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ポルシェ911カレラ
カブリオレ
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メーカー
ミッション
マニュアル
グレード
カブリオレ
ボディタイプ
外装色
ガーズレッド
年式
1987 年型
走行距離
45.900km
乗車定員
4 名
サイズ
長 430 cm 幅 165 cm 高 135 cm
エンジン形式
排気量
3164 cc
馬力
225
トルク
27.3
車検
令和9年7月
ハンドル
左
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色
ブラック
1963年、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(ブッツィ・ポルシェの愛称でよばれるフェルディナント・ポルシェの孫)によるデザインを纏ってその歴史をスタートした「ポルシェ911」。1963年のフランクフルトショーでデビューした「901」という車名をもつプロトタイプに続き、翌年から量産される「0シリーズ」から「ポルシェ911」と車名を改めて、伝説の「ナナサンのカレラ」といわれる1973年型「カレラRS」が含まれる「Fシリーズ」の時代までが「ナロー・モデル」とよばれる世代となる。1974年になると、当時、最大の輸出国であったアメリカ合衆国の、連邦自動車安全基準(FMVSS)の中の新しい衝突基準に対応して、前後に大型の5マイル・バンパー(フロント側5mph=約8.5km/h、リア側3mph =約4.8km/hの速度で衝突に際しヘッドライト、テールライトを含む灯火類と給油装置に損傷を受けない様、ショックを吸収出来るバンパー)と呼ばれるモダンなデザインのバンパーが取り付けられ、それにあわせて前後フェンダーもリデザインされたモデル「Gシリーズ」が発表される。この「Gシリーズ」登場以降1989年に「911」シリーズが、タイプ「964」型にフルモデル・チェンジするまでの、長きに渡って用いられたこのバンパーを装備するモデルが「ビック・バンパー」の愛称でよばれた世代となる。ポルシェは「356」の時代からバンパーには強いこだわりをもち、登場時から既にボディと同色に塗られたカラードバンパーが採用されていた。各自動車会社のデザイナー達が衝突安全基準に対応する為に頭を悩ませる中で、ポルシェはボディとの一体感を考慮しながら規制をクリアするバンパーを完成させている。「911」の5マイルバンパーは、ヨーロッパ仕様ではシンプルな収縮式となるが、北米仕様では油圧ダンパーを内蔵し衝撃を吸収する仕組みとなっている。衝撃を吸収するストローク部分には蛇腹のブーツを使ったデザインが採用され、他社の多くのモデルに影響を与える事となった。1960年代頃のモダンデザインの基本は「形態は機能に従う」となるが、それが1970年代頃のポストモダンの時代を経て1980年代後半頃から「形態は、それが何を意味するモノであるかを示す」という考え方が工業デザイン界に広まりを見せていた。これはセマンティック・デザインとよばれるもので「911」が装備する「ビックバンパー」や「ターボウィング」等のデザインの発想はこれを先取りするものと言えるのかもしれない。「Gシリーズ」登場時、搭載されていたエンジンは2.7ℓ・フラット6エンジンであったが、厳しさを増す排ガス規制により「ポルシェ911」らしい性能を維持する事に翳りが見え始めると、再びアドバンテージを取り戻す為に1978年、新型となる3.0ℓ・フラット6エンジンを搭載した「911SC」が発表される。この時、搭載エンジン変更にともないタイプ名もそれまでの901型から930型とされ、新型3ℓ・フラット6エンジンは「カミソリのような鋭さをもつエンジン」と高く評価された。この「911SC」が生産されていた時代、ポルシェ社の社長だったエルンスト・フールマンは、ポルシェ社としては初めての赤字転落の責任をとり任期を一年残して辞任を発表。ポルシェ社オーナーのポルシェ・ファミリーと「928」の存在をめぐり、考え方の違いも原因のひとつであったといわれている。フールマンは「928」を、主力モデルの「911」の後継モデルと考え、ポルシェファミリーは「928」を後任とするには、ボディが大きくラグジュアリーに過ぎると考えていた。「928」は新たな顧客を引き込みながら、一日に20台が生産され、このクラスのモデルの販売台数としてみれば最大規模となっていた。しかし一日に40台が生産されていた「911」の生産台数を覆えす程とはならず「911」の真の後継車とは言いがたい状況の中で、ポルシェ社では共通性を持たない車種の並行生産が強いられ、生産効率を上げることを出来ずにいた。フールマンの後を継いで、1981年から87年までポルシェ社を率いたペーター・シュッツは、フェリー・ポルシェに直々に任命されたアメリカ系ドイツ人で、それまでは米国キャタピラー社でディーゼルエンジンのエンジニアを務めていた。ポルシェファミリーの意向をくんで、ポルシェ社の経営再建を図る中で「911」が持つ高いブランド性にいち早く注目し「928/924」による”新世代のFRポルシェ“を主力とする路線から、伝統の「911」を中心とする商品展開に軌道修正を図った。それを示す様に開発された一台が、1981年フランクフルトショーでデビューした「911ターボ・カブリオレ・スタディ」となる。このモデルは、前後フェンダーがフレアした「ターボ・ボディ」が採用されていたが「911」をベースとして、新たに「4WD」とフルオープンの「カブリオレ」ボディが提案されていた。「4WD」はフロアパンの再設計が必要な為、開発を継続とされたが「カブリオレ」は、かつての「356ロードスター」を製作したチームにより8週間で伝統の「911」のボディを魅力溢れるオープンボディに仕上げることに成功する。ポルシェ社はこれまで世界的な安全論とボディ剛性に配慮して「911」シリーズには敢えてフルオープンモデルはラインナップせず、太いステンレス製のロールオーバーバーを備えた「タルガ」をオープンモデルとして位置付け、独特のスタイルをもって「911」に個性を与えてきた。しかし窮地に追い込まれた財政事情からの脱却を図る為、再びメインマーケットとなる北米市場での販売拡大を目論み18年ぶりにオープントップモデルがラインナップに加えられ、1982年「911SCカブリオレ」として市販に移される事となる。ポルシェ社によるはじめての量産モデル「356」では、1965年までに7万8千台が生産され「ロードスター」や「カブリオレ」、「スピードスター」など魅力的なオープンモデルを合わせるとシリーズを通しておよそ3割にも達するといわれている。ポルシェ社はこれらのモデルを軸とながら、メインマーケットとなる北米での不動の人気を獲得してきた歴史をもっている。オープンモデルは屋根が無い事で軽量化と低重心化を図る事が出来、風を浴びて走れる事とボディ構造上エンジンやエキゾーストの音がより明確にキャビンに侵入する事により、スピード感を得やすくスポーツカーにとっては理想的なボディ形状のひとつとなっている。ペーター・シュッツを社長とした事で、ポルシェ社は「カブリオレ」ボディを「911」シリーズに加え引き続きスポーツカーとしての「911」を造り続けながら、モータースポーツにも積極的に関わり続ける事となる。そして「911SC」シリーズの最後には同じ3ℓの排気量をもつ空冷フラット6エンジンに、専用カムシャフトとボッシュ/クーゲルフィッシャー製のメカニカル燃料噴射装置を装備、圧縮比を高めることで255馬力を発揮するエンジンを搭載し、車両重量960kgの軽量ボディによるラリー参戦を目的とするグループB規定のホモロゲーションモデル「911SC/RS」を21台作成するに至る。このモデルは1984年のERC(ヨーロッパ・ラリー選手権)に於いて、英国を拠点にオペルでラリー活動を行い、後にスバルでWRCに参戦する、プロドライブの創設者デイビット・リチャーズによってロスマンズカラーを纏って参戦。ヘンリ・トイボネンのドライブによりシーズン中盤まで5連勝の大活躍を見せドライバーズランキング2位を獲得し、モータースポーツシーンでの「911」の活躍を強く印象付ける働きをみせた。︎この「911SC」シリーズの活躍により再びポルシェ社の主力として返り咲きを図る「911」は、1983年9月の第50回フランクフルトショーで、後に「911」のスペシャルモデルとして限定生産される「959」のプロトタイプとして出品された「グルッペB」とともに「911カレラ3.2」という新型へとリニューアルされる事となる。この進化に伴いエクステリアではバンパー下に角型フォグランプをビルトインしたフロントスカートが採用され、リアのエンジンフードには車名の「Carrera」のエンブレムをレイアウトするが、基本的なフォルムは1963年にデビューした時と変わらないデザインが20年の時を経て継承されている。クーペモデルには「928」と同じテレフォンダイヤルタイプのデザインを持つキャストアロイホイールが装備され、伝統のFUCKS製アルミ鍛造ホイールはオプション扱いとされている。同時にラインナップされた”タルガ“と「911SC」シリーズからラインナップに加えられた”カブリオレ“には、見慣れたFUCKS製の5本スポークホイールが採用されている。同じ1983年、10月末の第25回東京モーターショーでは「944」「928S2」と共に展示された「911カレラ3.2」を前にペーター・シュッツは「3.2ℓの新しいエンジンを搭載した911のパフォーマンスは、ナナサンのカレラ(1973年型カレラRS)のスペックを凌ぐものとなった。そこで356以来、伝統的にシリーズ最高性能モデルに付与してきた”カレラ“の名前を1984年型911に冠した。このモデルは”カレラ“の名前に充分値するモデルと確信している」とコメントした。以降「911」と「カレラ」の名称が、ひとつの車名として用いられる様になった。︎今回入荷した1987年型「911カレラ3.2カブリオレ」に搭載されるエンジンは、それまでの「911SC」用3ℓエンジンからストロークが4mm延長された空冷水平対向6気筒SOHC12バルブとなる。このエンジンのボア×ストロークは95.0mm×74.4mmとなり3164ccの排気量を得る。日本に正規輸入されるモデルは、9.5の圧縮比とボッシュ製電子制御式Lジェトロニック燃料噴射装置により、最高出力215馬力/5800rpm、最大トルク26.0kgm/4800rpmを発揮するが、本国仕様のモデルに搭載されるエンジンでは圧縮比を10.3に設定し、最高出力231馬力/5900rpmと最大トルク28.6/4800rpmとしていた。このパフォーマンスの差は、触媒レスのヨーロッパ仕様に対して、53年規制をクリアする為、三元触媒とO2センサー、そして低い圧縮比によるものだった。今回入荷した1987年型からヨーロッパ仕様にも三元触媒が採用された事により、正規輸入モデルのエンジンの圧縮比も10.3に高められ、最高出力225馬力/5900rpm、最大トルク27.3kgmまでパワーアップが図られた共通スペックとされている。これに伴いクラッチは油圧式に改められ、組み合わされるギアボックスは、長きに渡り「911」の代名詞とされた「冷えたバターを熱いバターナイフでかき回す」等、独特のフィーリングで親しまれたポルシェ社製シンクロメッシュが使われた「915型」から、より一般的なフィーリングをもつボルグワーナータイプのシンクロメッシュを使ったゲトラグ社製「G50型」の5速MTに換装されている。シフトストロークがやや短くされ一般的なフィールを得たことから操作性、耐久性が高められ、生産終了となる1989年型まで採用されている。シフトパターンの「リバース」の位置は、「915型」の一番右列の手前側(5速トップの向かい側)から、1-2速が向き合う左列から左奥へ飛び出したポジションに変更されている。このクラッチとギアボックスの変更は、古くからの「911」オーナーにとっては慣れるまで少し違和感を覚えるかもしれないが、初めて「911」をドライブするオーナーにとっては、より親しみやすいフィーリングと感じられ新たなオーナー獲得にも繋がった。足回りは、フロント・マクファーソンストラット式、リア・セミトレーリングアーム式となり、フロント18.8mm径、リア25.0mm径(911SC〜1986年生産の3.2カレラまでは18.8mm/24.1mm径)のトーションバースプリングが組み合わされている。ショックアブソーバーはビルシュタイン製ガスダンパーが採用され、スタビライザーは、1986年型以降フロントに22mm径、リアには21mm径のものが装備されている。ブレーキは、フロントに282.5mm径×24mm、リアには290.0mm径×24mmサイズのベンチレーテッド・ディスクを装備し、耐フェード性能が高められている。このブレーキディスクには、Ate製のフロントには48mm径、リアには42mm径の対向2ピストン鋳鉄製キャリパーが組み合わされている。ホイールは純正のFUCKS製アルミ鍛造となりフロントに6J×16インチ、リアには7J×16インチサイズが装備される。組み合わされるタイヤはフロント205/55VR16、リア225/50VR16サイズとなっている。︎インテリアは「911カレラ3.2」が発表された頃には「911SC」と同じデザインの3スポークステアリングが装備されていたが、1986年型からホーンパッド部分が大型化された4本スポークタイプに変更されている。そのステアリングを通してドライバー正面には、一際大型のレブカウンターを中央に配した5連メーターが並ぶメータークラスターがレイアウトされている。この光景は「ポルシェ911」登場時から「911カレラ3.2」を経て、後継モデル「964/993」型へと空冷エンジン搭載モデルに継承されるもので、メーター類が全てVDO製となるのも共通。レカロ製のレザー張りとなるハイバック型シートは、電動調整機能が内蔵され微細なドライビングポジションの調整が可能となっている。ペダル類は床から生えるオルガン式となり「911」ならではの独特な操作感をもつ。フロントシートの間には室内送風ファンスイッチが装備され、空調風量をエンジン回転数に頼る事なく安定して得られる様になっている。クーラー調整機能はシフトレバー前方に独立してレイアウトされている二つのダイヤルに集約される。リアシートは、クーペモデルと同様に完全なプラス2シートとなり大人が長時間乗車出来るスペースは確保されていない。荷物用、子供用として便利なスペースとなっている。幌はドイツ製カブリオレの常でガッシリとした造りで、金属製の骨組みと3層構造の生地による2ピースのものが使われ、1987年型「911カレラ3.2カブリオレ」から日本仕様では電動式の幌が標準装備されている。幌をフロントウィンドウ上縁のキャッチにガッチリと固定するロックまでもがスイッチひとつで操作可能となる。今回入荷した車両のトップは、オリジナルと同等の生地を使った1ピースのもの変更を受けている。リアスクリーンは軽量なビニール製となるが、堅牢なトップは幌骨の効果的な構造により高速時にも充分に対応し、古くからのポルシェのオープンモデル生産の技術とノウハウが活かされたものとなり高い実用性をもったものとなる。
︎全長×全幅×全高は4300mm×1650mm×1350mm、ホイールベースは2272mm、トレッド前1375mm、後1395mm、車両重量1280kgとなっている。最小回転半径は5.5m、燃料タンク容量は85ℓ、約2万台が生産された「911カレラ3.2カブリオレ」のうち、G50型ギアボックス搭載のディーラー車(1987〜89年)は166台とされ、新車時販売価格は1200万円(1987年)となる。メーカー公表性能値は0→100km/h加速6.3秒、最高速度は240km/hとなりクーペモデルと同値となっている。︎コンパクトなボディをもつこの時代の「911」の中にあって、今回入荷した「911カレラ3.2カブリオレ」はクーペと同様のシルエットをもちながらも、フロントスクリーン後方からリアクォーターを経てエンジンフードの上までキャンバス製の幌で覆われたデザインとなっている。見慣れたクーペモデルに比べると、ボディカラーがウェストラインで区切られる事から、ボディが低く薄く見える印象となっている。黒く塗られたドアノブを握りドアを開いて、低く置かれたシートに腰を下ろす。ドアを閉めると「金庫の中に閉じ込められた…」と例えられる密閉感はクーペモデルに比べると若干劣る様にも感じられるが、硬質な響きを伴うところから他のオープンモデルとは異質のしっかりとした印象を受ける。ヘッドルームも充分にとられ幌を付けた状態でも、穴倉に潜り込んだような閉所感は抱かずにスポーツカーらしいキャビンと感じられる。ヘッドライトから続くフロントのフェンダーの峰も「911」ならではとなり、細く立ち気味のピラーによる前方の視界は開けている。しかしリアクォーター部分には幌の形状により視界が遮られるエリアが存在する。ドライビングポジションを確認し、左手でキーを捻ると、空冷フラット6エンジンは即座に唸りを上げる。少し足応えのあるクラッチを踏んでしっかりとしたフィールのギアレバーを1速に送り込む。ゆっくりとクラッチをエンゲージすると、充分な低速トルクにより難なくスタートする事ができる。タウンスピードに於いてもコンパクトなボディにより取り回しに苦労する事無く、流れに任せてスピードをコントロールして行ける。空冷エンジンのサウンドはオープンモデルの為、クーペモデルに比べよりダイレクトにキャビンに届けられるが、けして耳障りなものではなくその迫力を漲らせながら存在感をアピールする。路面の荒れた部分を通過しても余計な振動やキシミ音に見舞われる事なく、やや硬めのスポーツモデルらしい乗り味に終始する。2000rpm以上の回転域からエンジンは即座にレスポンスし始め、3500rpmあたりからは力強さを増して行く。5000rpmを超えると一段とパワーを感じさせながら6300rpmからのレッドゾーンに向けて吸い込まれる様に鋭い吹け上がりを見せてくれる。後方から届くバランス良く吹け上がるエンジンの咆哮は、クリアかつダイレクトにドライバーに届けられ、その加速力により身体はシートに押し付けられながら「911」ならではのトラクションを強く感じさせるものとなる。こうした場面に於いても、オープンモデルによるネガは感じられず、スカットルシェイクやボディの捩れによるキシミ音の発生感じられない。如何にベースとなった「911」のモノコックボディがしっかりとした造りとなっていたかが想像出来る。高速を走行してもワインディングロードを走らせても、ハンドリングに関してオープンボディゆえの弊害は感じられず、路面のフィールを不足なくドライバーに伝えてくれるものとなり、ステアリングを切り込んだ時の手応えや反応に甘さを見せずに低いノーズは狙った通りのラインをトレースしていく。「911」ならではのストッピングパワーを発揮するブレーキ、リアタイヤに於けるトラクションともに充分に力強さを感じさせるものでクーペモデルに迫る執拗さで路面を捉え続ける。「911カレラ3.2カブリオレ」は、確実なフットワークによりドライバーの期待に応える「911」が継承してきた高いドライバビリティを維持しながら、トップを開ける事により日本では数少なくなってきたオープンカー日和には、絶大なる開放感を伴うオープンエアモータリングが楽しめるモデルとなっている。オープンにして走りだすと、その爽快感は「タルガ」ボディを凌ぐものとなり、スポーツカーを操る楽しみのひとつとしてサウンドを重視するドライバーにとっては、特徴的な空冷サウンドが後方からストレートに耳に届くのは至福の時間となるだろう。フロントウィンドウの丈が高めな為、オープンモデルとしてはキャビンに侵入する風は最小の部類となり、60km/hまではキャビンは平穏に保たれ80km/hでも風の巻き込みは最小限で、サイドウィンドウを上げればハイウェイ・クルーズも可能となる。都市部を少し離れて澄んだ空気の中をオープンエアで走行すれば、スピードを上げなくても充分な満足感を与えてくれるドライブを楽しむ事が出来るモデルとなっている。1964年から量産が開始された「911」は年を重ねる毎にレースでの勝利を重ねながら進化を続け、20年を大きく越える月日を経て1980年代終盤まで辿り着く。不変のモノコックや足回りの構造を維持しながら、安全対策を施して発表時2ℓだったエンジンは3.2ℓまで拡大し、ギアボックスも換装されてコンフォート性能を高めながらいよいよ完成の域まで進化を見せた。この歴史があるからこその「911」であり、スポーツカーのスタンダードとして現代に於いても輝き続ける存在感を放ち続けるモデルとなっている。その礎を築いた世代の「911」の集大成ともいえる世代の1987年型「カブリオレ」には、その本来「911」がもつピュアな精神が色濃く残されている。このモデルを手元に置いて走らせながら楽しめるという事は、クルマ好きにとっては”至福の人生“と言えるのかもしれない…