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メーカー
メルセデスベンツ
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
クーペ
外装色
ダイヤモンドホワイト
年式
2012.0 年型
走行距離
61500
乗車定員
4.0 名
サイズ
長 471.0 cm 幅 179.0 cm 高 139.0 cm
エンジン形式
排気量
6208.0 cc
馬力
457
トルク
61.0
車検
令和5年7月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

AMG社は1967年、レース用エンジンの設計会社として創業を始め、創業者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト、エンジニアのエアハルト・メルヒャー、アウフレヒトの故郷であるグローザスバッハのそれぞれの頭文字から「AMG」と命名された。1971年スパ・フランコルシャン24時間レースにおいて、「メルセデスベンツ300SEL6.8AMG」がクラス優勝する事によりAMG社の名前が世の中に知られるようになった。創業の地はブルグスタルといわれ、1976年に現在のアファルターバッハに移転する事になるのだが、その時のスタッフは総勢40名たらずだった。メルセデスベンツのパートナーとして、その後も強力なバックアップのもと、DTMでの成功をおさめると、1999年にダイムラー・クライスラーがその株式の過半数を取得し、2005年に完全子会社化される事となる。その頃になるとスペシャルエンジンを組み立てる熟練メカニックだけでも50人、会社全体では700人近い陣容を持つ程になっていた。AMG社によるコンプリートカーはメルセデスベンツとの関係から、新車開発の早い段階から車両情報が得られ、基本的にメルセデスベンツ製エンジンをベースに、排気量拡大や、過給機の付与によるパフォーマンスアップ、及びチューニングで成り立ってきた。しかし「AMG 63シリーズ」に搭載される「AMG-M156型」とよばれるV8エンジンは、100%AMG設計による唯一のエンジンとなりAMGの理想が実現されたハイパフォーマンスユニットとなっている。設計者はフリードリッヒ・アイヒラーという人物(後にフォルクスワーゲングループに移籍しW12TSIエンジンを開発した人)。自然吸気となる6208ccV8エンジンはオールアルミ製で、ボア・ストローク102.2mm×94.6mmをもつ、DOHC32バルブとなっている。94.6mmという長めのストロークとなるが、ボア径の102.2mmという大きさが効いて相対的にはショートストロークとなりる。回転を稼ぎやすく過剰なトルクを発揮出来る排気量を持ちながらも、高回転時に図抜けた高出力を達成するという野心のもと開発されたエンジンといえる。吸排気ともに可変バルブタイミング機構をもち、圧縮比11.3となる。レース活動で培われた高度なテクノロジーを惜しげもなく注ぎ込まれたこのエンジンは、カムシャフト、バルブ、バルブスプリング、クランクシャフト等の全てが準レーシングスペックで設計されている。このエンジンは世界36ヵ国76名のモータージャーナリストの投票により決定する「エンジンオブザイヤー」の中の「ベストパフォーマンスエンジン」部門賞を2009年〜2010年に連続して獲得している。これはポルシェ911GT3やフェラーリV12モデル、日産GTRなど名だたるエンジン搭載車達を、抑えての受賞となった。アファルターバッハでは、ひとりのエンジンマイスターが最初から最後まで手作業で組み立て、組み上げた人物のサインが入ったプレートが各エンジンの上部にマウントされている。この当時、AMG社では一日に110120基のエンジンを生み出し年産25千台の生産台数となっていた。今回入荷したC204CクラスクーペボディのC63モデルは、オプションとなるパフォーマンスパッケージを装備する為、ベースモデルの457馬力/6800rpmと最大トルク61.2kgm/5000rpmから30馬力増しの487馬力を発揮する。搭載する「AMG-M156型」エンジンは、その成り立ちからハイスペックで仕立てられているのに加え、パフォーマンスパッケージでは、「SLS AMG」と同じ鍛造ピストン、コンロッドと軽量クランクシャフトが組み込まれる事で、エンジン単体で3kg軽量化されている。組み合わされるトランスミッションは「AMGスピードシフトMCT7スピード・スポーツトランスミッション」とよばれる7ATとなる。トルコン式だった「AMGスピードシフト」から、トルコンの代わりに湿式多板クラッチが用いられDCTに近い方式のトランスミッションとなっている。MCTとは「Multi-Clutch Technology」の意味とされている。シフトチェンジは最速で0.1秒とされ、電光石火の速さをもつ。シフトダウンも自動ブリッピングにより、絶妙のタイミングで行われる。もはやATである事を忘れるほどエンジンのパフォーマンスを引き出せるものとなる。またパフォーマンスパッケージにより、リアデフにはLSDが装備される。足回りはフロント3リンク式、リアにマルチリンク式となり、AMG専用開発となるスプリング/ダンパー/スタビライザーが採用される。ブレーキは前後ともにスリット入りドリルドベンチレーテッドのコンパウンドブレーキディスクを備え、フロントに6ポッド、リアに4ポッドのAMGロゴが入った赤いキャリパーが組み合わされる。これらはパフォーマンスパッケージ専用のAMG強化ブレーキとなっている。タイヤサイズはパフォーマンスパッケージの場合、専用の19インチのマットブラック塗装ホイールと組み合わされ、フロント235/35ZR19、リア255/30ZR19となっている。インテリアは3スポークステアリングを通して正面に独立3連メーターを備え、中央に320km/h迄の速度計が配置される。深いサイドサポートをもつバケットタイプのスポーツシートを装備し、見た目よりスペースの確保されたリアシートの定員は2名となる。「パノラミックスライディングルーフ」を備えるキャビンは閉塞感は感じられない。ボディサイズは全長×全幅×全高が、4710mm×1795mm×1390mmとなり、ホイールベースは2765mm、トレッド前1570mm、後1525mm、車両重量は1800kgとなっている。燃料タンク容量は66。セダンボディのW204型と比べると50mm低く、50kg重い他は共通。新車時車両価格はセダンより10万円高額となる1085万円で、オプションとなるパフォーマンスパッケージは125万円となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速4.5秒となり、最高速度はベースモデルが250km/hでリミッターが効くのに対し、パフォーマンスパッケージ装備車は280km/hでリミッターがかかるようにセッティングされている。また、参考値としてカーグラフィック誌による実測値で、W204型のC63スポーツパッケージ装備車による0100km/h加速は4.5秒、0400m加速は12.5秒、01000m加速22.5秒となり、同時に計測していた同年代のBMW M3クーペ、アウディRS5より確実に速いタイムとなっている。「AMG-M156」型が6208ccなのに何故「63」を名乗るのかといえば、かつてのAMGのレーシングカー「300SEL6.8」のベースとなった「300SEL6.3」があったればこそという事になる。C63は、それまでのAMGのどのモデルと比較しても動力性能と完成度の高さがまるで異なる、圧倒的な存在感をもつモデルとなる。凄まじく速く、見事なクオリティで作り上げられ、その上ドライビングの満足度も高い。それはエンジン単体の性能のみが突出しているだけではなく、それ以上にシャーシの性能が煮詰められていて、しっかりとそのパワーを受け止めている事に他ならない。高速道路でロケットの様にカッ飛んでも、ドライバーは全く不安を感じることはない。主人に仕えまくる忠実な小さな弁慶さながらといったところか。これを知ってしまうと、これ以降のモデルにこのインパクトを感じられなくなってしまうのは残念なところだろう。