・ラグを補いながら、気持ちの良いペースで速度を上げていく。パワートレインのスムーズさに加え、磁性流体を用いた可変ダンパーによるサスペンションと、アルミ製高剛性フレームによる滑らかな乗り心地も特筆されるべきものとなっている。ワインディングロードにおいてもスタビリティは極めて高く、下げられた重心高も効いて人馬一体感が味わえる。ホイールベース/トレッド比でも「F8トリブート」1.595、「SF90ストラダーレ」1.591、に対して「296GTB」は1.577まで下がりショートホイールベースを主張しながらも、最もリアの荷重が大きな比率をもっている。この特性を極めて高いパフォーマンスに結びつけ、守備範囲の広さと柔軟性の高さを実現したのはフェラーリ・ビークルダイナミクス・エンジニアのアンドレア・ジャコミーニとなる。複雑なメカニズムは黒子に徹し、ひたすら「Fan to Drive」となる自在なハンドリング、溢れるパワー、満たされるホスピタリティにより、日常にも充分に活用出来るフェラーリとなる。電気モーターを地球環境の為だけではなく、クルマを走らせる事を楽しむ為に使った、新時代のフェラーリが提案する新たなスーパースポーツカーの誕生といえるだろう。