生産台数65台
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メーカー
ロータス
ミッション
マニュアル
グレード
生産台数65台
ボディタイプ
COUPE
外装色
パールイエロー
年式
1996 年型
走行距離
20410㎞
乗車定員
2 名
サイズ
長 434 cm 幅 190 cm 高 113 cm
エンジン形式
直列4気筒DOHC‐ICTB
排気量
2170 cc
馬力
302
トルク
38.4kgm
車検
令和5年2月4日
ハンドル
駆動区分
輸入区分
中古並行輸入
内装色
グレーバケット
燃料区分
ガソリン
幌色

「エスプリ スポーツ300」は199211月のバーミンガムショーでデビューした限定モデル。「エスプリS4」をベースとしながらも、アメリカIMSAシリーズに1991年から参戦し、その年はシリーズ2位となり、翌1992年には、3勝をあげドライバーズタイトルを獲得したレーシングカー「エスプリX180R」のノウハウを取り入れた一際高性能な一台となっている。またBPR GTチャンピオンシップ参戦の為のホモロゲーションモデルでもある。ノーマルでも評価の高いロータス ・ロードカーのシャーシに「エスプリ スポーツ300」では更なる性能アップを目指して各部ブラッシュアップが施されている。強化亜鉛メッキされたバックボーンフレームは、捩れの兆候は皆無といえる程、従来のエスプリの倍に相当する1度あたり、7000フィード・ポンドという高い剛性を確保している。これはエンジンマウントの強化、シャーシセクションの補強、センターコンソール部付近に厚さ2.5mmの鋼板を貼り付けることなどによるもの。これらの強化策は、その後のルマン参戦や、ターゲットしとているBPR GTレース参戦も視野に入れたものとなっている。また軽量化にも配慮され、FRP製となるライトウェイトボディは、その部位により厚みが変更されハンドクラフトで造られる。フロントバンパースポイラーはグラスファイバー製の一体物でブレーキ冷却用ダクトを持つ。大型のリアスポイラーも含めて専用のエアロキットを装備し空力対策もしっかりとなされていた。エンジンは、ジャンセンヒーレー用として1970年代初めに開発された、ボア・ストローク95.3mm×76.2mm2174ccをもつ、水冷直列4気筒DOHC16バルブにインタークーラー・ターボをもち、ロータス製電子制御マルチポイント・インジェクションにより302馬力/6400rpm38.4kgm/4400rpmの出力とトルクを発揮する。このエンジンは「エスプリS4」と基本的には同じものとなるが、専用ヘッドはインテークバルブの口径が拡大され、吸気インレットは職人によるハンドメイドとなり、更に2段階の燃圧コントロールを持ち冷却効率を強化されている。装備されるターボチャージャーは大型化され、ギャレット製T3ポンプとT4タービンの組み合わせとなる。インタークーラーも空冷のままではあるが拡大されるなど、一基づつ入念にチューニングされた特別なエンジンとなっている。ギアボックスはルノー製となるオーソドックスなマニュアル5速トランスミッションとなり、ややワイドなギア構成となる。足回りは、前ダブルウィッシュボーン式+コイル、後セミトレーリングアーム式/トランスバースリンク+コイルとなる。コイルスプリングはバネレートが高められ、ダンパーは大径ピストンロッドとされたモンロー製となり、構成される部品は全て専用品となっている。改良されたサスペンションマウントが採用されジオメトリーの見直しも受けている。「エスプリS4」に比べフロント15mm、リア10mmローダウンされた車高となる。ABSが装備されたブレーキはフロント327mm、リア280mm径のベンチレーテッドディスクが採用され、AP社製レース用アルミ4ポッドキャリパーと組み合わされる。タイヤサイズはフロント245/45ZR16、リア315/35ZR17の前後異径サイズとなる。組み合わされるホイールは専用となるOZ3ピースタイプで幅は8.5J/10.5Jとなっている。インテリアは「エスプリS4」と基本的には同一となるが、パワーアシストが付くナルディ製ステアリング、ダッシュボード、センタートンネル部はアルカンターラで覆われる。また軽量化に配慮されカーペット下の防音材、センターコンソール、マップポケット、スピーカー、時計は取り外されトータルで約80kgの減量となるその一角を成す。オプションによりオーディオ、エアコンの装着は可能となっていたようだ。シートは軽量なフルバケットタイプとなり、座面は布製で、シート下にある手動式ポンプによりランバーサポートを調整する事が出来る。シガーライター下にある左右矢印のスイッチは、左右のフューエルリッドオープナーとなっている。「エスプリ スポーツ300」の特徴はデビュー当時、他に比べる車がない程のコーナリング性能を持っていた事だろう。開発を指揮したのはロータス社のトニー・シュート(ロータス社開発部長だった人物で、今世紀に入って復活したロータス ヨーロッパの開発者)。正確でリニアなハンドリングを持ち、実質ニュートラルな味付けとなっている。ロードホールディングのレベルが驚くほど高く軽快にコーナーを抜ける事が出来る。ワインディングロードにおいても正確なステアリングを通じて豊富なインフォメーションと、強い横Gからしっかりドライビングポジションを守ってくれるシートが、ドライバーの強い味方となってくれる。低速でもフレキシブルなエンジンは、4000rpmを超えると本来のポテンシャルを見せ始める。ターボ過給エンジンでありながら、パワーデリバリーは極めてスムーズでウェット路面においても、素晴らしいトラクション性能を誇る。ロータスオリジナルとなる、トルク感応式リミテッドスリップデフはソフトでありながら、プログレッシブなフィーリングを提供してくれる。小型で軽量なプラネタリーギアタイプとなり、サイズも有利に働いてロックアップレシオは僅か1520%でありながら、完璧な仕事をこなしてくれる。「エスプリ スポーツ300」が提供してくれる人とクルマの親密度は、まさに絶妙な関係と呼べるものとなり神経質では全く無い。絶対的なスピードだけではなくクルマとの対話をタップリたのしめるものとなっていて、ドライバーはドライビングの虜となるだろう。考えてみればロータス社は、社内のロータス エンジニアリングにおいて、他メーカーの新車開発やセットアップも請け負う程の、膨大なシャーシセッティングのノウハウを持っている。その能力がフルに発揮される事で、シャーシ性能に定評のある自社のロードカーを数々世に送り出してきた。その様な環境の中でノーマルでも性能の高いシャーシをさらに煮詰めた「エスプリ スポーツ300」の様な出色のハンドリングを持った円熟のスポーツモデルが出てくるというのは当然の事ともいえる。頭や理屈ではわかっていてもその性能を身をもって味わうことが出来る人、楽しめる人はドライバー冥利に尽きる事と思う。全長×全幅×全高は4340mm×1920mm×1170mm、ホイールベース2420mm、トレッド前1535mm、後1595mm、車両重量1270kgとなる。メーカー公表性能値0100km/h加速4.4秒、最高速度270km/h、新車時価格1685万円となっている。パールイエローのボディはノーフォークマスタードというオプションカラーとなっている。この時代の「ロータス エスプリ」はピーター・スティーブンスによってデザインされ「ニューシェイプモデル」と呼ばれている。リアコンビネーションランプはトヨタAE86前期のモノと共通パーツとなっている。