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ミツワディーラー車
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メーカー
ポルシェ
ミッション
マニュアル
グレード
ミツワディーラー車
ボディタイプ
外装色
マリンブルーメタリック
年式
1990 年型
走行距離
69700km
乗車定員
4 名
サイズ
長 424 cm 幅 166 cm 高 131 cm
エンジン形式
排気量
3600 cc
馬力
250
トルク
31.6
車検
令和5年10月
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
ダークブルー
燃料区分
ガソリン
幌色

ポルシェ964型カレラのボディデザインは、ナローボディ時代から長く続いてきた見慣れた911のシルエットはそのままに、それ以前の930型から実に85%もの部分が新設計のパーツで成り立っているという。前後バンパーは959928を思わせる、曲線的で一体感のあるモノとされ、サイドスカートが加えられた。それらにより964型カレラは、ずっとモダンなイメージに仕上げられ、ダックテールスポイラーやターボウィングではなく、エンジンフードに収納される可動式リアスポイラー(電動モーターにより80km/hで起き上がり10km/hで元の状態に自動格納され、マニュアル操作も可能)を採用したリアエンドはテールライトのデザインを含めて、とてもスマートになっている。ポルシェ964カレラ4は、88年終盤にプレス発表を南仏のニースで行ったが、ショーデビューは1989年パリ・サロンとなる。それは911にとって25周年という記念すべき年でもあった。964カレラ4のフロアパンはセンターデフや前後のデフ、プロペラシャフトを含むトルクチューブなど4WDのメカを搭載する為、徹底的に新設計され、部分的に樹脂製のパネルが使われるフロアは、完全にフラット化された。それと合わせて可動式リアスポイラーやウィンドウ周りのフラッシュサーフェス化などの効果で、空力特性が大幅に向上しCD0.395から0.32となった。新型エンジンは空冷式を継承しながら、それまでの3.2リッターエンジンからボア・ストロークともにそれぞれ5mm2mm延長され、100mm×76.4mmとなり3600ccの排気量を持つ。スパークプラグを各シリンダーに2本ずつ配しツインイグニッション化されたSOHC2バルブ・エンジンは、ボッシュ・モトロニックで総合制御される。またエキゾースト系も完全新設計となり250馬力/6100rpm31.5kgm/4800rpmのトルクを発揮する。セラミック・ポート・ライナーの採用やクランクシャフトの軽量化、マグネシウム・パーツによる軽量化、更にクーリング・ファンの改良など様々なリファインが徹底しておこなわれている。ドライサンプによるエンジンオイルの量は11.5リットルとなり、このエンジンと組み合わされるギアボックスは、ボルグワーナータイプのシンクロを備えた5速マニュアルトランスミッションとなる。足回りはフロントにストラット式、リアにセミトレーリング式でそれぞれにスタビライザーを持ちながら、大きく変わったのはショックアブソーバーと組み合わされるバネがポルシェ伝統のトーションバー式から一般的なコイル式になった事。特にリア・サスペンションはブッシュのコンプライアンスを利用してコーナリング時にトー・アウトを防ぐ、928と同様のバイザッハ・アクスルと同じリア・ステア・システムが採用されている。更にステアリングに911としては初めてパワーアシストが付いたのも注目ポイントとなる。定評のあるブレーキは前後アルミ製4ピストンのキャリパーに四輪ベンチレーテッドディスクが組み合わされ、ポルシェとして初めてABSが標準装備された。ホイール/タイヤのサイズはフロント6Jリムに205/55ZR16、リア8Jリムに225/50ZR16となる。964カレラ4に使われるフルタイム4WDシステムは前後トルク配分をフロント31%:リア69%(固定)で駆動され圧倒的にリア寄りにセットされている。センターデフはプラネタリー式でリアデフとともに電子制御の多板クラッチによるデフロック機構を備える。これは40km/h以上でホイールのスリップを感知すると自動的にロックしLSD的効果を発揮するとともに、低速での緊急脱出時には室内からスイッチによりロックする事が可能となる。インテリアはそれまでの911カレラと同様のイメージでハイバック型シートを備え、ステアリングポスト左側にイグニッションキーが配置される。メーターナセル中央には6800rpmからレッドゾーンとなる大径のタコメーターが備わり、基本的にはそれまでの25年と変わらないスタイルが保たれている。唯一、異なるのはタコメーター左側のメーター内にデフロックを示す、緑色のインジケーターランプが加えられている事。またデフロックの為のスイッチはセンターコンソールに配される。ABCペダルは相変わらずオルガンタイプとなるが、それほど時間を必要とせずに操作に違和感は無くなる。シフト・ストロークは前後左右ともに短めとなり、それまでの930カレラとは異なるフィーリングとなる。全長×全幅×全高は4252mm×1652mm×1320mm、ホイールベース2270mm、トレッド前1380mm1374mm、車両重量1450kg、燃料タンク容量77。メーカー性能公表値、最高速度260km/h0100km/h加速5.9秒。カーグラフィック誌実測値、最高速度257.3km/h0100km/h加速5.6秒、0400m加速13.8秒、01000m加速25.2(1992年型測定値)となっている。964カレラ4クーペMTの新車価格は1140万円(1989年モデル)となる。生産台数は964カレラ2/4クーペ あわせて約28500台。964カレラ4の室内で一番強く感じるのはノイズレベルの低減911特有のサウンドは聞こえるが防音、遮音が930ボディ時代から格段に向上している。またCD値向上による風切り音の低さも効果的に働いている。走り出して次に気づくのはパワーステアリング軽いだけでなく911特有のキックバックも軽減されている。トーションバーからコイルに変更された足回りは、低速での乗り心地は若干硬い印象になるかもしれないが、速度を上げる事により印象は好転し、ダンピングは極めて有効なモノとなる。室内環境は空調システムにエアコンが組み込まれた事により、進化を最も感じられる部分かもしれない。しかし、それらの装備は約200kgの増量となりパワーアップしたエンジンを持ってしても、絶対的な性能は中速レンジまでは3.2ヨーロッパ仕様の911カレラと同等となる。964カレラ4の見せ場は180km/h以上の高速レンジで200km/hからのフルスロットルで力強いパンチが感じられる。また直進安定性は驚異的に優れ、それまでの911との差を大きく感じられるモノとなっている。コーナリングは基本的には911の癖を残すが、唐突にスロットルオフしてもタックインは穏やかで、脱出時のトラクションは素晴らしいの一語に尽きる。また定評のあるブレーキシステムもABSが新たに組み込まれた事により、重量増によるネガは全く心配なく、充分信頼できるポルシェ社のクオリティになっている。ポルシェ社は一貫して前輪で操舵、後輪で駆動をコントロールする事をポリシーとしてきた。964カレラ4も、もちろんその例のとおり前後トルク配分を31:69とする事でポルシェの理想のハンドリングが得られる様になっている。かつての959開発での経験を盛り込んだ、ドライバーに4WD化によるネガを感じさせずに、基本的にはより一層、洗練された911カレラとして仕上がっている。より微細な手足の動きに反応してくれる為、ドライビングテクニックを持て余す程のドライバーにとっても、更に奥の深いデリケートなエリアを堪能しながら、限界を極める楽しみを味わう事が出来る。また街中をゆっくり走らせて使用する事も可能であり、若干ハードな乗り心地に慣れてしまえば、日常使いも出来る。「911カレラといえば、これ」というフォルムを守りつつ現代に通用するコンフォート性を兼ね備えた「964カレラ4」はポルシェの数あるラインナップの中でとても重要なポジションに位置するモデルとなっている。