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メーカー
BMW
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
外装色
アルピンホワイトⅢ
年式
2008 年型
走行距離
10600km
乗車定員
4 名
サイズ
長 487 cm 幅 185 cm 高 137 cm
エンジン形式
排気量
4999 cc
馬力
507
トルク
53.0
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
レッドレザー
燃料区分
ガソリン
幌色
ブラック

BMWのレース部門を担当する、BMW M社がラグジュアリークーペとして4人乗りの6シリーズクーペ(E63型、オープンボディの6シリーズカブリオレはE64型となる)をベースにハイパフォーマンスモデルとしたクルマが、BMWM6」となる。この「M6」の名前は「最も美しいクーペ」といわれた初代6シリーズ(E24)時代に使用されていたもの。BMW M社が初めて製造した「M1」用の、鋳鉄ブロックによる直列6気筒DOHC4バルブユニット(M88)を搭載して、1984年に登場の「M635csi」をアメリカと日本だけ「M6」とモデル名を変更して1986年〜1989年の間、販売していた。2003年、BMW社は正式に「M6」と呼称するのは「E63 M6」からとオフィシャルにコメントした経緯がある。これに基づけば2005年フランクフルトショーで発表された2世代目6シリーズをベースにした「E63 M6」は先にデビューした5世代目5シリーズ(E60型・バングルによるボディデザインを採用)の「M5」に使われたエンジンを搭載した初代「M6」となる。E636シリーズのデザインはクリス・バングルによるもの。フィアット在籍時、1993年に発売した「クーペ・フィアット」のデザインで注目を集め、1992年にBMW社に移籍して、コンセプトモデル「Z9」を発表後、2001年に4世代目7シリーズ(E65)を皮切りに多くのBMW車のデザインを手がけた人物。クーペモデルに続くかたちで、翌年の2006年にデビューしたのが「M6カブリオレ」となっている。先代6シリーズ(E24)の繊細なボディラインに対し2世代目は、クリス・バングルらしくダイナミズム溢れる、やや押し出しの強いディテールと、フォルムを持っている。ボディ構造はその基本的な部分を5シリーズ(E60)と共用する為、スチールモノコック構造に外皮をアルミ・パネル及びカーボンファイバーで形成しBMW車らしく、前後重量配分を50:50にこだわったものとなっている。フロントフェンダー、ボンネット、トランクリッドをアルミ素材とし、前後バンパー(クーペのM6はルーフも)はカーボンファイバーで作られている。注目のエンジンは、S65型とよばれるM社が開発した、F1V10気筒エンジンと同じ、自社鋳物工場で造られる軽合金ブロックをもつ90°V10気筒DOHC40バルブエンジン。ボア・ストローク92mm×75.2mmで圧縮比12.0から507馬力/7750rpmの最高出力と53kgm/6100rpmの最大トルクを発揮する。可変バルブタイミングとなるダブルVANOSはもちろん、レーシングカー並みの10個の独立式電子制御スロットルバルブ、ハイドロフォーミングによるシームレス・ステンレス製・等長排気マニフォールド、強烈な横Gにも音をあげない連続可変容量オイルポンプ(4)、更に大小ふたつのオイルパンを持ち、BMW M社の当時の最新技術の結晶ともいえるエンジンとなる。レブリミットは8250rpmとなり、8000rpm時のピストン移動量は毎秒20メートルとなり、この当時5以上のNAエンジンでリッター100馬力を超えるのは「エンツォ・フェラーリ」のエンジン(F140B)だけといわれ、BMW M社の技術力の高さが窺える。驚異的なパワーを発揮しながらも従来のV8エンジンとほぼ同じ、エンジン単体重量は240kgに留められている。専用のエンジン工房で生産されるこのエンジンはそのパフォーマンスが認められ2005年、2006年と前人未到となる2年連続で、世界72か国の著名なモータージャーナリストの投票で決められるインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。このエンジンは、普通に始動するとP400モードとなり、これは最高出力400馬力という意味。それをATシフトノブ横に備わるパワーボタンで切り替えるか、ステアリングホイール上のMボタンで呼び出す事により、P500、及びP500プラスを選択出来る。組み合わされるセミオートマチック・ギアボックス=SMG(シーケンシャル・マニュアル・ギアボックス)は、S65型エンジンの為にゲトラグ社と共同開発されたもの。従来のSMGでは6速だったものが7速化され、シフトスピードも20%速められたばかりではなく、ドライブロジックと称する機能が盛り込まれた。D(オートマチック)モード5種、S(マニュアル)モード6種、の計11種のシフトプログラムが用意され、ギアセレクター後のスイッチで任意に設定可能となる。このセミオートマチックシステムではクラッチ摩耗が心配されるところだが、SMGでは通常の使用状態なら20万キロ耐えられると発表されている。足回りは、オールアルミ製となるフロントにダブルジョイント式ストラット+コイル、リアはインテグラルアーム式+コイルでフロント・リアともにスタビライザーを装備する。ショックアブソーバーは電子制御式となるEDC(エレクトリック・ダンパー・コントロール)が備わる。ブレーキはフロントに374mm×36mm、リアは370mm×24mmのドリルド・ベンチレーテッドディスクが選択され、アルミ製となるフロントはダブルピストン・キャリパー、リアはシングルピストン・キャリパーがそれぞれ組み合わされる。タイヤサイズはフロント255/40ZR19(8.5J×19)、リア285/35ZR19(9.5J×19)となっている。新たに採用されたトルク感応式可変デフによるMディファレンシャルロックによりエンジンパワーは印象的ともいえる程のトラクション性能で楽しめるものとなっている。インテリアはBMWらしくビジネスライクではあるものの、スポーツ性は隠しきれずサイドサポートが深めのスポーツシートは、電動調整式となりポジションメモリー機能も付く。またシートベルトがシート自体にビルトインされている為、後席使用時のウォークイン機構とあわせてスマートに行え、シートベルトも使いやすい。2+2としては比較的実用になるリア居住空間をもち、シートは全て洗練された上質なダコタ・レザー仕上げとなる。変速用パドルを備えたMモデル専用となる3スポークステアリングはやや太めとなっている。そのステアリングをとおして、正面インパネには左に大径の330km/hのスピードメーター、右に7750rpmからイエロー9000rpmまでのタコメーターが並ぶ。二つのメーターの間にはギアポジションを示すインジケーターを備えている。オープンモデルではあるが、ボディの弱さはあまり感じられない。かけた時にトンネルバックスタイルになる、特徴的な形の幌は作りはとても良く3層構造となっている。幌の表面は薄くコーティング処理され、滑らかにする事で空気抵抗とノイズや騒音を低減し、開閉にしても苦労や手間は要らない。センターコンソールにある開閉ボタンを押すだけで20秒後にはフルオープンとなる。また30km/h以下であれば幌の稼働は可能となっている。オープンにして、そのまま走り出しても風の巻き込みは気にならない。垂直に配置される、熱線入りリアウィンドウはオープン、クローズド問わずに電動で上げ下げ出来、オープン時にはウィンドウディフレクターとしての機能をもつ。幌を畳んだ状態でも300の荷室容量が確保されている。全長×全幅×全高は4870mm×1855mm×1370mm、ホイールベースは2780mm、トレッド前1565mm、後1585mm、車両重量2010kgとなる。ガソリンタンク容量は70、新車時価格は1700万円。生産台数は、M6としては14152台、その内訳はクーペ9087台、カブリオレ5065台となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速4.8(M6クーペは4.6)、最高速度250km/hでリミッター作動となる。エンジンを始動するとV10エンジン独特の音がきこえるが、ガヤルドよりカレラGTに近い音質をもちアイドリング時にも、それ程大きな音はしない。もちろんエンジン回転を上げるに従い、官能的ともいえるサウンドに変化してくる。オープンボディを持つ為、締め上げられた足回りも、それほど硬質感をドライバーに伝えて来くる程ではない。M社開発によるV10エンジンのパワーはオープン化で重くなったボディをものともせず、中間加速の息の長さや、スロットルのツキの良さも全く申し分無い。SMGに進化したギヤボックスは、このパワートレインのパフォーマンスを活かし切る為に充分な完成度とシフトマナーをもつ。街乗りはP400モードでも全く不足ない加速感を発揮し、イージーなドライビングを楽しむ事が出来る。大柄に見えるボディも、ドライブすると見た目以上にコンパクトに感じられ、オープン化により速度を問わず、このクルマならではのエンジンサウンドを楽しむ事が堪能出来るのが「M6カブリオレ」の最高の楽しみ方となるだろう。ダブルVANOSを備えるV10エンジンは、本来の領分である6500rpmを超えると、俄然レーシーな鋭いレスポンスを見せ、乾いた金属的なサウンドを響かせるようになる。その音質は中音域が勝るという点でフェラーリV12とは異なるが、多気筒ユニットならではの高回転域のドラマチックなサウンドは運転しながら聴き入ってしまう程のものとなる。電子制御のパートが多く搭載されながらも、どんな交通状況あるいは速度域によらず洗練されたドライブが可能で、その走りや操作類の手触りにおいて圧倒的な品質の良さ、M社ならではの妥協の無いドライビング感覚をオープンボディで味わえる事は、最高の贅沢といえるのかもしれない。