サイズ
長 475.0 cm 幅 179.0 cm 高 141.0 cm
W124型の500E/E500は、そのモデル後期に追加され、直6エンジン搭載が前提だったエンジンルームに、R129型SLで登場したDOHC4バルブの5リッターV8をサブフレームごと、押し込んだモンスターマシーンである。それゆえフロントフェンダーの膨らみ、それに合わせるべくフロントバンパーも専用品となる。リアもまた同様である。開発と生産に、当時、経営危機を迎えていたポルシェが関与したとされるだけの性能を持ち0→100km/h6.1秒、0→1000m25.6秒を記録する。また、その性能を4速フルオートマチックでウルトラスムーズにアッサリと実現出来るのは、かつての300SEL6.3や、450SEL6.9を生み出したメーカーだと再認識させられるモノがある。エンジン出力/トルクは330馬力/50kgmで、R129型500SLの1770kgという車重に対し、1700kgと70kg軽くなっている。(ノーマル300Eは、1460kgなのでそれよりは重いが...)また、きめ細かく調整されたASR(アンチ・スキット・コントロール)を備えロスの無い最大限の加速と、その加速力以上の強力なブレーキを持つ、高級で静かでスムーズ、その上ファンな4ドアGTである。しかし新車価格1550万と300Eの倍になる程高額な為、当時メディアでもその真価が伝えられる前に、生産中止となる。500E/E500の総生産台数は1万479台となり、そのうちディーラー車は、1184台。W124型の総生産台数250万台から考えると、わずか0.5%にも満たない数となる。