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CORNES クラシケ付き
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メーカー
フェラーリ
ミッション
マニュアル
グレード
CORNES クラシケ付き
ボディタイプ
COUPE
外装色
ロッソ
年式
1988.0 年型
走行距離
8800km
乗車定員
2.0 名
サイズ
長 428.0 cm 幅 175.0 cm 高 112.0 cm
エンジン形式
V型8気筒DOHC
排気量
3180.0 cc
馬力
260
トルク
29.5kgm
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

︎1975年にパリサロンでデビューを飾ったフェラーリ8気筒ミッドシップモデル「308」。「ディーノ246GT」の後継車として発表され、新開発による2926ccV8エンジンを搭載し、その後、人気のモデルとなったこのシリーズは1975年から1985年にかけて生産され総生産台数は約13000台にもなった。これはフェラーリが1947年に創業して以来「308」を生産するまでの、約30年間に生産された全フェラーリモデルの台数に匹敵する。「328」はこの「308」シリーズの最終進化型ともいえる、1985年にフランクフルトショーで正式発表されたモデルとなる。「328」シリーズのボディデザインはフェラーリの多くのモデルを手がけたピニンファリーナ社が担当。その中でも「ディーノ」や「デイトナ」「ベルリネッタ・ボクサー」などの黄金期のデザインを手がけたレオナルド・フィオラバンティによるものとなる。基本的にはベースとなった「308」のボディラインを継承しつつ、独立していたバンパー部分がボディと一体化された事などによって、よりモダナイズされた印象となった。コンビネーションランプに挟まれたフロントの格子グリルに跳ね馬のオーナメントが付くデザインは「ベルリネッタ・ボクサー」に通じる面影を感じさせる。またフェラーリ創業時から続いてきたクロームモリブデン製鋼管フレームを用いて、ボディ外皮を貼り付けていくという伝統の手法で組み上げられた最後のモデルでもある。この後のモデルとなる「348」「F355」はフロントからキャビンまで鋼板モノコック構造を採用、エンジンまわりに鋼管フレームが残るのみとなり「360モデナ」からはアルミフレーム構造に進化してしまう。その意味でも歴史的なクラシックフェラーリと同じ手法で造られたボディは、今となってはとても貴重な存在になる。︎搭載されるエンジンはF105C型と呼ばれるボア・ストローク83.0mm×73.6mmで、3185ccの排気量をもつアルミ砂型鋳造製の肉厚エンジンブロックを持つ90°V型8気筒DOHC32バルブとなる。当時マラネロの工場では、エンジニア2人で1チームとなり一基のこのエンジンを組み上げていた。鍛造材切削加工によるクランクシャフトをもち、使用されるピストンはマーレ製鍛造ピストンでピストントップ形状が見直され、ショートスカート型の軽量で耐久性に配慮された仕上がりとなっている。このピストンにより、それ以前のモデルとなる「308QV」の9.2から9.8という高い圧縮比を実現するとともに、吸気ポートも見直され、フェラーリのこだわりが感じられる手作業による研磨が施されたポート部分の造形をもつ。点火系は新たにマレリ製マイクロ・プレックスが採用され、これは「テスタロッサ」での実績が評価された事による」。燃料供給はボッシュ製Kジェトロニック機械式燃料噴射装置により最高出力270馬力/7000rpm、31.0kgm/5500rpm(高圧縮比でキャタライザー、エアインジェクションの無い欧州仕様の数値)の出力、トルクとなる。北米仕様やそれに準ずる日本仕様の場合、排ガス対策により260馬力/7000rpm、29.5kgm/5500rpmとなり、圧縮比も下げられている事まで考慮すれば、スペック差は、あまり大きなものではないかもしれない。組み合わされるトランスミッションは、フェラーリ自製の5速マニュアルトランスミッションとなり、ボルグ&ベック製9.5インチ径シングルプレートクラッチが採用される。クラッチはそれまでのワイヤー式から油圧式となり、その重さは大幅に軽減された。またディファレンシャルはZF製となり、LSD機構も組み込まれ40%のロッキング・ファクターをもっている。︎足回りはフロント・リアともにダブルウィッシュボーン式で共にスタビライザーを備える。ショックアブソーバーはマイナーチェンジが行われる1988年以前に生産された凹面型ホイールが付く前期型はフェラーリが長い間採用してきたコニ製が組み合わされる。シャーシNo.76626以降の凸型ホイールが付く後期型からは、ビルシュタイン製となる。このマイナーチェンジにより、フレームの改良が行われ前後サスペンションアーム取り付け部の左右幅が狭められ、これによりサスペンションアームが延長されジオメトリーも全面的に見直しが行われた。全ては更なる高速安定性とドライバビリティ向上の為と、4輪ABS(アンチロックブレーキ)取り付けが考慮された事による。ABSはオプション装備から始まり、シャーシNo.79177以降、標準装備となった。ブレーキはフロント275mm、リア279mmの4輪ベンチレーテッドディスクを備える。タイヤサイズはフロント205/55VR16、リア225/50VR16となりスピードライン製のホイールは前後それぞれ7J/8Jとなる。インテリアはメーターナセルの形状は維持されたが、メーター類のレタリングがオレンジ色に変更された。一新されたセンターコンソール部はスイッチ類からタンブラースイッチが一掃され、カラフルなバーグラフ表示を備えたモダンなデザインに変貌した。ドアアームレストのデザインも変更され、サイドブレーキがセンターからドア側に移設された。モモ製小径3スポークステアリングやクロームメッキされた長めのギアレバー、その根本のメタル製シフトゲートはフェラーリならではの装備ともいえるもので、そのまま残される。シートはよりホールド感が増し、リクライニングはダイヤル式からレバー式に変更となった。「328GTS」のSはスパイダーという意味を持つ、イタリア車のオープンモデルに使われる用語。イギリスでオープンカーをスピードスターと呼ぶが、欧州に広がるうちにスピーダーからスパイダーに変化したという説と、重心が低くくボディが上下に薄く見える事から、クモの様だという意味のスパイダー説がある。また小型のオープンの場合、イタリアではバルケッタ(小舟の意味)とする事もある。「328GTS」のタルガトップボディの出来の良さは、オープンモデルにありがちな、いわゆるスカットルシェイクという言葉とは無縁で、荒れた路面に遭遇してもセダンの様な落ち着いた反応で何事も無く通過出来る。これはモノコックボディとは異なる、フェラーリが長らく採用してきた鋼管フレームによるところが大きく影響しているからかもしれない。サイドウィンドウを上げておけば、風の巻き込みも無くサンルーフ並みに気持ち良く、背後からのエンジンサウンドも含めて、オープンを味わってしまうともはやトップを付ける気にはなれないかもしれない。乗り込んで初めに気付くのは、ペダルのオフセットで大きく右側にズレて配置されている。クラッチペダルを踏むと、旧世代のフェラーリを体験した事がある人は軽さに驚かされる。フェラーリならではの伝統のゲートに沿ってギアを1速に入れ、このクラッチをリリースすると、低回転からでもトルク溢れるエンジン特性により、思ったよりあっさりとスムーズに走り出せる。そこから徐々にエンジン回転を上げていくと4500rpmから上のエンジンノイズがミュージックに変化し始め、カン高いフォルテッシモを奏ではじめる。ノンパワーとなるステアリングも比較的軽めとなっていて、コーナーへの切れ込みも良く回頭性も高い。特別な技術を用いなくとも、面白い様にコーナーをクリア出来る。知らぬ間にペースが上りフェラーリの、ダイレクトでいて繊細な感覚に富む操縦性を体験すると、忘れられない感情の高まりを心に深く刻まれる事になる。︎全長×全幅×全高は4255mm×1730mm×1128mm、ホイールベース2350mm、トレッド前1485mm、後1465mm、現在のクルマたちの中ではとてもコンパクトに感じるサイズとなり「ディーノ」から始まったスモール・フェラーリ・シリーズの最終型に相応しい。車重は1236kg、328シリーズの生産台数は7412台となり328GTBが1344台、328GTSが6068台となる。メーカー公表性能値は0→100km/h加速6.4秒、0→400m加速14.3秒、0→1km加速25.7秒、最高速度263km/hとなる。カーグラフィック誌による1988年の実測データでは0→100km/h加速6.0秒、0→400m加速14.0秒、0→1km加速25.4秒、最高速度253.9km/hとなっている。新車時価格1587万円。フェラーリのフレーム車体構造は、左右のサイドシルとセンターコンソール下に前後方向に平行に3本の楕円断面を持つ、太いクロームモリブデン鋼(クロモリ鋼)によるパイプを使ったメインフレーム+前後サスペンションやパワートレイン、ラジエーターなどを抱える様に組まれた角断面サブフレームが主体となっている。それに細いパイプが溶接されフェンダーやバンパー、その他のボディパネル類が取り付けられている。タイヤが路面から受けるショックや、エンジントルクの反動など全てこのフレームが受け止めてボディパネルには一切応力を受けない。エンジン、トランスミッション、サスペンション、シート、ABCペダル、ステアリング、人が触れて動かす部分は全てフレームに、太いボルトでしっかり取り付けられている。これらが生み出す感触こそがフェラーリ328の濃い味わいを生み出している。フェラーリの伝統的なシフトゲートの下には、アルミ鋳物で出来た頑丈な造りのシフトボックスがあり、これも太い4本のボルトで床下のクロモリフレームにしっかりと固定されている。そのボックスから後方へ伸びる太い鉄パイプによるシフトリンケージなどの構造は、往年の250GTOや250LMに代表されるレーシング・フェラーリそのものの世界がそこに存在する。フェラーリ328は、創業者エンツォ・フェラーリの創り上げた世界が凝縮されて込められているように感じられるものとなっている。