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パノラマルーフ
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メーカー
フェラーリ
ミッション
デュアルクラッチトランスミッション
グレード
パノラマルーフ
ボディタイプ
外装色
ネロデイトナ
年式
2017 年型
走行距離
7150km
乗車定員
4 名
サイズ
長 491 cm 幅 198 cm 高 137 cm
エンジン形式
V型8気筒DOHCTB
排気量
3850 cc
馬力
610
トルク
78.0kgm
車検
令和4年10月16日
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

「フェラーリGTC4ルッソT」のデビューは、20169月のパリ・サロンとなる。名前の「GTC」は「330GTC」「365GTC」に用いられた「グランツーリスモ・クーペ」から、数字の「4」は「4人乗り」、「ルッソ」は「250ベルリネッタ・ルッソ」から「豪華な、とかラグジュアリー」を意味するイタリア語から、最後の「T」は「ターボエンジン」からの組み合わせとなっている。半年前となる3月のジュネーブショーで一足早くデビューした「GTC4ルッソ」の追加グレードでは無く、フェラーリは新型車とアナウンスしている。「フェラーリ・エンツォ」由来の6.3リッター65°V12気筒を搭載し、現存する4WDシステムとは全く異なるフェラーリ独自の4輪駆動システムをもつ「GTC4ルッソ」は、それまでの「フェラーリ・フォー」からのモデルチェンジとなるが、「GTC4ルッソT」はV8ツインターボエンジンを搭載する、FR2輪駆動モデルとなる。ボディデザインは、両車共通となるピニンファリーナ社による「フェラーリ・フォー」を踏襲したリアハッチゲートを持つ、シューティング・ブレークスタイルのデザインとなる。極めて少ないデザイン上の両車の違いは、ホイールのデザインと、4本出しとなるマフラーエンドの内側のデザインのみとなっている。「GTC4ルッソT」に搭載されるエンジンは、ボア・ストローク86.5mm×82mm3855ccの排気量を持つV8気筒ツインスクロール・ツインターボとなっている。フェラーリのV8エンジンらしく、高馬力を狙える等間隔爆発となるシングルプレーンのクランクシャフトが採用される。このエンジンは610馬力/7500rpm77.5kgm/30005250rpmの出力、トルクを発揮し、フロント車軸よりキャビン寄りに搭載されるフロント・ミッドシップとなる。また、このエンジンは2016年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞していて、燃焼効率の見直しによりV12エンジンより30%の燃費向上をもたらしている。同じFR22の「カリフォルニアT」にも同型エンジンが搭載されているが、それより50馬力と0.5kgm強化されている上に、最大トルク発生回転数が、30005250rpmと広範囲になっているところが異なる。更に可変ブーストマネージメントにより、選択されるギアで発生トルク値が異なり、どのギアポジションにおいてもコンスタントな加速が得られる自然吸気エンジンに似たフィールをツインターボで追求した制御が施されている。V12気筒エンジン搭載の「GTC4ルッソ」に比べ30馬力劣るが、トルクは逆に6.1kgm高くなっている。組み合わされるトランスミッションは、ゲトラグ製7DCT(デュアル・クラッチ式オートマチックトランスミッション)となっている。「フェラーリ・フォー」と同じく重量配分にこだわったトランスアクスル式を採用する為、トランスミッションはリアに搭載される。これにより前後重量配分は、46:54となる。7DCTはオートモードでは極めて滑らかな変速が可能となっているが、スポーツモードを選択すれば、瞬時にダイレクトな変速が得られる。足回りは前後ダブルウィッシュボーン式+コイルとなる。組み合わされるショックアブソーバーは磁性流体式可変ダンパーとなるSCM-Eと呼ばれるものが採用される。これはトラクション性能を重視しつつ、ボディロールを抑え多彩な路面状況で快適な車内環境を提供するものとなっている。ブレーキは高い制動能力をもつカーボンセラミック製ブレーキシステムを装備する。タイヤサイズは前245/35ZR20、後295/35ZR20となり、8.5J10.5Jの鍛造アルミホイールと組み合わされる。また、フェラーリでは「バーチャルショートホイールベース」と呼称する後輪操舵システム(4WS)が採用されている。ZF製のこのユニットはアクチュエーターにより、状況に応じて同位相と逆位相を使い分ける事により5m近い全長を持つ大柄なボディを持て余す事無くスムーズに走らせられる様になっている。インテリアは左右対称となる「デュアル・コックピット」デザインが採用され、それぞれの座席が独立した完全な4シーターとなり、後席への乗り降りは少々しづらいが、一旦座ってしまえば、大人でもそこそこ快適な空間と呼べるものとなる。ドライバー正面にレイアウトされるアナログ式のタコメーターは、レッドゾーンが7500rpmとなっていて、それ以外の情報は全て液晶パネルに表示される。また運転席で表示される情報と同等のものが、助手席前方に備えられた液晶パネルでも表示出来る。センターディスプレイは10.25インチのタッチスクリーンとなり、アップルCar Play対応となる。3スポークステアリング中央左下にスタータースイッチ、右下に走行モード切り替え機構となる「マネッティーノ」のダイヤルが付く。「マネッティーノ」の設定はIce/Wet/Comfort/Sport/ESC OFF5種となる。「マネッティーノ」はフェラーリがF430から採用を始めた、車両統合制御装置でステアリング上にあるダイヤルにより、それぞれの車種ごとに設定された走行モードを選択出来る様になっている。エンジン特性、可変ダンパー、スタビリティコントロール、トラクションコントロール、Eデフなどを相関させながら統合制御するものとなる。12気筒搭載モデルとなる「GTC4ルッソ」との重量差は50kgとなり総重量から考えると、僅かな減量となるかもしれないが、FRとされた事と4WSによりボディの大きさを意識させないドライビングが楽しめる。見た目の大きさと重厚なイメージとは全く反対の軽快感に驚かされる程、ノーズの反応がリニアで速い。ロックトゥロック2.4回転というクイックなレシオによる動きはミッドシップモデルにも近いものに感じられる。街中での低速走行時でも、アイポイントが低いだけで、普段通りに走行出来る。コーナーの続くワインディングロードでも、ロールを抑えたセッティングとなっている為、安心してコーナーに進入出来る。そのハンドリングは「GTC4ルッソ」よりダイレクトでスポーティに感じる。パドルシフトでマニュアル操作しながらのドライブは、ターボ化されたエンジンによりサウンドはオクターブ下がってはいるが、そこはフェラーリらしくしっかり調律されていて回転を上げるごとに音階をかえてドライバーをたっぷりと楽しませてくれる。ハイウェイでの高速巡航時の快適性については居心地の良いシートの出来に助けられ、疲れ知らずで長距離移動をこなす事が出来る。ただし自動ブレーキやACCの装備は無く、これもドライビングを楽しむ為のフェラーリならでは、といえる事かもしれない。全長×全幅×全高は4922mm×1980mm×1383mm、ホイールベース2990mm、車両重量1740kgメーカー公表値0100km/h加速3.5秒、最高速度320km/h以上新車時価格2970万円フェラーリが「GTC4ルッソ」と「GTC4ルッソT」に与えた性格は、まるで異なるものとなっている。12気筒で4WDとなる「GTC4ルッソ」は4WDという事からも想像出来るとおり、フェラーリとしては、異例ともいえる程スタビリティを重視した性格となりGT色がとても強い。ライバルは他社のハイクラス・ラグジュアリーモデルと言える程、オールマイティでその使用環境も制限される事がない。それに対して「GTC4ルッソT」は今迄のフェラーリロードカーの文法に則ったものとなり、「599」「612スカリエッティ」「F12」などに近いFRフェラーリならではの軽快でスポーティな、走らせる事に満足感を得られる性格が与えられている。異なる内容を持つ両車となるが、毎日の通勤からロングドライブ迄こなせるコンフォート性はそれぞれに備えられている。「GTC4ルッソ」の発表時のプレスカンファレンスの中で前モデルとなる「フェラーリ・フォー」の顧客の平均年齢が他のモデルに比べて10歳若いという事が公表された。同時期の「458/488」や「カリフォルニア」より高額な「フェラーリ・フォー」を選んだ理由は「4シーター」という点に着目したからだそうだ。その顧客達は、走行距離も他モデルのユーザーより50%も多く、日常的にフェラーリを使いこなしているという。そこでこのユーザー達の使用状況を考慮し「フェラーリ・フォー」のコンフォート性や日常におけるスタビリティの部分を進化させて登場したモデルが「GTC4ルッソ」になり、従来からのフェラーリ・ユーザーの為に、よりダイレクトでスポーティ、楽しむ為のドライビングに適した性格を強調したモデルが「GTC4ルッソT」になったようだ。どちらのモデルも「フェラーリ・フォー」の中に共存していた性格で、そこから抽出されたキャラクターを、より明確にキャラクター分けして、それぞれブラッシュアップして登場した似て全く非なる2台となっているようだ。クルマの電動化の波が押し寄せる現代においてなおフェラーリを求める人は増え続け、更に多様化しているという事になるのだろう。また新たなマーケットをしっかりと分析し対応しているのが、現在のフェラーリなのかもしれない。