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メーカー
ミッション
マニュアル
グレード
ボディタイプ
外装色
グレーメタリック
年式
1996 年型
走行距離
53000
乗車定員
サイズ
長 452 cm 幅 181 cm 高 127 cm
エンジン形式
排気量
2990 cc
馬力
トルク
車検
令和5年10月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

1978年に主にアメリカを中心とする輸出市場向けに生まれた初代セリカXXから数えて、4世代目となるJZA80型スープラ。車名の「スープラ」とは、ラテン語の「超えて」や「上に」を意味する言葉といわれている。デビューは1993年はじめのデトロイトショー。「THE SPORTS OF TOYOTA」のキャッチコピーのもと、それまでのスペシャリティカーから新世代のスポーツカーとして生まれ変わった事をアピールし、同年5月から販売が開始された。日本国内では2世代目の「スープラ」となる。先代スープラは直線基調のスタイリングだったが、JZA80型スープラは一転して曲線を主体とするデザインとなり、リトラクタブル式ではないフォグランプを組み込んだ3連ヘッドランプと絞りを効かせたリアビューを持つ個性的なボディデザインとなっている。サイドから見たボディラインは、スラントしたロングノーズと傾斜の強いフロントウィンドウ、丸味を帯びたルーフライン、大胆に切り落とされたハイデッキのリアエンドなどスポーツカーらしくあると同時に、何処かかつての名車「トヨタ2000GT」の面影を見る事が出来る。ドア下部のリアタイヤ前方に設けられたブレーキとディファレンシャル冷却用のインテークが、スープラのスポーツカーとしての資質を感じさせる。シャーシはラグジュアリークーペのソアラ(JZZ30)に用いられたものを基本としながら、スポーツカーとして各部をリファインしている。搭載されるエンジンは2JZ-GTE型とよばれる水冷直列6気筒DOHC24バルブで2ウェイ・ツインターボとインタークーラーを装備する。ボア・ストロークは86mm×86mmのスクエアとなり2997ccの排気量をもつ。最高出力280馬力/5600rpmと最大トルク44kgm/3600rpmを発揮する。輸出仕様は320馬力となり、比べると40馬力ダウンとなるが、その分はレスポンス向上にあてられている。その違いはターボに使われるタービンにあらわれていて、輸出仕様はメタル製、国内仕様はセラミック製となる。インタークーラーの小型化やインジェクターの吐出量削減など仕様の差が存在する。しかし、このエンジンはヤマハ発動機と共同開発により誕生した、トヨタ史上最強と当時いわれていたエンジン。それはチューニングによるパワーアップを想定したと思われる程の、オーバークオリティな造りがなされていることによる。そのエンジンブロックは熱に強い頑丈な鋳鉄製で、ヘッドガスケットは高圧に耐えるメタル製となっている。組み合わされるトランスミッションは日本国内向けとしては、初となる6MTとなりドイツのゲトラグ社と共同開発したもので、ストロークも短く操作感も上質となる。足回りは前後ダブルウィッシュボーン式となり、ショックアブソーバーはビルシュタイン製を装備する。アーム類などにソアラと共通パーツを使いながらも独自の入念なチューニングが施されている。ブレーキは前に対向4ポット、後に対向2ポットキャリパーと大径ベンチレーテッドディスクを装備しABSが付く。タイヤサイズは前225/50R16、後245/45R16となっている。ダッシュボードは、シフトレバー部分まで一体となる囲まれ感溢れる艶消しのインパネで覆われ、全てがドライバーに向けられたタイトなデザインとなる。370mm径のステアリングホイールを通して見える、メータークラスターは中心にタコメーターを置く3眼メーターとなり、その左斜め下方にスピードメーター、右斜め下方には燃料計と水温軽のコンビメーターが配される。やや低めの着座位置となるドライビングポジションはスポーツカーらしいものとなっている。1996年式モデルから運転席と助手席にエアバックが装備される。リアシートはあくまでもエマージェンシー用としてのスペースしか無く、荷物置き場と割り切った方が良さそう。全長×全幅×全高は4520mm×1810mm×1275mm、ホイールベースは2550mm、トレッド前1520mm、後1525mmとなり車両重量は1490kg。燃料タンク容量は701996年当時のスープラRZ-Sの新車時販売価格は384万円で、JZA80型スープラの総生産台数は31372台となる。カーグラフィック誌による実測性能値は0100km/h加速5.6秒、0400m加速13.7秒となっている。JZA80型スープラの注目ポイントは、過剰とも思われる造り込みがなされているという事。軽量で高剛性のモノコックボディを開発の核として、造り込みが行われた事でサスペンションが設計どおり100%性能を発揮することが可能となり、ハードドライビングにも充分対応出来る走行性能を持っている。スープラの開発チームは基本性能に徹底してこだわったといわれ、テストドライブはあの「レクサスLFA」を完成に導いたテストドライバー成瀬弘がニュルブルクリンクで担当している。この時の作り込みのプロセスが後にLFAにも活かされ、その完成度を高めたのかもしれないと、想像せずにはいられない。またフロントに重く頑丈な直6エンジンを搭載する事を考え、フロント構造材やボンネットフードを軽量なアルミ製としている。こうする事で前後重量配分は53:47を実現、これは先代となるトヨタ8656:44より良好なバランスを備える事になる。高速での安定性はそれまでの日本車のレベルを大きく上回り、コーナリング限界も驚くほど高いものとなっている。スープラが登場した時代は、新しい電子制御技術や4WSなどの飛び道具を用いる事で、一足飛びに高性能を手にする車種が多く存在する中で、スープラは愚直に一段ずつ着実に階段を登りつめるように、各部の性能を確かめながら少しずつ高めて、あくまでもナチュラルな高性能を目指していた。丁寧に造り込まれたスープラは、10万キロ走行はもちろん、スープラ・オーナーズクラブの中には50万キロ走行した個体をお持ちの方も存在するという。それだけ手間のかかったモノというのは人の心を豊かにし、また自然と愛着が湧いて大切にしたくなるものとなる。一台のスポーツカーと共に歳を重ねて暮らすというのは、車好きのひとつの理想の生き方といえるだろう。