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700
万円
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メーカー
ローバー
ミッション
オートマ
グレード
エディション限定車
ボディタイプ
外装色
エプソムグリーンメタリック
年式
1995.0 年型
走行距離
120500km
乗車定員
5.0 名
サイズ
長 447.0 cm 幅 182.0 cm 高 176.0 cm
エンジン形式
排気量
3940.0 cc
馬力
180
トルク
31.8
車検
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラウンレザー
燃料区分
ガソリン
幌色

ボディ、内装、ウッド廻り、機関関係全て総合点検、整備済車両(リフレッシュ費用総額¥3.744.820)


1970年発表された「レンジローバー」はプレステージ四輪駆動というジャンルを初めて作り上げた。その成功に対して他メーカーが各社開発に取り組む中、レンジローバー開発のプロジェクト担当チーフエンジニア、チャールズ・スペンサースペンキング(ランドローバー創業者の甥)は当初から「高級な装備をした砂漠のロールス・ロイス」を設計したわけでは無かった。開発陣が求めたのは、世界最高峰の快適な全天候型多目的用途車だった。1948年から「ランドローバー」を造り続けていた事によりクロスカントリービークル(CCV)を熟知していたローバー社は、豊富な経験を生かして、新ジャンルのオフローダーを手がけようとしていた。スペンキングが掲げた、新しいジャンルとはフォーマルなローバーサルーンが備える快適性と走行性能にランドローバーが培ってきたオフロード性能を融合させたものだった。スペンキングはイメージにあるラフロードを快適に走る為に、必要なメカニズムには惜しげもなくコストを投じた。それは長い間研究を続けてきたフルタイム4WDシステムや、この機能を最大限に引き出す為のコイルスプリングを用いたリジット式サスペンションだ。強固な閉断面鋼材によるラダーフレームやアルミボディは全て専用となり、オンロードでの高速快適性を確保した上で、160km/hクルーズを可能とする為に4輪ディスクブレーキを装備した。エンジンはGM傘下のビュィック製をベースとする、ローバーP5サルーン用アルミ製V8気筒の3.5リットルエンジンとし、出力特性をオフロードを考慮して160馬力からより低速重視となる135馬力/28.5kgmとした。アルミボディは軽量と強さを追求し横転時の安全性を考えたロールケージ構造を採用した。ボディパネルはボンネット外皮とテールゲートが鋼板製で残りはアルミ製となる。レンジローバーが販売されると世界の自動車メーカーが既存のCCVとは比較にならない程の、贅沢なメカニズムとオフロードでの高い走破性、オンロードでの高速性、そして快適性に驚愕した。更にいかにもCCV然としたランドローバーとは異なるエクステリアデザインには、デザイナーは存在せず、マーケティング的な目論み無しに機能性を追求した結果、直線基調のシンプルな品格あるスタイルが生まれたと言われている。このデザインに新たな顧客が惹きつけられ、ルーブル美術館が1971年に「工業デザインの模範的作品」として、唯一展示する事となった。発売当初の価格は一台でCCVから乗用車まで何役もこなせる万能性を考えれば安価であると評価された。レンジローバーに「ステータス感」を与えたのはランドローバーを愛用してきたエリザベス女王陛下からの借用依頼だった。英国王室伝統のグリーンに塗られ、シート・フロア・ラゲッジルームまで上質な内張が施された、女王陛下の仕様は市販型にも反映される様になった。2ドアモデルのみだったボディバリエーションは1981年に4ドアモデルが加わり、翌1982年にはオートマチックギアボックスがオプション設定された。1987年、いよいよ北米市場で販売が始まると瞬く間に世界規模でのレンジローバーブームが巻き起こる。日本市場には1989年以降、上級モデルの「ヴォーグSE」がローバージャパンにより輸入販売された。「レンジローバーファイナルエディション」に搭載されるエンジンはボア・ストローク94mm×71mmでの3947ccの排気量をもつ、オールアルミ製水冷V8気筒OHVとなる。電子燃料噴射装置を備え、180馬力/4750rpm31.8kgm/3100rpmのトルクを発揮する。組み合わされるトランスミッションはZF4速オートマチックとなる。足回りはフロント、リーディングアーム式、リア、トレーリングアーム式でそれぞれにスタビライザーを持つ。豊富なストロークを持つサスペンションは、コイルスプリングの代わりにEASと呼ばれるエアサスが組み込まれ、エア圧をECUにより常時100分の1秒毎に車高を感知し調整している。キャビンのスイッチで任意に操作可能な機能はハイプロファイルモード(35mph以下で40mm車高が上げられるオフロード用)とアクセスモード(エンジン停止後20秒以内に60mm車高が下げられる乗降およびラゲッジ用)となる。他は自動制御となる、スタンダードモード(従来のコイル版と同じ車高を保つモード)、ロープロファイルモード(80km/h以上で20mm車高を下げる)、エクステンディットモード(ボディが地面に接地すると70mm車高を上げる)、を持つ。ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスク、リアにディスクを備え、ABS付きとなる。タイヤサイズは4輪とも205R16(日本仕様は205R16MS)となり「ファイナルエディション」には純正5スポーク16インチアルミホイールが組み合わされる。インテリアは、レンジローバー伝統のコマンドポジションとなり、シートに腰をおろすとその言葉の意味がわかる。ダッシュボードだけでは無くサイドウィンドウ下部の位置も低く設定され全方向見晴らしが良い。ステアリングは皮巻きとなり、運転席、助手席ともにエアバックを備える。コノリーレザーをふんだんに使用したシートは電動調整機能が備わる。毛足の長いカーペットと上質なレザーと組み合わされる磨き込まれたウッドパネルはジェントルな空間を演出する。センターコンソールにはシフトレバー前方にトランスファー・レバーが備わる。リアドアのサイドウィンドウは構造上、半分しか降ろす事が出来ないが1020を誇るカーゴ・スペースには上下2分割されたリアゲートにより狭いエリアでもアクセスしやすい。ドライバーシートの上にはサンルーフが備わり、オーディオはハーマンカードン製スピーカーが装備される。全長×全幅×全高は4480mm×1820mm×1790mm、ホイールベースは2540mm、トレッドは前後ともに1490mm、燃料タンク容量は81リットルで、車重は2040kgとなる。1994年に2世代目レンジローバーがデビューしてからも「クラッシック」の名前で1996年まで生産され併売されていた初代レンジローバーは総生産台数317615台にもなる程、長い間世界中で親しまれたモデルとなる。「レンジローバーファイナルエディション」には専用のボディ同色となるワンピースの大型前後バンパーが備わる。角張った大柄ボディのイメージも、販売当時とは異なり寸法的にはそれ程大きくは感じられず、丸目2灯となるシンプルな顔つきは初代レンジローバーならではのクラッシックなものとなる。ステアリングの切り始めや4ATの変速の瞬間にダルな一面も感じさせるが、現代のSUVに無い重厚な質感と、スピードに乗ると顔を覗かせる軽快ともいえるドライバビリティが同居する特徴を持つ。オン・ロードと寸分かわらぬ乗り心地の良さをもってオフ・ロードにおいても呆れる程の走破性を隠し持つレンジローバーのドライブ感覚は、エアサスにより特有のユラリとした動きが少なく、終始フラットな姿勢が保たれる。コマンドポジションと呼ばれる高めのドライビングポジションからの視界は良好で、スクエアなボディと合わせてフラットなボンネット両端には小さなノッチがデザインされている為、見切りがしやすくドライビングの強い味方となる。また最小回転半径が5.64mというのも取り回しやすさを後押ししている。シンプルなエクステリアデザインとその佇まいの良さは、持つ人のライフスタイル全般に影響を与えるパワーをいまだに備え、その人気は新たな世代にまで波及している。2017年にランドローバー社はリボーンと題して初期レンジローバーを10台レストアして販売した。これをきっかけにエバーグリーンカーとしての存在が更に強まっていると思われる。