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メーカー
マセラティ
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
外装色
ブルーインフィニート
年式
2022 年型
走行距離
850km
乗車定員
2 名
サイズ
長 466 cm 幅 196 cm 高 122 cm
エンジン形式
排気量
3000 cc
馬力
630
トルク
車検
令和7年4月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック/ブルー
燃料区分
ガソリン
幌色

[ オプション装備 ]ブルーインフィニートペイント

                                   ブルーブレーキキャリパー

           サスペンションリフターエレクトリックLSD

                                   アルカンタラカーボンインテリア

           ヘッドレストトライデントステッチ

                                   ブラックルーフ

                                   ボディガラスコーティング

                                   レーダー探知機+ドライブレコーダー

              バッテリーチャージャー取付  

                                   


6人のマセラティ兄弟の四男アルフィエーリを中心とし、エットーレ、エルネストという弟達を率いて1914年にボローニャで創業を開始したマセラティ社。レーシングカー・コンストラクターとして名を馳せ、同国のアルファロメオ やナチス・ドイツのメルセデスベンツ、アウトウニオンを相手に数々の栄誉を手にする。しかし資金難により1937年に、モデナの実業家アドルフォ・オルシに経営を委ねる事となる。マセラティ社は1940年にモデナのチーロ・メノッティ通りに会社を移転させ、1950年代のF1やスポーツカーレースで成功をおさめるが、1957年を最後にワークス活動を停止し、ロードカーを中心とした、プレミアムスポーツカーメーカーへと転進していく。そのモデナの名門マセラティがコロナ禍の20209月。世界同時ワールドプレミアを行い、自社の近未来を象徴するアイコンとして発表されたのが「MC20」となる。「MC20」が見せるヴィジョンは、これからのマセラティそのものと言えるもので、現在販売されている内燃機関を搭載するモデルと、今後登場予定のモーターで駆動するEVを同じデザイン、シャーシで作り分けられるという事。「MC20」とは、長きにわたり続いてきたマセラティの結晶のようなモデルとして、その役割に恥じないだけのパフォーマンスとエレガンスを備えたモデルとなっている。車名の「MC20」は「マセラティ・コルセ=MC」と登場した2020年という事から「20」が組み合わされ「MC20」となっている。ボディデザインは、ジョバンニ・リボッタをチーフとするチェントロスティーレ・マセラティが担当する。2004年に登場したMC12や、Tipo61バードケージ、A6GC/53ベルリネッタ・ピニンファリーナなどの、力強くエレガントなモチーフが用いられ曲率の大きい柔らかなラインに包まれたフォルムを採用している。ボディ設計はパルマにあるレーシングカー・コンストラクターのトップ企業、ダラーラ社によるもの。製造はナポリ郊外にあるTTAアドラー社(ラ・フェラーリやアルファロメオ 4Cのカーボンモノコックを製造していた会社)で行われる。空力性能はダラーラ社の風洞実験施設を使い、2000時間以上に及ぶテストと、1000回以上のコンピューターを使った流体解析が繰り返される事で、その能力を最大限に引き上げられ、軽量化とともにトップレベルの仕上がりとなっている。エンジンフードから覗くと、かなり低くミッドに搭載されるエンジンは、「ネットゥーノ」とよばれるマセラティ社創業の地、ボローニャのマッジョーレ広場に立つ、三叉の矛を持った海洋神ネプチューンのイタリア語をその名に掲げたものとなる。「ビトゥルボ」の名で知られる3.2V8ツインターボ・エンジン以来、約20年ぶりにマセラティ社が開発を行い、チーロ・メノッティ通りのモデナ工場内で自製される。ドライサンプ方式となる「ネットゥーノ・ユニット」の最大の特徴は、燃焼システムにありF1由来といわれる、パッシブ・プレチャンバーというロードカーとしては世界初となる高度な技術が用いられる事。ひとつのシリンダーにふたつのプラグを持ち、燃料の点火と燃焼を別のエリアで行うことで効率の高い、最大パワーを引き出す事に成功している。90°V6気筒DOHCエンジンは、ボア・ストローク88mm×82mmをもち、圧縮比11.0となる総排気量2992ccで、吸排気側ともに可変バルブタイミング機構と、電子制御式ウエストゲート付ツインターボチャージャーを備える。Vバンク下側の低い位置にターボチャージャーを配置したコンパクトなエンジンは、最高出力630馬力/7500rpmと最大トルク74.4kgm/30005500rpmを発揮する。MC12に搭載された「エンツォ・フェラーリ」由来となる6V12気筒エンジンのパフォーマンスを凌ぐ「メイドイン・モデナ」にこだわった「ネットゥーノ・ユニット」は官能的なサウンドをもつマセラティ社最後の純エンジンになると公表されている。組み合わされるトランスミッションは8段の湿式デュアル・クラッチ式となり、完全自動制御となるトレマック社製TR9080型となっている。またリアアクスルには機械式LSDを装備する。足回りは前後ダブルウィッシュボーン式となりアクティブ・ショックアブソーバーとなる、ビルシュタイン社との共同開発によるダンプトロニックXを採用。電子制御サスペンションは、ドライブモードの選択により減衰力は自動設定されるが、それとは別に減衰力のみ調整する事が可能となっている。また、現行アルファロメオ ・ジュリアに用いられる、急なカーブにおいてもホイールを路面に対して完全な垂直に保つ、セミ・バーチャル・ステアリング・アクシスがフロントサスペンションに採用されていて、高いロードホールディング性能をもつ。また長く低いフロントオーバーハングを持つ事から、フロントリフティング機構をオプションにより選択する事が出来る。ブレーキは、前6ポット、後4ポットとなり、カーボンセラミック製の前390×36mm、後360×28mmのドリルド・ディスクが組み合わされ、ともにブレンボ製となっている。タイヤサイズは前245/35ZR20、後305/30ZR20となり、100%イタリア製を謳うこのクルマで、唯一ブリジストン製(しかし銘柄はポテンザとなり、イタリア語で力を意味するワード)となる。インテリアはカーボンファイバーを多用した、シンプルで高品質な造形となる。太めのグリップをもつカーボン製ステアリングの奥には、フルデジタルのメーターパネルが備わる。ステアリングホイールには左右に変速用パドルが装備され、ダッシュボード中央にはマルチメディアシステム用10インチスクリーンが備わる。センターコンソール最上部にはドライビングセレクターが配備され、WETGTSPORTCORSAESC offが選べる。デフォルトはマセラティ社らしくGTとなっている。アルカンターラを表皮に用いたカーボンコンポジットシェルの軽量バケットシートはサベルト製となる。またオーディオは素晴らしい音を奏でるソナス・ファベール製となり12スピーカーのサウンドシステムを装備。樹脂製のエンジンフードによりリアの視界を制限されることから、ルームミラーはリアカメラからの受像式となる。低い着座位置からの乗降性を考慮してドアはシザーズドアが採用されている。ボディサイズは全長×全幅×全高4669mm×1965mm×1221mmとなり、ホイールベースは2700mm、トレッド前1681mm、後1649mm、車両重量1500kg(車検証上1640kgで前後重量配分は4:6となる)。燃料タンク容量は60。新車価格は2664万円となる。メーカー公表性能値は、0100km/h2.9秒以下、最高速度325km/h以上となっている。100年以上にもおよぶ長い歴史を持つマセラティ社が、EV化の進む現代に満を辞してオリジナルとなる新型ミッドシップシャーシに、新型エンジンを登場させた。しかも内燃機による純エンジンは、これが最後と公表された「ネットゥーノ・ユニット」。自社新設計というには、使用されるボア・ストローク値を見るとフェラーリ・ユニットとの血縁関係が気になるところではある。しかし市販エンジン初となるプレチャンバー(副燃焼室)システムという技術が使用され、プレチャンバーに点火すると強いスワール(燃焼渦)を引き起こし、その火焔が本燃焼室全体で強い爆発力を得るという、いかにも「エンジン屋マセラティ」らしい発想といえる。2015年にホンダがマクラーレンと組んでF1に復帰した時、すでにメルセデスとフェラーリは、この方式を採用していて、ホンダはまるで歯がたたなかったといわれている。ホンダは70年代の排ガス規制のマスキー法に対応する為に、当時CVCCエンジンを作製したが、これも副燃焼室をもつエンジンではあった。しかしCVCCは排ガス浄化が主目的で、それをハイパワーの方向に転換した「ネットゥーノ・ユニット」とはセッティングが異なるのだろう。エンジンの回転感はとても軽快で、一気呵成にレブリミットまで吸い込まれる様に吹け上がる。あらゆる回転域でフリクションを意識させられる事は無く、ノイズ、バイブレーションを感じさせないまま、シャープでスムーズにパワーをデリバリー出来る。またカーボンモノコックシャーシは、とてもバランスが良く敏捷なフットワークと合わせて、ひとまわり小型のスポーツカーを走らせている様にヒラリ、ヒラリと連続するコーナーをクリア出来る。5種類から選択可能なドライブモードは、そのデフォルトモードにに「GT」と名づけるのはマセラティ社らしい所で、市街地での乗り心地もリラックス出来る快適な空間であり続ける。高速での直進安定性も高く、ダラーラ社設計によるカーボンモノコックシャーシの高い剛性と、エアロの効果によるところも大きい。全開にした時の「スーパースポーツ」らしさと、日常の「GT」らしさの間を、自由自在にいつでも行き来できるセッティングが、マセラティ社らしいところとなっている。「MC20」は、マセラティ社の歴史に残る最高で最後の、本物のグランドツーリングカーとよばれ続ける事だろう。