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コンバーチブル
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メーカー
シボレー
ミッション
オートマ
グレード
コンバーチブル
ボディタイプ
外装色
グレーメタリック
年式
2008.0 年型
走行距離
89200
乗車定員
2.0 名
サイズ
長 445.0 cm 幅 186.0 cm 高 125.0 cm
エンジン形式
排気量
5967.0 cc
馬力
404
トルク
56.0
車検
令和6年8月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色
ブラック

世界に先がけてモータリゼーションの発達したアメリカだったが「スポーツカー」というカテゴリーに限っては後進国であった。そんな状況に変化が見られたのは1940年代後半の事、第二次世界大戦で同じ連合国だったイギリスに駐留していた米兵がジャガーやMGといった、当地のスポーツカーを持ち帰った事に始まる。それに影響されるように、コンパクトなボディの2人乗りスポーツカーを求める層が急増し、欧州スポーツカー・メーカーが北米をメインマーケットとして新型車を矢継ぎ早に投入し始める。この状況にアメリカ国内自動車メーカーも反応し、GMも新たにスポーツカー投入にむけ開発を始めた。GMスタイリング部門を率いるハーリー・アールは新人デザイナーボブ・マクリーンにボディデザインを任せ、開発エンジニアにエド・コールを誘った。それまでの大衆車ブランドとしてのシボレーのイメージを払拭すべく彼らにより誕生した「ドリームカー」がデビューする。それは1953年にGM単独のモーターショー「モトラマ」で登場した美しく未来的なフォルムをもつコンセプトカーとなり予想以上の反響を得た。これを受けて新型スポーツカー「コルベット」と名付けられ、ほぼそのままのボディデザインで初めてのFRP製オープンボディをまとって市販され、顧客からのオーダーに生産が追いつかない程の人気となった。その後、代を重ねる毎にアメリカを代表するスポーツカーの地位を確立する事となる「コルベット」。その6世代目となる「C6」とよばれる「シボレーコルベット」のデビューは20041月のデトロイトショー。この時発表されたクーペから、少し遅れて20043月のジュネーブショーで発表されたのがオープントップをもつ「シボレーコルベットコンバーチブル」となる。これら「C6」を開発したのはGMで高性能車部門のトップとなっていたデイブ・ヒルという人物。「キャデラックXLR」の開発責任者でもあったデイブ・ヒルは、先代となる「C5」にも関わっていたので、この間の技術の進歩を活かしながら、先代での反省も踏まえての設計となっている。「C6」のプラットフォームは「XLR」と同じ成り立ちをもつ、アルミ製のハイドロフォーム製法によるメインフレームと、樹脂製フロア、そして軽合金のバルクヘッドをもつコックピットからなる。この上に引き締まった印象の樹脂製のボディパネルを被せている。注目されるポイントは2点、コンパクトで軽量な事、そして大幅な剛性アップに成功している事となる。先代に比べホイールベースは3cm伸びたが、全長は12.7cm、全幅も2.54cm減らされ、世に出る多くの新型車とは逆に小さくなっている。先代同様にエンジンはフロントミッドシップとなり、キャビンに近い位置に搭載され、トランスアクスル方式を継承するのでギアボックスは後輪側に配置しデフと一体化される。前後重量配分は51:49とし、先代まで続いてきたリトラクタブルヘッドライトはプレキシグラスによりカバーされた、ウィンカーを含む小型のHIDヘッドライトユニットに変更された。これらを含め軽量化に視点を置き、オーバーハング部をなるべく軽くし、走行性能を上げるための配慮が垣間見えるものとなる。搭載されるエンジンは、長い歴史を持つ「スモールブロック・シボレーV8」が採用されている。1955年に誕生したこのエンジンは、7V8が全盛だった時代に4.3と、当時の直6並みの排気量だった事から「スモールブロック」の愛称で呼ばれるようになった。このGM最大の傑作エンジンは、基本設計はそのままに実に様々なバリエーションを構成しながら、生きながらえてきた。先代の「C5」が搭載していた5.7の「LS1」とよばれたエンジンをベースに進化した「LS2」とよばれる、OHVによるV8エンジンで、ボア・ストローク101.6mm×92.0mmから5967ccの排気量をもち、もはやスモールブロックとよぶには憚られる。電子式燃料噴射装置(SFI)を備え、10.9の圧縮比から最高出力404馬力/6000rpm、最大トルク55.6kgm/4400rpmを発揮する。組み合わされるトランスミッションは、登場時は4速トルコンATだったが2006年からは6速化されている。GMは「キャデラックXLR」には V8DOHC「ノーススター」エンジンを搭載したが「コルベット」には迷わずこのV8OHVスモールブロックエンジンを選んだ。充分な排気量さえあれば、DOHCよりOHVの方が軽量でコンパクトな上、部品点数が少なくパワーよりトルクが重要、そして重いカムシャフトを低く配置する事で重心もさげられるのだという。一才の淀みを感じさせる事なく、高回転までスムーズに回りきる切れ味の鋭さが、一度味わうと快感になる。足回りは前後ともダブルウィッシュボーン式となり、前後に樹脂製横置きリーフスプリングを備えながら、標準でマグネティック・セレクティブ・ライド・コントロールを備える。これはダンパーの減衰力を連続的に可変させるシステムで磁気感応流体を使用しているだけに、そのレスポンスは非常に速い。センターコンソールのATセレクターレバー後方に「ツアー」「スポーツ」の切り替えダイヤルが装備される。他メーカーの可変システムに比べシームレスさとレスポンスでGM製が頭ひとつリードしている技術となる。ブレーキは日本仕様は本国オプションとなる、走りに特化した「Z51パフォーマンスパッケージ」専用の前13.4インチ、後13.0インチのドリルドベンチレーテッドディスクとなり、ABSが装備されている。タイヤサイズは前245/40ZR18(8.5J×18)、後285/35ZR19(10.0J×19)の前後異径サイズとなっている。インテリアは「C5」から大きく質感がグレードアップされた部分。ステアリングをとおして右に300km/hまで刻まれたスピードメーターと、それにかぶる様に左側に7500rpmまでのタコメーターが備わる。シートヒーターを備える、深めのサイドサポートをもつスポーツバケットシートを標準で装備し、操縦性と快適性ともに高い水準となっている。初代「コルベット」はオープンボディだったことから、それを引き継ぐ「コルベットコンバーチブル」の幌は先代の手動式から電動化され、開閉はそれぞれ18秒となりボタンひとつで完了する。幌に付くリアウィンドウは熱線入りのガラス製となり、先代よりその面積は18.5%拡大され後方視界は格段に向上している。メーターを投影するヘッドアップディスプレイを備えたフロントウィンドウスクリーンは、かなり寝ている様にみえるが、それ程頭上にかぶらない設計となっているので、開ければオープンカーに乗っている実感を得られる。全長×全幅×全高は4455mm×1860mm×1250mmでホイールベースは2685mm、トレッド前1575mm、後1540mm、車両重量1520kgとなる。燃料タンク容量68、新車時ディーラー価格860万円(2007)メーカー公表性能値は0100km/h加速4.8秒、最高速度300km/hとなっている。小さく、軽く、その上高い剛性をもつボディが「コルベット」に新しい感覚を与えている。それまでのアメリカ産の大味な雰囲気は影を潜め、スポーツカーらしい、軽快さとタイトなドライブフィールを備えている。やや重めとなるステアリングはほとんど遊びを感じる事なく、クルマはあたかもドライバーを中心に回転する様に、気持ちの良い動きを示す。マグネティック・ダンパーは、ハンドリングと乗り心地のバランスが煮詰められ、洗練されたシャーシ特性は、一体感を強く感じられるものになっている。イメージに似つかわしくない、タイトコーナーの連続するステージも、ヒラリヒラリとリズミカルに駆け抜けられる。アメリカンだからといって許容されてきた安普請な点や、曖昧な操縦性を払拭しリアルスポーツカーに生まれ変わった。それでもしっかりと「コルベット」らしさは健在で、いかにも高性能車というカタ苦しさはほとんど感じられず、振動やエンジン音で緊張する事は無い。スポーツカーらしく走れる実力を持ちながら、快適な空間を保てるのは「コルベット」の伝統的な美点となる。その上オープンボディとなる「コルベットコンバーチブル」はオープンにしている限り、ゆっくり走らせても風を感じる事ができ、季節の変化にも敏感に気づく事が出来る。なかなか他にありそうで無い「コルベットコンバーチブル」ならではの味わいは、思いのほか深いものとなっている。