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4S PDK 3.0
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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
4S PDK 3.0
ボディタイプ
外装色
ジェットブラック
年式
2017.0 年型
走行距離
5510km
乗車定員
4.0 名
サイズ
長 450.0 cm 幅 188.0 cm 高 129.0 cm
エンジン形式
排気量
2981.0 cc
馬力
420
トルク
51.0
車検
令和6年5月
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
ベージュレザー
燃料区分
ガソリン
幌色

20159月のフランクフルトショーに於いて、マイナーチェンジが施された「911」。2011年からつくられている「991型」とよばれる「911」は、このマイナーチェンジによって「991後期型」に進化した事になる。「991型」は「ナロー」とよばれる「901型」から数えると7世代目の「911」となる。ポルシェのマイナーチェンジでは、フォルムを維持しながら、常にフロント・リア部などに、僅かながらも確実にそのモデルを見分けられるポイントをいくつか配置しメカニカル部分を進化させてくる。今回の「991後期型」で最もわかりやすい変更ポイントとしては、かつての空冷エンジン時代を彷彿とさせる縦方向とされたエンジングリルかもしれない。「911」では継承され続けるフォルムに対し1963年の誕生以来、2.0から始まったエンジン排気量は、モデルチェンジのあるごとに大型化され、その基本となるモデルにはいつも自然吸気のフラット6を搭載してきた。今回の「991後期型」では、その一貫してきた「ポルシェ911」にとって大きな変革がもたらされたマイナーチェンジとなった。「991前期型」では「カレラ」には3.4「カレラS」には3.8の自然吸気フラット6が採用されていたのに対し「991後期型」では両モデルともに3.0のツインターボ・フラット6エンジンが採用された。この頃、ヨーロッパの多くの自動車メーカーでは、燃費の向上を図りながらもパワーアップが可能となる「ダウンサイジング」というワードを使って、エンジンを小排気量化した上でターボ化するという流れがトレンドとなっていた。スポーツカーメーカーとして「ポルシェ」も、いよいよこの手法を取り入れたと誰もが考える中で「ポルシェ」自身は「ライトサイジング」という解答を示した。これはサイズの適正化という意味が込められ、やみくもに排気量を小さくしたのではなくエモーション、効率、パフォーマンスの3つの課題をバランス良くエンジンに課す観点から、最適な排気量を熟慮の末に導き出した結果だと説明している。大きくされたわけではない限られたエンジンコンパートメントに、ツインターボ・ユニットを押し込む事に苦労をしたあとが見え隠れするように、ほとんど手も入らない様な狭いエリアに2つのタービンと空冷インタークーラーが、見事に詰め込まれている。各バンクに装備されるタービンは、かつて「ポルシェ」がレースの世界で得た技術をいちはやく市販車に反映した「911ターボ」で用いた「KKK(キューネ・コップ&カウス=kuhnle,kopp und kausch)社製ターボ」の製造元となるKKK社を吸収合併したボルグワーナー社製が採用されている。ターボチャージャーの排気側のタービンホイール径こそ「カレラ」「カレラS」ともに45mmと同径となるが、吸気側となるコンプレッサーホイール径は「カレラ」が49mm「カレラS」が51mmと異なるサイズが選択されている。その上、最大過給圧は「カレラ」が0.9バール「カレラS」が1.1バールとされ、同じ排気量から370馬力と420馬力というパワーの差が設けられ、それぞれ前期型に対して20馬力のパワーアップが図られている。このパワー以上に大きな影響を受けたのがトルク特性で、全ての回転域において大幅なトルク向上が体感出来、最大トルク発生回転数が低回転域の1700rpmから5000rpmまで広範囲でフラットに続く特性となっている。これにより更なる速さとドライバビリティの向上、そして最大12%の燃費の向上が実現されている。今回入荷した「911カレラ4S PDK3.0」に搭載されるエンジンは「9A2型」というコードネームが与えられた水冷水平対向6気筒DOHC24バルブ直噴ツインターボとなる。ボア・ストローク91.0mm×76.4mmから2981ccの排気量をもつ。可変吸気システムのバリオラムに加え、排気側カムシャフトにも可変バルブタイミングを備え10.0の圧縮比とターボチャージャー+インタークーラーにより420馬力/6500rpm51kgm/17005000rpmのトルクを発揮する。最高出力発生回転数が、自然吸気3.8エンジン搭載の前期型に比べると74006500rpmに下がり、最高許容回転数も78007500rpmと落とされている。とはいえ「991型・911ターボ」が7000rpm「ターボS」が7200rpm止まりとされている事を考えれば、充分に回転数は維持されているともいえるかもしれない。直噴インジェクターの位置をシリンダーのほぼ中央にレイアウトし直し、それぞれのバンクに配された燃料ポンプから送られるガソリンは250バールでシリンダー内に噴射され、燃焼効率の向上と省燃費/排ガス低減が図られている。シリンダー内壁にはプラズマコーティングを施しフリクションの低減が実現され、クランクケースは従来型から1.5kgの軽量化が行われている。組み合わされるトランスミッションは、7PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング=Porsche Doppelkupplung)となり、奇数・偶数段それぞれのギアごとに独立したクラッチをもつ、デュアルクラッチシステムで、シームレスな瞬時の変速が可能となっている。今回のマイナーチェンジではPDKの「Dレンジ」での変速制御がより熟成された事で、あえてMTモードを使おうと思いつかない程の自動変速制御を見せるといわれている。また「991後期型」からシフトレバーによるマニュアル操作も「GT3」と同様になり、手前に引くと「シフトアップ」前方に押すと「シフトダウン」に変更された。「カレラ4S」の4輪駆動システムは、センターデフに電子制御多板クラッチを用いるPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)により通常時は、ほぼ後輪駆動の状態から前後駆動配分を最大50:50まで自動制御している。足回りはフロント・マクファーソンストラット式/コイルスプリング、リア・マルチリンク式/コイルスプリングとなる。PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)が標準装備されスポーツとノーマルの2モードを瞬時に切り替えられるようになり10mm車高も低められている。PASM自体の設定もより快適性とダイナミック性能を高めた、新世代のものが採用されている。ブレーキはフロント350mm×34mm、リア330mm×28mmのドリルド・ベンチレーテッド・ディスクが装備され、そのディスクはアルミニウム製ベルハウジングにピンで結合される軽量構造となり、バネ下重量軽減が図られている。またブレーキパッド面積も18%拡大され、フロント6ポッド、リア4ポッドのモノブロック対向キャリパーと組み合わされる。ホイールサイズはフロント8.5J×20、リア11.5J×20となり、ターボ化に伴いリアは0.5インチ、リム幅が広げられている。組み合わされるタイヤはフロント245/35ZR20 91Y、リア305/30ZR20 103Yとなっている。インテリアは、375mmとやや小径となるステアリングホイールが採用され、このデザインは、2013年に生産された「ポルシェ918スパイダー」のステアリングデザインに由来するものとなる。メーターまわり、センターコンソールの造形にはマイナーチェンジの影響は感じられず「911」に限らず、他のポルシェモデルとも共通するモチーフが用いられている。今回入荷した車両にはオプションとなるスポーツシートプラスが備わり、標準となるスポーツシートに比べサイドサポートの形状が、より深めになっていてサポート性が高く、パワーシートでもある事からよりコンフォート性能の高い仕様となっている。全長×全高×全幅は、4505mm×1835mm×1295mm、ホイールベース2450mm、トレッド前1543mm、後1558mm、車両重量1490kg。燃料タンク容量68、最小回転半径5.2m、新車時価格1519万円となっている。メーカー公表性能値は、PDKモデルで0100km/h加速4.0秒、0200km/h加速13.6秒、最高速度303km/h(7MTモデルは、それぞれ4.2秒、14.1秒、305km/h)となっている。PDKのシフトレバーをDレンジに動かして、スロットルペダルをそっと踏み込んでみると、あくまでも右足の動きに忠実に反応し、ターボ化によるラグは感じられず、リニアな加速を味わうことが出来る。ツインターボ化によりフラット6は、明らかにトルクの太さが感じられ、市街地などで多用する低回転域においても、瞬発力が得られることで日常のほとんどの場面において扱いやすく感じられるだろう。ターボチャージャーの存在を意識させられるのは、主に""でスロットルペダルを踏んで、エンジン回転の上昇時にタービン音がエンジン吸気音と重なって聞こえてくる。それ以上に実感出来るのは「911」らしくエンジンレスポンスの良さで、アクセルの動きにピタリと合わせてエンジン回転が上下し、それは自然吸気のフラット6を上回る程の反応を見せ、回転上昇のみならず回転落ちもとても速く感じられるものとなっている。4WDシステム(PTM)は、必要に応じて駆動力を配分し、走行中絶え間なく機能し続け、制御の緻密さをうかがわせる。そのおかげで、いかなる状況においても高いスタビリティが確保され、高い走行性能を実感する事となる。どこまでも続くコーナーをオンザレールで駆け抜けていける感覚は、PTMが黒子として働いているからでもあり、まるでアンダーフロア全体で路面を捉えているかのような安定感が得られる。古くからスポーツカーの中でもコンパクトなボディサイズやリアシートをもつ事から、高い実用性をもつといわれた「ポルシェ911」。「991後期型」ではPASMが標準装備され、パワーユニットやコンフォート性能に大きく磨きがかかり、オールマイティでありながらもリアルスポーツという贅沢な仕様となっている。そんな「911」の中でも、最もスイートスポットの広いモデルが「911カレラ4S」といえるのかもしれない…