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メーカー
ミッション
マニュアル
グレード
ボディタイプ
外装色
ブラック
年式
1995 年型
走行距離
4.1万km
乗車定員
2 名
サイズ
長 4040 cm 幅 1710 cm 高 1310 cm
エンジン形式
排気量
2780 cc
馬力
トルク
車検
ハンドル
駆動区分
輸入区分
内装色
ベージュ
燃料区分
ガソリン
幌色

1973年、マセラティの親会社であったシトロエン が経営難に陥り、プジョー傘下に収まる。この時、マセラティはデトマソの傘下となり、アルゼンチン出身の元レーシングドライバーで経営者のアレッサンドロ・デトマソの指示で開発されたのが、ビトゥルボである。はじめは、2.0リットル、90°VSOHC6気筒にIHI製のツインターボを備え、小型でハイパワー、そして高貴なブランドイメージを後ろ盾にラグジュアリーなキャラクターがマーケットに受け入れられ、1983年には生産台数が5000台を超えた。その後ビトゥルボ・シリーズは、ボディバリエーションを増やし80年代末期を迎える。そして1988年、ジュネーブショーでカリフはデビューする。スパイダーザガートにハードトップを付けた様なボディデザインは、マルチェロ・ガンディーニによるもの。クラシカルなリアウィンドウのデザインは、どこか馬車を想わせとても印象的だ。2400mmというシリーズ中一番短いホイールベースは、このモデルから本来のスポーツ色を強めていきたいというマセラティの意思表示と受け取れる。車名の「カリフ」も、マセラティ伝統の「風の名前」の復活で、夏季にアラビア半島に吹く風の呼び名。シリーズ中、最強のエンジンを持ちマニュアルトランスミッションのみの設定で、ABSやトラクションコントロールも無い。メーカー自身「硬派のロードアニマル」だと明言し、また「コレクターズアイテムになる」と、少数限定生産を匂わせる発言通り、僅か221台の生産となる。エンジンは、2.8リットルまで拡大されたビトゥルボの流れを汲んだもので、90°VSOHC6気筒でIHIのツインターボ+インタークーラーが付きウェーバー・マレリのマルチポイント・インジェクションでマネージメントされる。最高出力250馬力/5600rpm、最大トルク39.2kgm/3600rpmを発揮する。本国仕様では、触媒レスの為、285馬力/6000rpm44.0kgm/4000rpmとアナウンスされている。※ 近年刊行されたマセラティ関係の書籍の中には、2.8リットル系他モデルより特別なチューンを施された記録は残っていないと表記されるモノもある。マセラティHP上では、カリフのキャタ仕様は225馬力と表示されている。▢このエンジンの特徴は、SOHCながら3つのバルブを持つ事。吸気側2つ、排気側1つのバルブが配置されインナータイプのシムを持つメカニカルタペット式で、排気側はオーソドックスな型式となる。バルブ径の異なる2つの吸気バルブは、一つの円筒形タペットの縁の部分で同時に押し下げられ、径が異なる事により、シリンダー内に渦流を発生させ、燃焼効率を上げる設計になっている。このモデルから、マセラティ・レンジャーデフと呼ばれる新型のリミテッド・スリップ・デフが採用された。それまでのマセラティ・センシトークというグリーソン社製のトーセンデフは、左右トルク配分が50:5010:90まで無段階で可変可能だった。新型レンジャーデフは、0:100まで可変可能となり、ギアノイズが少なく耐久性に優れるといわれている。足回りはフロント、マクファーソンストラット+コイルにスタビライザーが付き、リアはセミトレーリングアーム+コイルとなる。またステアリングフィール向上を狙った、メカニカアッティバと呼ばれる、ラック&ピニオン式のステアリングギアとタイロッドを結ぶS字型スレイブアームを持つ。これによりステアリングギア比がスローな割にハンドルが良く切れ、コーナリング時のバンプステアの影響を受けにくくなり、安定して回頭動作が出来るという。ブレーキはベンチレーテッド型のディスクながら、シングルピストンのフローティングキャリパー式となる。しかし、フィーリングはとても良く、4ポッドキャリパーなみのレスポンスと充分なストッピングパワーを発揮する。タイヤサイズは前205/50VR15、後225/50VR15、ホイールサイズは前後とも7Jのミッレミリア製となる。ドライビングポジションは、典型的なイタリアンでペダルに合わせるとステアリングが遠くなるタイプ。シートはバックレストが電動式となり、外径360mmのウッドステアリングはチルト機構が付く。リアシートは形としては存在するが、車検証上の定員は、2名となる。(アルカンターラ張りのパネルでリアシートをカバーしてしまっているモデルもある。乗り心地はスポーツカーというイメージから予想される程スパルタンでは無く、とても洗練されている。一見イタリアの高級なクーペだがスポーティな運動性を持つ。スパイダーザガートをベースにクーペボディ化された事で剛性感が高く、2400mmというホイールベースのおかげでヒラリヒラリと九十九折れのコーナーをすり抜けられる。ロールは前下りのダイヤゴナルでは無く、前後とも一致していて終始安定したコーナリングが出来、リズムを取りやすい。その上、雨の中でも直進安定性は模範的に優れている。僅か4メートル少々のコンパクトな全長で、もはや軽量ともいえる1.3トンのボディを、MTABS、トラコンに邪魔されずに存分に走らせられる贅沢は貴重。もはや、しっかりクラッシックの領域に存在している。性能はカタログデータ0100km/h4.8秒、01000m加速25.8秒、最高速度255km/hとなる。車両重量1310kg新車価格745万円で、後に715万円となる。日本で販売されるビトゥルボ・シリーズは新車時にヘッドライトベゼルごと、四灯ともカドのある四角いスタンレーのものに替えられて販売されていた。現在、Shinoda Automobileで販売されているカリフは、本国仕様のキャレロ製が装着されていて、表情がまるで異なって見える。デザインの好みは分かれる所とは思うが、初代ビトゥルボから変らず用いられた四灯デザイン。ビトゥルボをデザインした元ピニンファリーナで活躍した、ピエランジェロ・アンドレアーニのスケッチを見ると、やはりキャレロのイメージに近く見える。片側二つのライトは僅かに前後にズレて配置されていて、斜め前から見ると二つのライトの連なりがとても美しい。