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4WD
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メーカー
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オートマ
グレード
4WD
ボディタイプ
外装色
シルバー
年式
2017 年型
走行距離
19350km
乗車定員
4 名
サイズ
長 469 cm 幅 189 cm 高 137 cm
エンジン形式
排気量
3799 cc
馬力
600
トルク
66.5
車検
令和8年9月
ハンドル
駆動区分
4輪駆動
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック×レッド
燃料区分
ガソリン
幌色

ネイビーラッピング施工、スポーツリセッティング済、ワンオーナー車入庫いたしました。

19996月にカルロス・ゴーンが日産の最高執行責任者に着任し、日産自動車の再建計画を進める中、R35型「GT-R」は200710月の東京モーターショーで市販モデルがお披露目された。1969年に登場した初代にあたる4ドアセダンのPGC10型「スカイラインGT-R」は、2ドアハードトップのKPGC10型を経て、2世代目「ケンメリ」の愛称をもつKPGC110型に引き継がれ、一時途切れたバトンは1989年にR32型で復活。R33型、R34型と進化を続けながらも、2001年の東京モーターショーでサードジェネレーション“としてR35型「GT-R」の方向性を示唆するコンセプトカーが発表される。市販化に向けて水野和敏エンジニアにより車両開発が進められ、中村史郎デザイン担当によりエクステリアデザインを施されたR35型「GT-R」は、6年の開発期間を経て発表されると、シリーズ初の世界戦略車として敢えてそれまで続いた「スカイライン」の名を冠せず「日産GT-R」と命名された。開発責任者の水野和敏エンジニアは、1990年に日産車のハンドリングを世界一にするという目的をもつ「901運動」に車体設計で関わり、初代「P10型プリメーラ」や「R32型スカイライン」の設計を担当した後、ニスモに出向。その後、日産ワークスチームを率いてル・マンやデイトナの耐久レースを監督した後、1993年に車両開発に復帰した人物。デザイナーの中村史郎は、いすゞ自動車からGMアドバンススタジオを経験し、3世代目の「ジェミニ」のデザインを担当。1999年カルロス・ゴーンにより引き抜かれ、四角いデザインの2世代目「キューブ」や、3世代目の「マーチ」のデザインを担当し、2017年に退任後「SN DESIGN PLATFORM」を立ち上げ代表取締役を務めている。R35型「GT-R」に搭載されるパワーユニットは、VR38DETT型とよばれる3.8V6DOHC・ツインターボエンジンで、VQV6エンジンから派生した「GT-R」専用エンジンとなる。ボア×ストローク95.5mm×88.4mmから3799ccの排気量を得るこのエンジンは、日産の市販車用アルミブロック・エンジンとしては初めてのライナーレス構造をもち、スティールライナーに代えて鉄に銅を含んだ合金をアルミシリンダー内壁にプラズマコーティングしている。こうする事で、シリンダー付近のブロック内温度を大幅に低減するとともに1000°C以上に達する高い燃焼温度を実現し、最大0.75バールという比較的低い過給圧の組み合わせで、素早いレスポンスを実現している。このレスポンスへのこだわりは、ターボチャージャーにもあらわれ、あえて可変ジオメトリーを採用せずに金属製タービン・ブレードを使った固定ジオメトリー式ターボチャージャーをバンク毎に1基ずつ備える。タービン・ハウジングはエキゾースト・マニホールドと一体鋳造されR34型「GT-R」までのギャレット製からIHI製ターボチャージャーに変更されている。このエンジンの最高出力は480馬力/6400rpm、最大トルクは60kgm/32005200rpmと、セカンドジェネレーションの「GT-R」が搭載していたRB26DETT型エンジンの出力280馬力/トルク40kgmを大幅に上回る。組み合わされるトランスミッションは、ボルグ・ワーナー社が「GT-R」専用に開発したGR6とよばれる、大容量の6速デュアル・クラッチ式トランスミッションとなりトランスアクスル方式でリアに搭載される。トランスアクスル方式の場合、エンジンとトランスミッションをトルクチューブにより剛結し位置決めするのが一般的だが「GT-R」では敢えて個別にマウントし、カーボンファイバー製のプロペラシャフトで繋ぐ。こうする事で、フロントとリアそれぞれの振動による共振から解放され重量配分のメリットを最大限に享受出来、その上で、ブッシュ・マウントによるエンジン・ミッションの位置変位は最大でも1.5mmという高精度を実現している。ギアボックスの出力軸先端には4WD用電磁式多板クラッチが内蔵され、駆動力はリアから電子制御で配分され、もう1本のスティール製プロペラシャフトでフロントアクスルに配分される。リアデフには1.5ウェイのLSDが採用され、フロントデフは一般的なオープンデフとなる。この凝ったメカニズムによるトランスアクスル式4WDは、他に類を見ないパワートレインレイアウトとなりR35型「GT-R」最大の特徴となる。パワートレインに合わせて大容量、高強度を実現した足回りは、フロントにハイマウント・ダブルウィッシュボーン式、リアにマルチリンク式を採用、ビルシュタイン製電子制御ダンパーが組み込まれ、何よりも高い精度のジオメトリー管理を目標に開発された。特にリアのスティール製サブフレームは、トランスアクスル・ユニットを保持する目的から、1mm以下の組み付け精度管理がされ、フロントの6点マウント式超大型サブフレームも同様の管理が行われている。ブレンボ社と共同開発されたブレーキシステムは、フロントに6ポッド式アルミ・モノブロック・キャリパー、リアに4ポッド式モノブロック・キャリパーを備える。組み合わされるディスクは前後ともにスティール製ドリルドベンチレーテッド・ディスクとされ、フロント380mm×34mm、リア380mm×30mmサイズが備わる。高強度・高精度を誇るパワートレイン、足回りが組み付けられるモノコック・ボディは、市販車レベルとは一線を画した群を抜く高い剛性を誇り、ホワイトボディが完成する毎に1台ずつ加振試験機にかけられ周波数特性がチェックされる。「走る、曲る、止まる」というクルマの基本性能において、考え得る最高のレベルで完成された「GT-R」は、他のクルマでは感じる事の出来ない振動の無いボディとスムーズな走行感覚を味わう事が出来、どんな状況に於いても常にドライバーと密に対話が成り立つドライバビリティを備える。搭載されるVR38DETT型エンジンは、ターボエンジンであるにも関わらず高いレスポンス、緻密でスムーズな回転感と上質なサウンドは特筆すべきモノとなる。また変速所要時間0.2秒といわれるデュアル・クラッチ式トランスミッションGR6は、夢の様な変速マナーを示す。「GT-R」の真価は、さりげなく異次元の高性能を発揮するところに集約され、高剛性・高強度のモコノックボディや凝ったメカニズムにより先代のR34型「GT-R」に比べ200キロの重量増としながらも、公表性能値0100km/h加速3.6秒、そこから停止まで僅か37mという、当時のライバルともいえるポルシェ997ターボに匹敵するパフォーマンスを発揮する。その上ベーシックグレードで777万円、最上級モデルのプレミアムエディションでも8347500円という驚愕の価格で販売された。これはカルロス・ゴーンの「日産は量産車メーカーである」という考えから、日産栃木工場でのFR車生産ラインにおいて生産が出来たから可能になった価格であるといわれている。「GT-R」を名乗る以上、レースとの関わりも深く、2008年から国内におけるスーパーGTGT500クラスで14シーズン戦い続け数々の伝説を残している。中でも2015年はライバルを圧倒し、ランキング1位と2位の「GT- R」どうしが最終戦でタイトルを争う展開を見せた。最終的にモチュール・オーテックGT-R2年連続タイトルホルダーとなるが、シーズンをリードしていたのは2位のカルソニックインパルGT-Rだった。この年海外では、オーストリアで行われる「バザースト12時間レース」に於いても「日産GT-RニスモGT3」が総合優勝をおさめ、「ブランパン耐久シリーズPROクラス」でも「日産GT-RニスモGT3」がシリーズタイトル獲得を決めるという活躍を見せた。販売開始から約一年が過ぎた20081月には、早くもカーボンセラミックブレーキを装備したグレード「スペックV」を発表し、その性能を常に進化させてきた「GT-R」は、20163月のニューヨーク・ショーで最も大掛かりなマイナーチェンジが施された2017年モデルを発表する。エクステリアで大きく変化したのはフロントバンパー形状で、最大限冷却効率を高めながらCd値は従来型と同じ0.26に留めるというこだわりのモディファイとなっている。また250km/h以上の高速時において、風圧により僅かに歪みを生じていたボンネットは、フロントのVモーショングリルのデザインから続く、ブレースを加える事で約3割の剛性アップが図られた。ボディはフロントウィンドウからルーフまわりを、重量増を気にしながら強化される事で前後輪の減衰特性の同調が図られ、Cピラーのプレスラインは、微細な乱気流を抑える為に滑らかなものに変更されている。強化され続けてきたVR38DETT型エンジンは、ブースト・アップと気筒別点火タイミング制御を盛り込んで、最高出力570馬力/最大トルク65.0kgmを達成し、組み合わされるGR6・デュアルクラッチ式トランスミッションは、クラッチのオン/オフを司るアクチュエーターの制御を細密化している。この恩恵は特にアクセル開度20%未満での1-2速間のギアチェンジ時にあらわれ、よりスムーズな変速が可能となった。2014年にスプリングレート、2015年にダンパー内部構造の見直しが行われた足回りは、このマイナーチェンジでは前後スタビライザーのレートが変更を受けた。販売開始時から2013年型迄の「GT-R」に比べ、スプリングは柔らかくダンパーとスタビライザーは硬めの方向でチューニングが施されバネレートは初期モデルの半分まで下げられたといわれている。この効果を実感出来るのは100km/h以下の速度域での走行シーンで、細かな目地段差の拾い方や路面のアンジュレーションによる揺すられ方が、より穏やかな方向にシフトされている。マウントやゴムブッシュ類の変更はされておらず、よりスッキリと感じられるライドフィールや快適性は、高められたボディ剛性と最適化が図られた足回りとのマッチングによる効果の現れとなる。ベーシックモデルの「ピュア・エディション」、上級モデルとして「プレミアム・エディション」、スポーツモデルの「ブラック・エディション」が設定され、後に「ブラック・エディション」をベースに「ニスモ」のボディと足まわりを装備する「トラック・エディション・エンジニアード・バイ・ニスモ」を加える。そして20165月にドイツのニュルブルクリンクで追加発表されたグレードが、今回入荷した「GT-Rニスモ」となる。20139月にニュルブルクリンク・サーキットのノルドシュライフェで78679という量産車最速を記録した先代にあたる2014年型「GT-Rニスモ」の更なる進化モデルとなっている。2013年に、R35型「GT-R」の開発を担った水野和敏が退いた後、後任となった田村宏志CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)によると2017年型「GT-Rニスモ」は、車名のRに重きを置き「どのサーキットに於いても、最高レベルの興奮と喜びをドライバーに提供するモデル」としている。更に、2017年モデルの「GT-R」をベースに「パフォーマンスの向上のみに留まらず、より高いポジションでバランスのとれた究極のドライビングプレジャーを目指した」と続けた。田村CPSは、R34型「GT-R Mスペック」を作り上げた人物で「Mスペック」のMとは、マチュアー=成熟という意味をもち、その概念を凄く大切にし、その考え方をR35型「GT-R」にも取り入れようとしていた。サーキットを主眼に置いた「GT-Rニスモ」は、専用のカナード付きカーボン製フロントバンパー、サイドスカート、リアウィング、リアアンダースポイラーが装備され、300km/h時にダウンフォースがベースモデルに比べ100kg増えるようにセッティングが施されている。また構造用接着剤を用いた「ボンディングボディ」により剛性が高められたボディは、フロント、リアまわりともに変形量を抑制するとともに、ドライカーボン製トランクリッドの採用などにより軽量化にも配慮され、その高いパフォーマンスに更に磨きをかけている。GT-Rニスモ」が搭載するエンジンはVR38DETT型とよばれる水冷V6気筒DOHCツインターボとなり、ボア×ストローク95.5mm×88.4mmから3799ccの排気量を得る。圧縮比9.0から最高出力600馬力/6800rpm、最大トルク66.5kgm/36005600rpmを発揮する。「GT-RニスモGT3」にも採用されている、翼枚数を削減しブレードの薄肉化により軽量化された、専用となる高効率大容量のIHI製ターボチャージャーを採用し、チューニングコンピューターはじめ、燃料ポンプや、加圧式の冷却水リザーバータンク、エンジンカバーなど全て「GT-Rニスモ」専用品で構成されている。熟練した匠により専用のクリーンルームで1基ずつ精巧に手組みされるエンジンのフロント部分には、担当熟練工の名前の入ったアルミプレートが付けられる。新設計のマフラーは軽量化を狙ってチタン合金製とされ、高い排気効率を得るとともに雑味の無いサウンドを響かせる。組み合わされるトランスミッションは、エンジンとカーボン製プロペラシャフトでつながり、トランスアクスル方式でリアに配置されるGR6とよばれる6速ツインクラッチ式トランスミッションとなる。このミッションから電磁式多板クラッチにより配分された駆動力はフロントアクスルへ伝わり、トランスアクスル式の4WDとなるのはベースモデルと変わらない。足回りはフロント・ダブルウィッシュボーン式+コイル、リア・マルチリンク式+コイルで、ショックアブソーバーには、専用チューニングが施された電子制御式のビルシュタイン製ダンプトロニックが採用され、中空スタビライザーを装備する。ブレーキはフロント、リアともにベンチレーテッド・ドリルドディスクが採用され、フロントに6ポッド、リアに4ポッドのブレンボ製モノブロックキャリパーと組み合わされる。ホイールは軽量な20インチ(フロント10J、リア10.5J)のレイズ製・専用アルミ鍛造ホイールとなり、フロント255/40ZRF20 97Y、リア285/35ZRF20 100Yサイズのタイヤと組み合わされる。タイヤは「GT- Rニスモ」専用に開発されたランフラットタイヤとなるダンロップ SP SPORT MAXX GT 600 DSSTが採用されている。インテリアは2017年モデルの改良に伴い、大幅に刷新されたものをベースとして採用されている。ダッシュボード上部や、ステアリングホイール、センターアームレストにはアルカンターラレザーが採用され、赤のステッチがアクセントとして使われている。それまでステアリングコラムに固定されていたシフト用パドルは、新デザインが施された3スポークのステアリングホイールに固定される方式となった。操作性にこだわったナビディスプレイは7インチから8インチに拡大されるとともに、大型のアイコンが採用される事で視認性が向上している。またカーボン製センターコンソール上にレイアウトされたマルチファンクションスイッチにより、ナビ機能を手元で操作することが可能となっている。このディスプレイにはナビやインフォテイメント関連の機能に加え、ブースト計や油圧計、水温計などのメーター表示、タイムロガーなど様々な機能が備わる。ドライバーシートとナビシートは、赤のアルカンターラをセンターに、サイド部分に黒のレザーを使った「GT-Rニスモ」専用となるホールド性の高いレカロ製カーボンバケットシートが採用されている。ステアリングホイールを通してドライバー正面には赤い文字盤が目を引く8000rpmまで刻まれたレブカウンターが備わり、その左側には340km/h迄のスピードメーターがレイアウトされ、そのパフォーマンスの高さを想像させる。全長×全幅×全高は4690mm×1895mm×1370mm、ホイールベース2780mm、トレッド前後ともに1600mm、車両重量1740kgとなる。新車時価格1870200円、燃料タンク容量74、最小回転半径5.7mとなっている。メーカー公表性能値は、0100km/h加速2.9秒、最高速度は輸出仕様では315km/hとなるが、国内に於いては、サーキット以外ではリミッター作動により約180km/h迄にとどまる。カーグラフィック誌による実測テストは2012年に550馬力/最大トルク64.5kgm/車両重量1730kgの「GT-Rブラック・エディション」をテストしている。その結果0100km/h加速3.28秒、0400m加速11.23秒、01000m加速20.56秒を記録している。同時にテストしたポルシェ997ターボSにたいして「GT-R」は、それぞれ-0.11/-0.12/+0.09秒となり、同等の加速タイムとなってる。 R35型「GT-R」の開発責任者だった水野和敏は、ニュルブルクリンクでのタイムアタックに於いて、標準モデルを用いる事にこだわり続けていた。開発責任者を引き継いだ田村宏志は、一般道での走りの質感を強く意識し、就任直後からニュルブルクリンクでのタイムアタックの為のグレード「GT-Rニスモ」を新たに設定し、先代の意思を引き継ぎながら開発チームは少しずつ「GT-R」の質感向上とともにキャラクターを熟成させ、2017年のマイナーチェンジはその集大成といえるものとなった。シリーズモデル中、専用タービンや専用コンピューターにより最強のチューニングが施されたVR38DETT型エンジンを搭載する「GT-Rニスモ」は、そのパフォーマンスを活かす為の専用強化ボディと、足まわり、そして軽量化により、ただならぬオーラをその佇まいに宿している。ドアを開け、そのコックピットにおさまりセンターコンソールにある赤いスターターボタンによりエンジンを始動させる。気をてらったところのない乗用車らしい運転環境と、ことのほか良好な視界に助けられながらも目にするモノ、触れるモノ全てに意味を持つ装備類にやや緊張させられながらアクセルを踏み込み走り出す。このクルマの公道適性は余技的性能だと思いながら路面の凹凸を乗り越える度に、その跳ね返しは以外としっとりしている様に感じられる。高速のジョイントや幹線道路のワダチでも、そのサスペンションレートを考えれば、とてもしなやかといえる反応を返してくる。それでも時折、強く短いショックが伝わることもあるが、レーシングカー並みのセッティングをもつ足まわりとしては充分に洗練されているといえる。これは、強化されたボディ剛性と微振動や反響するノイズが整理された結果といえるのかもしれない。ノイズ関係の処理の結果、クリーンに感じられる乗り心地はドライバーの長距離ドライブでの疲れを軽減するとともに、高級車につながる要素ともなっている。エンジンのレスポンスは鋭いが、ベースモデルに比べればトルクの立ち上がりがやや遅く低回転域と高回転域でのコントラストが感じられるかもしれない。それでも3.8という排気量をもつ為、日常的なドライビングに差しつかえる事は全く無い。2000rpmあたりの高速巡航でもスピードを保持しやすく走りやすい印象となる。3000rpmを超えて徐々にパワーバンドに乗る感覚は、官能性をおび4000rpmに近づくと漲るパワー感が感じられる。そこからトップエンドまでの伸びやかさとシャープな回転フィールは、ベースモデルとの違いが表現されている。ただワインディングロードを気持ち良く走るくらいでは、ベースモデルとの差を見出す事は、なかなか難しくこのトップエンドの差を享受するには、やはりクローズドコースが必要になる。エンジンパワーと併せて、強化されたボディの最良の部分と、引き上げられた高速域でのエアロダイナミクス性能により、まるでクルマがひとまわり小さく軽く感じられる様に、思うがままに操作出来る感覚が得られる。そこに「GT-Rニスモ」の本来の存在感がフォーカスされている。高性能な「GT」というだけでは無く「レーシング」の意味をもつ「R」で構成された車名が「GT- R」だと考えれば「GT- Rニスモ」こそが本来在るべき姿といえる。乗用車から派生した「GT- R」は、他のスーパースポーツの様に、始めから専用シャーシや専用エンジンでは無く、その成り立ちは全く異なる。世界中の4WDのスーパースポーツという括りで見てもエンジンは後方に搭載され、その重心は低く、ボディは幅が広く専用設計が用いられている。その目線で見れば R35型「GT- R」の成り立ちは、60年代に発祥した初代「GT-R」に近い。高性能を目指すならゼロから専用に設計開発を始めた方が、絶対に楽に高い性能目標を達成出来る。乗用車のモノコックをベースにフロントにエンジンを搭載して、使える技術を全て動員しニュルブルクリンク最速を目指し、作り込みを重ねて熟成してコンフォート性能においても世界のトップと肩を並べるに至る。そんな日本らしい小さなブラッシュアップを重ね続けながら現在迄ラインナップされる「GT-R」は、他のメーカーでは絶対に作りえない「レクサスLFA」と双璧をなす、日本を代表する「日産自動車の象徴」となるスーパースポーツである。