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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
ボディタイプ
外装色
アルピナグリーン
年式
2016 年型
走行距離
22100km
乗車定員
4 名
サイズ
長 464 cm 幅 182 cm 高 137 cm
エンジン形式
排気量
2992 cc
馬力
350
トルク
71.0
車検
令和6年1月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラウン(ホワイトパイピング)
燃料区分
ディーゼル
幌色

メルセデスに対する「AMG」、BMWには「M」、そしてアウディには「アウディスポーツ」と、「アルピナ」が同格に見られるのはモータースポーツ活動との繋がりを軸とし、お互いスポーツイメージを強く感じさせるという共通点があるからなもしれない。しかし異なるのは前3社が、量産完成車メーカー直系のサブブランドであるのに対し「アルピナ」は昨年まで独立したメーカーという立ち位置にいたという事。BMWが「アルピナ」の商標権を取得し、これまでの生産体制は2025年末までとされた事で、近年「アルピナ」の需要は世界的に高まりつつあり、年間生産台数1700台といわれるアルピナの生産量は、2021年には2000台を記録していた。ミュンヘン郊外に位置する工場規模や従業員数を長年にわたり維持し、少量生産といわれるフェラーリで13221(2022)、ランボルギーニで9000(2022)とされる中、2000台の生産台数は、明らかに希少といえるだろう。その中からおよそ2割にあたる台数が日本で販売されているといわれている。創業者のブルカルト・ボーフェンジーペンが、BMW1500用にウェーバー・キャブレター・ユニットを開発したのを礎に、ツーリングカーレース参戦などを経て、BMWの信頼を勝ち取り1983年にドイツ自動車登録局に、正式登録された事でドイツで最小の自動車メーカーとなってからも、かつて無いビスポークなメーカーであり続けたのが「アルピナ」だった。その「アルピナ」はディーゼルエンジンに関しても先駆者として存在し、1999年、初のディーゼルエンジン搭載車として「アルピナD10ビターボ」を発表する。E395シリーズの「530d」をベースに、その名称の通り「ビターボ=ツインターボ」化し、ベースモデルの183馬力/39.8kgmから245馬力/51kgmにチューニングされ、強力なトルクを発揮して「F40並みの加速」と表現される程、当時としてはインパクトを残し239台が生産された。日本においては2009年「D3ビターボ」が販売されると、たちまち完売という逸話が残る程、注目を集めたモデルとなった。2013年、ドイツ本国で「3シリーズクーペ」が「4シリーズ(F32)」へと名称変更された翌年、この「4シリーズ」をベースに「D4クーペ ビターボ」がデビューし、2015年から日本に導入される事となる。搭載されるエンジンは、N57D30型とよばれる直列6気筒DOHC24バルブの直噴ディーゼルエンジンに大小2つのギャレット製ターボチャージャーを備えるシーケンシャルツインターボのクリーンディーゼルエンジンとなる。ボア・ストロークは84mm×90mm2992ccの排気量をもち、16.5の圧縮比とボッシュDDE7.31によるエンジンマネージメントにより、最高出力350馬力/4000rpmと最大トルク71.4kgm/15003000rpmを発揮する。ディーゼルエンジンの有利なトルク特性に加え、可変ジオメトリー付シーケンシャルツインターボによる強力なトルク感は「M3」「M5」を優に凌ぎV12ツインターボに迫る印象的なものとなる。エンジンの回転フィールも、ありふれたディーゼルエンジンとは一線を画すシャープさを備え、アイドリングからレッドゾーン手前の5000rpmまで、ほぼ全域で上質なガソリンエンジンに匹敵するレスポンスをしめす。またアクラポヴィッチ製ステンレスエキゾーストシステムを装備する事で、スポーティなサウンドも特筆すべきものとなっている。組み合わされるトランスミッションはZF社と共同開発による8速トルコンATを使用した「アルピナ・スウィッチトロニック」とよばれるもの。シフトレバーをDレンジから左レーンに倒し前後させるか、ステアリングスポーク裏にあるプラスとマイナスのスイッチにより、任意にギアポジションをチェンジする事が可能となる。足回りはフロント・ダブルジョイントストラット式、リア・マルチリンク式となり電子制御式ショックアブソーバーとスタビライザーを備える「アルピナ・アダプティブ・スポーツサスペンション」とよばれるものとなっている。これはドライビングパフォーマンスコントロールにより「エコプロ」「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」の4モードを選択出来、それぞれでシャーシ設定やエンジンレスポンスが組み合わされ、セッティングされたものとなる。たとえ「スポーツ」を選択したとしてもアルピナらしい秀逸な乗り味が失われる事は無い。ブレーキはフロントに4ポッド、リアに2ポッドのブレンボ製キャリパーを備え、ベンチレーテッドディスクと組み合わされる。鍛造製20スポークの「アルピナ・クラッシックホイール」はエアバルブをセンターカバー内に持ち、空気は中空構造のスポークを通してタイヤに充填される。組み合わされるタイヤサイズはフロント245/35ZR19、リア265/35ZR19となる。インテリアはアルピナのトレードマークともいえる、磨き込まれた明るいエルム(楡材)のウッドトリムがダッシュボードからサイド、センターコンソールに配置され、アルピナのシートにいる事でテンションが高まりを感じられる。シフトレバー前方にはアルピナのプロダクションプレート置かれ、ブルーとグリーンのステッチが目を引く専用ステアリングは、高級なラヴァリナレザーが用いられている。シンプルなデザインのシートは見た目以上にホールド性は高く、電動調整式となる。フロント、リアともに、背もたれ部分にワンポイントとして、アルピナのエンブレムが入れられ、この上質なインテリアもアルピナならではといえるだろう。全長×全幅×全高は4640mm×1825mm×1370mm、ホイールベースは2810mm、トレッド前1550mm、後1575mm、車両重量1680kgとなっている。燃料タンク容量60で、新車時価格1140万円。メーカー公表性能値は0100km/h加速4.6秒、0200km/h加速17.9秒、最高巡航速度278km/hでありながら、JC08モード17.0km/の低燃費を誇る。かつてのアルピナのチューニングは、BMWのシルキーシックスとよばれる、直列6気筒エンジンに更にファインチューニング施し、素晴らしい回転フィールに仕上げた。また、先進的な電子制御技術を駆使して独自開発のターボ過給により、他では味わえないエンジンパワーを獲得してみせた。同時に組み合わされる足回りも、ミシュランやビルシュタインと密接な関係を結び「アルピナ・マジック」といわれる程の極上のサスペンション・チューニングにより多くの愛好家を獲得していた。近年では電子制御技術が進みベースとなるBMWでも電子制御ダンパーが組み込まれ、発達したターボ技術により自然吸気エンジンは希少車種に限られ、アドバンテージとなっていたターボ過給技術もアルピナだけの専売特許とはいえなくなってしまった。それでも、そんな時代となってもアルピナのチューニングは何ひとつ変わる事なく、より上質なエンジンフィールと極上のサスペンションにこだわってチューニングされている事が「D4クーペ ビターボ」を走らせると、改めて思い知らされる。アクセルをほんの少し開けただけでも、しっかりとチカラを入れた分だけついてくるリニアリティと繊細な感じは、アルピナ以外では味わう事が出来ないものとなる。それはエンジンがガソリンであっても、ディーゼルであっても全く関係無く、アルピナのエンジンならではのフィールといえるだろう。同じく、足回りも電子制御になっても、どのモードを選択しても何の不足を覚える事の無い、姿勢制御能力を見せてくれる。その上で、しなやかさを失うことの無い乗り味は、アルピナらしさを表現したものとなっている。極低速からハイスピードまで、どんな走り方をしても流麗な振る舞いを崩さず、速度の間を継ぎ目なくつなぐしなやかさは、古くから語りつがれるアルピナだけの乗り味だと感じられるものになっている。