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メーカー
ミッション
マニュアル
グレード
ボディタイプ
外装色
エストリルブルー
年式
1999 年型
走行距離
100.300km
乗車定員
2 名
サイズ
長 403 cm 幅 174 cm 高 128 cm
エンジン形式
排気量
3201 cc
馬力
321
トルク
35.7
車検
令和9年11月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック×ブルー
燃料区分
ガソリン
幌色

フォージド18インチホイール・スーパースプリント4本出しマフラー・前後ブレンボキャリパー&ドリルドディスク・社外軽量エンジンフード・リアルーフスポイラー・シュニッアークイックシフト・ABCペダル・社外ステアリング他装備されております。

Z」はアルファベット最後の文字であり、究極や最後のものを示す記号として用いられる事がある。しかしBMW2シータースポーツモデルに与えられた「Z」は、ドイツ語の「未来」を意味する言葉「zukunft」の頭文字となる未来に向けられたモデルを表している。「Z」の文字を車名に初めて使った「Z1」は、1987年フランクフルトショーでBMWから発表されたモデルで、新たに設立されたBMWテヒニックGmbHにより開発されている。この先進技術研究部門では1985年から、当時のBMWにラインナップされていた357シリーズの慣例にとらわれることなく、自由な発想で作業をすることを目的に設立された部門だった。後にアストンマーティンCEOとなるウルリッヒ・ベッツ率いる60名からなるこのチームは、ハーム・ラガーイによる先進的なデザインをもつ「Z1」を僅か6カ月の間に作り上げた。当初はコンセプトモデルと思われていたが、1956年の「507」以来となるBMW製オープン2シーターモデルは注目を浴びて市販される運びとなる。尖ったフロントの控えめなキドニーグリルは、かつての「M1」や「8シリーズクーペ」にも似たデザインとされ、イタリア車の様に切り詰められたテール部や、カバーに覆われたヘッドライト周り等、ユニークなデザインがボディ各部に採用されていた。パワートレインはE30型「325i」から流用されていたが、ボックスセクションのスチールフレームによる骨格を基本としてフロアには複合材を使用、ボディパネルは射出成型の樹脂製で取り外し可能となっていた。サイドシルがガルウィングドアを特徴とする「メルセデスベンツ300SL」の様に高くバスタブ型のフロアを形成し、ドアは垂直にスライドしてサイドシル内に格納される仕組みの開閉機構を持っている。このドアを開けた(下げた状態)まま走行することで絶大な開放感を味わうことが出来、フロントのストラット式とリアのマルチリンク式による足回りにより、オープンエア・ドライブを堪能することが出来た。この「Z1」の「Z」の持ち味を継承して1995年のフランクフルトショーで発表されたモデルが「Z3ロードスター(E36/7)」だった。「クーペ・フィアット」のデザインで知られるクリス・バングルが、アメリカ人デザイナーとして初めてBMWのデザインディレクターとなってからの最初のモデルで、その指揮下でBMW在籍の日本人デザイナー永島譲ニデザインによるモデルとなっている。筋肉質を感じさせるラインを使ってロングノーズ、ショートデッキをもつプロポーションが採用され、前輪とドアの間に設けられたスリットは「507」へのオマージュとされている。手動式のシンプルなソフトトップをもつFRのオープンモデルで、発表当初4気筒1.9エンジンを搭載、後に6気筒エンジン搭載モデルも追加されエンジンはスポーツモデルらしくフロントミッドシップに近いカタチでバルクヘッド寄りに搭載されていた。プラットフォームはE363シリーズをベースとしていたが、足回りは1994年発表の3シリーズ・コンパクト(E36/5)と同様、旧型3シリーズとなるE30型と同じフロントにストラット式、リアはセミトレーリングアーム式という、それまでのBMW伝統のものが使われていた。マツダ「MX-5ミアータ=ロードスター」の世界的ヒットによりオープンスポーツモデルの復権を背景としてドイツ車ではポルシェからは「ボクスター」メルセデスベンツからは「SLK」、英国車では「ロータス・エリーゼ」「MG-F」イタリア車では「フィアット・バルケッタ」やFF化された「アルファロメオ・スパイダー」等が相次いで発表された時代だった。「Z3ロードスター」はアメリカのサウスカロライナ州のグリアにBMWが新たに完成させたスパータンバーグ工場で生産された初めのモデルとなり、ショーデビュー前に1995年の映画「007ゴールデンアイ」にボンド・カーとして採用され注目を集めた。個性的なデザインとドライビングを楽しめるオープンモデルとして「Z3ロードスター」は、マツダ「MX-5ミアータ」とポルシェ「ボクスター」の間のマーケットに投入され、279237台が生産された。1996年パリサロンでは「Z3ロードスター」をベースとし、BMWのスポーツ部門の「M社」が開発した「M3(E36)」にも搭載される3.2・直列6気筒エンジンを搭載したコンセプトモデル「Mロードスター」が発表される。1.9・直列4気筒の140馬力エンジンから倍以上もパワーのある3.2直列6気筒の321馬力エンジンを搭載した「Mロードスター」は、同時期のポルシェ「ボクスター(986)」の性能を遥かに凌ぎ「911カレラ(996)」に迫る究極のドライビングマシンと銘打たれ、そのパフォーマンスを標榜する生粋のスポーツモデルだった。強力なエンジンに組み合わされるギアボックスは5MTのみの設定とされ、ドイツ・ドレクスラー製LSDを装備。強化されたサブフレームに太めのスタビライザーを備え、トレッドは前後10mm拡大され、28mm低められた車高、17インチ化されたホイールにはフロント225、リア245サイズのワイドタイヤを装備し、それを覆うワイドなフェンダーと突き出したフロントエアダムで武装したマッシブなスタイルへと大きく手が加えられていた。「Mロードスター」は当初コンセプトモデルだったが、大方の予想を裏切り翌年1997年秋の東京モーターショーでは驚きをもって市販型がデビューを果たし、そこに並べられていた衝撃のモデルが「Mクーペ(E36/8)」のコンセプトモデルだった。この「Mクーペ」は「Z3ロードスター」のプラットフォーム開発の責任者ブルクハルト・ゲッシェルを先頭に5名のエンジニアが、仕事時間外に自分達自身が理想とするドライバビリティを持つモデルとして作り上げたモデルといわれている。水平に伸びる長いシューティングブレークの様なルーフラインが特徴となりハッチゲートが付けられ、マッシブなフェンダーと付き突き出したエアダムをもつ一度見たら忘れられない独創的なデザインとなる。「Mロードスター」をベースとしたクローズドモデルとなるが、リアからの眺めは大きく張り出した左右のフェンダーと、中央に寄せられた4本出しの低い位置のマフラーにより迫力あふれるスタイルは強い個性を感じさせるモデルとなっている。空力よりもデザインを重視して製作されたこのクローズドルーフモデルのボディ剛性は「Mロードスター」に比べ飛躍的(2.6)に高められ、捩れ剛性は2倍にまで高められている。「Mロードスター」と同様に「M社」による強力な直列6気筒エンジンが搭載され1998年から販売された「Mクーペ」は、パワートレインとサスペンション・ユニットはドイツ本国で組み立てられ、ベーシックな直列6気筒・2.8エンジン搭載の「Z3クーペ2.8」とともに北米スパータンバーグの工場で生産された。ヨーロッパで販売されるモデルは大西洋を渡り2002年迄生産され「Z3」の「クーペ」モデルの生産台数は17815台となっている。今回入荷した1999年型「BMW Mクーペ」に搭載されるエンジンは、BMW製エンジンを代表するシルキーシックスとよばれる水冷直列6気筒DOHC24バブルエンジンで、E36型「M3クーペ」と同様「M社」により開発されたS50B32型エンジンとなる。ボア×ストローク86.4mm×91.0mmから3201ccの排気量を得るこのエンジンはデュプレックスチェーンにより駆動され、アルミ製のヘッドにはダブルVANOSとよばれるバルブタイミングとリフト量の可変機構を吸排気カムシャフトに採用され、ミッドシップモデルの「M1」に搭載されるM88型エンジンを彷彿とさせるレスポンスに優れた6連スロットルを装備している。ボッシュ製燃料噴射装置と11.3の圧縮比から、最高出力321馬力/7400rpmと最大トルク35.7kgm/3250rpmを発揮し、この数値だけ見ると高回転型のエンジン特性を想像するが1500rpmですでに最大トルクの8割を発生するという柔軟性をもつエンジンでもある。本来なら4気筒エンジンが搭載されるエンジンルームにバルクヘッド側に寄せて搭載される為、スペース上の理由から「M3クーペ」と同じ6MTは搭載出来ずゲトラグ製の5MTのみが組み合わされている。トラクションコントロールやスタビリティコントロールの設定は無く、リアディファレルシャルにはロッキングファクター25%のドレクスラー製LSDが装備され、パワーデリバリーはドライバーのみに任されたまさに究極のドライビングマシンとよぶに相応しいモデルとなっている。足回りは、フロントにマクファーソン・ストラット式/コイル、リアにはE303シリーズのコンポーネントが流用されたセミ・トレーリングアーム式/コイルが採用され、前後ともにスタビライザーが装備される。今回入荷した車両にはH&R製とビルシュタイン製ハイパフォーマンスショックアブソーバーを組み合わされて装備、軽量なパイプ式スタビライザーに変更されるカスタマイズが施されている。ABSを備えたブレーキは、フロントに315mm径、リアは312mm径のベンチレーテッドディスクが採用され、前後ともにシングルピストンのフローティング式キャリパーが組み合わされている。今回入荷した車両には、前後それぞれ332mm径、328mm径の2ピースタイプのドリルドベンチレーテッドディスクに交換され、ブレンボ製4ポッドキャリパーを組み合わせたグレードアップが図られている。ホイールはフロント7.5J×17インチ径、リア9J×17インチ径サイズが装備され、それぞれ225/45ZR17、リア245/40ZRサイズのタイヤが組み合わされている。今回入荷した車両にはフロント8.5J、リア9.5J幅となる、ボディカラーとコーディネートされた18インチサイズのレイズ製ボルグレーシング軽量鍛造ホイールが装備され、フロント225/40ZR18、リア255/35ZR18サイズのタイヤが組み合わされている。インテリアは、ブルーとブラックのコンビのレザーが採用された専用のものとなる。ステアリングホイールを通してドライバー正面のメータークラスターには、左側に280km/hまでのスピードメーター、右側には「M coupe」のロゴのある8000rpmまで刻まれたタコメーターがレイアウトされ、このふたつの大径メーターの左右には小径の燃料計、水温計が置かれている。これらの4連メーターとMモデル専用装備となるシフトノブ前方のセンターコンソール下部の時計、外気温計、油温計からなる3VDO製メーター、空調ダイヤル、シフトブーツ周りにはクローム製の縁取りが施されアクセントとなっている。専用デザインとなる2脚のバケットシートは、ブルーとブラックのコンビレザーで覆われ有機的な形状となり、スライドと上下の調整は電動式となる。楕円形ルームミラーはMモデル専用デザインとされ、ドアミラーにも同様のデザインが施されたものが装備されている。オリジナルではエアバックを備えるコンビレザーの3スポークステアリングが装備されるが、今回入荷した車両にはシンプルなデザインのアティべ製360mm径の3スポークステアリングが装備されている。ABC3つのペダル類とフットレスト、シフトノブはACシュニッツァー製にカスタマイズされ、Bピラーから後方に向かって同社製リアシェルフブレースバーを装備することでモノコックボディの更なる剛性アップが図られている。全長×全高×全幅は、4025mm×1740mm×1280mm、ホイールベースは2459mm、トレッド前1422mm、後1494mm、車両重量1410kgで「Mクーペ」の新車時販売価格は730万円、同じエンジンを搭載したE36型「M3クーペ(6MT)」の価格は733万円(1999)となっている。「Mロードスター」が15322台生産されたのに対し「Mクーペ」は1112台のみが生産され、BMWの量産車としてはたいへん希少なモデルとなる。最小回転半径は4.7m、燃料タンク容量は51、前後重量配分は理想的な52:48となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速5.4秒、01km加速24.4秒、最高速度はリミッターにより250km/hに制限されている。カーグラフィック誌による実測テストでは、ほぼ同じ車重をもつ「Mロードスター」による記録が残され0100km/h加速5.4秒、0400m加速13.4秒、01km加速24.4秒、最高速度253km/hとなっている。同誌による、同型エンジン搭載のE36型「M3クーペ」の6MTモデルのテストデータは、0100km/h加速5.8秒、0400m加速13.9秒、01km加速25.1秒となり、これを凌ぐ記録をもって究極のドライビングマシンを実証してみせている。Mクーペ」の4mを僅かに超えるコンパクトなボディは、その独創的なボディデザインにより、ボディの大きさを遥かに超える存在感を印象付け、何者にも似ていない独自性は発表時から経過した時間すら忘れさせるインパクトをもつ。それをさらに際立たせる様に、シュニッツァー製のエアロパーツと、エアロスリットを多く持つハルトゲ製の軽量ボンネット、インチアップが施され程良く落とされた足回りによりフォルムは更に際立つものへと進化している。近づいてみると改めて低い車高と、後輪に近いドライバーズシートの位置と長いボンネットの関係が良くわかる。ドアを開きドライバーズシートに腰を下ろすと、クロームの縁取りによる装飾はスペシャルなモデルという雰囲気を感じさせるがエンジンを始動すると、そのサウンドによりスペシャルなモデルからスポーツモデルへと一瞬でイメージが変化する。ドライバーにある種の緊張感が伝わるのは、このコンパクトなボディのフロントにリッターあたり100馬力オーバーの珠玉のエンジンが搭載され、そのパワーを委ねられていることによる。クラッチを踏んでギアレバーを1速に送り込み、クラッチをゆっくりとエンゲージすると豊かな低速トルクにより「Mクーペ」はスムーズに動き出す。低速域では扁平率の高い太めのタイヤと硬めの足回りにより、路面の凹凸に翻弄されるがシートに近い後輪の動きはスムーズに感じられ、その根本となるボディのしっかり感がとても良くわかる。ステアリングホイールを回して長いノーズの軌跡を確認しながら、少しずつエンジン回転を上げてみると、スロットルワークに対してエンジンのレスポンスは6連スロットルによる軽快感が強調され、スポーツモデルらしい一体感が楽しめるものとなる。スムーズな中にも高性能エンジンならではの息づかいを感じさせるS50B32型エンジンの持ち味は、30006500rpmという中速域に実に生き生きとした感触として現れている。「Mクーペ」を楽しむ為に軽く節度感に富んだシフトを駆使しながら、トルク溢れるこの回転域にレブカウンターの針を留めておきたくなる。このエンジンに対応した足回りは、強力なトルクを受け止めるべく強化されているが、硬すぎる事なくしなやかにバネ下を動かすことにより、安定した接地性が確保されている。そのボディのプロポーションとマッシブなリアタイヤからリアの接地荷重の不足が危惧されるが、ここで改めて思い知らされるのがセミトレーリングアーム式サスペンションを知り尽くしたBMWによるセッティング。それはトラクショントラクションコントロールやスタビリティコントロールが設定される以前のハイパワーFRモデルのドライビングを存分に楽しめる内容をもつ。「Mクーペ」のドライビングポジションはリア・アクスルに近く、こうする事でアクセルの踏み込み量に対してリニアに伝わるリアタイヤのトラクションの変化を検知しやすくなり、ドライバー自身がエンジンパワーを自在にコントロールする古き良き時代からのドライビング感覚が引き継がれたものとなる。洗練度の高いステアリングは正確なレスポンスを示し、基本的には軽いアンダーステアに徹したオン・ザ・レール感覚のコーナリングに終始する。同型エンジンを搭載したE36型「M3クーペ」が長めのホイールベースと50kg重い車両重量によりGT的な味付けとされる中、ホイールベースが短くボディ剛性の高められた「Mクーペ」はピュアスポーツとよぶに相応しい仕上がりとドライビング感覚を見せる。ダイムラー・ベンツとクライスラーの合併や、フォルクスワーゲンとBMWによるロールスロイスの争奪戦、アウディによるランボルギーニの買収などが行われていた時代を背景として開発された「Mクーペ」。自社のコンポーネンツを上手く使った少量生産モデルであっても、ドライブする楽しみを追求したモデルという意味に於いても、独創的なデザインを見ても「Mクーペ」は色褪せる事なく現代でも存在感を示し続けている。地球環境保護の為の様々な規制に囚われる事無く純粋に楽しめるスポーツモデルが開発出来た最後の世代となる「Mクーペ」は、古き良き時代から続くFRMTというオーソドックスな手法を用いて開発された希少なモデルとなる。独創的なボディデザインとオーソドックスなハイパワーFRのドライビング感覚からなる「Mクーペ」の強い個性は、どんなモデルの中にあってもけして埋もれることなくその輝きが褪せることは無くドライバーを楽しませ続けることだろう