メルセデスベンツ
G350プロフェッショナルED
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︎前世紀の終わり頃から始まりをみせるスポーツ・ユーティリティ・ビークル=SUVの隆盛は、2022年には世界全体の新車販売台数の41.3%を占める3280万台を記録。この数字は前年比2.3%増となり過去最高を更新し、新車販売台数の半分を占める日が訪れるのもそれほど遠くはないのかもしれないと感じさせる。1980年代の中頃、この手の車両を「RV」とよんでいた時代から、既に高級SUVとしての地位を確立していた「メルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲン」は、数多くの高級SUVで溢れる現代に於いても、オフロードでの高い走破性と、変わらない信頼性で数多くファンをもつ。1979年3月のジュネーブショーでデビューした「メルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲン」は、小型軽量4駆の「ハフリンガー」や、大型全輪駆動車「ピンツガウアー」などで知られる、オーストリアのグラーツにあるシュタイア・ダイムラー・プフ(現マグナ・シュタイア)と7年間にわたる共同開発期間を経て発売されたメルセデスベンツのクロスカントリー・ヴィークルとなる。シュタイア・ダイムラー・プフの開発担当エンジニアは、エーリッヒ・レドヴィンカという人物。その父親のハンス・レドヴィンカはハンガリー帝国出身で、1930年代に最も進んだ自動車会社のひとつであったチェコのタトラで、SOHCエンジンの動弁機構や半球型燃焼室を開発した経歴をもっている。「ゲレンデヴァーゲン」の車体構造は「レンジローバー」に似て、強固な梯子型シャーシフレームを持ち、前後固定車軸はストロークの長いコイルバネと、深い断面による頑強な鍛造ラジアスアームで構成される足回りで吊られている。駆動系は「レンジローバー」がフルタイム4WDなのに対し「ゲレンデヴァーゲン」はオン/オフの効くパートタイム式を採用、センターデフの装備は無く、標準で4MT、オプションで4ATが選択可能となっていた。高い堅牢性をもつボディストラクチャーは、8個の大容量ラバーマウントでシャーシフレームと繋がり、2種のホイールベースに、2ドア幌型2座、2ドア2座バン、2ドア5/7座ワゴン、4ドア7座ワゴンなど、6種のボディバリエーションをラインナップする。搭載されるエンジンも「レンジローバー」が乗用車用をベースとするV8・ガソリンエンジンのみだったのに対し、ディーゼルエンジンが「230GD」と「300GD」の2種、ガソリンエンジンが「230G」と「280GE」の2種が用意され幅広いラインナップにより、多くのニーズに対応が出来る車種構成とされていた。「ゲレンデヴァーゲン」は、軍用車の民生用やNATOからのリクエストで開発されたといわれているが、70年代にダイムラー・ベンツ社の大株主であり、自動車コレクターとして知られるイランのパーレビ国王(モハンマド・レザー・パフラヴィー)の要望により開発されたモデルとなる。自国の国境警備や狩猟など民生用途も視野に入れた、万能の4輪駆動車の開発を希望していたといわれている。1900年初頭に4輪駆動車の技術を完成させていたダイムラーは、1926年ベンツと合弁し、3軸6輪駆動車の開発まで行っていたが、第二次世界大戦後、全輪駆動車の開発からは遠ざかっていた。そのためメルセデスベンツは、オーストリアのシュタイア・ダイムラー・プフと協業体制で開発にあたり、1973年にモックアップモデルを、翌年1974年には最初の試作車を完成させた。どんなに厳しい状況の中でも、高い走破性と安全性、快適な乗り心地を求めて、サハラ砂漠や北極圏など過酷な環境下でのテストを繰り返した。1977年には「ゲレンデヴァーゲン」の量産に向け合弁会社となるGfGが設立され、シュタイア・ダイムラー・プフの敷地内に専用の組み立て工場が建設される。そして1979年に完成を迎えるが、この年、イラン革命が起きパーレビ国王から依頼された2万台のバックオーダーがキャンセルとなってしまう。それでも高い踏破性能をもった「ゲレンデヴァーゲン」は、ドイツ国境巡視隊での採用を皮切りに、ノルウェー、ベルギー、ギリシャとヨーロッパを中心とした各国からの受注によりこれを乗り越え、フランスのトゥーロンにあるオフロードコースでワールドプレミアを行い、民間用オフローダーとしての販売が開始される。メルセデスベンツは「ゲレンデヴァーゲン」の軍用としての採用を目論んでいたが、旧西ドイツの軍用制式車両のコンペでは「フォルクスワーゲン・タイプ183イルティス」に敗れ、このモデルが生産終了を迎える1982年になって、ようやくNATO軍はじめ世界各地で採用されベストセラーの軍用車両として知名度を上げた。ちなみに「フォルクスワーゲン・タイプ183イルティス」は、インゴルシュタットのアウディにより1970年代末に開発されたモデルで、氷雪路に於いても高い走破性をもっていた。このモデルに注目したアウディのエンジニア、ヨルグ・ベンジンガーにより「イルティス」のパワートレインを乗用車に搭載し、当時の開発責任者であったフェルディナント・ピエヒに提案したのが「アウディ・クワトロ」誕生のきっかけになったといわれている。たった1基の製作用ロボットすら存在しないグラーツの組み立て工場で、まさに手作りで製作される「ゲレンデヴァーゲン」は、メルセデスベンツといえども、量産車用の生産ラインでは達成し得ない、フレームに6400箇所にも及ぶ溶接ポイントを必要としていた。それは軍隊での使用に耐える程の高いスペックを生み出すとともに、多岐にわたるバリエーションに応じる事をも可能としていた。GfGは、メルセデスベンツの「ゲレンデヴァーゲン」と、シュタイア・プフの「プフ・ G」としてバッジエンジニアリングを行い、輸出先によりブランドを使い分けながらの出荷が行われた。また「ゲレンデヴァーゲン」は、1982年からパリ・ダカール・ラリーに出場すると、翌年の1983年には空気抵抗を削減し、アルミボディで軽量化を図った「280GEラリー」で、ジャッキー・イクス/クロード・ブラッスール組が総合優勝を果たし、その高い走破性と耐久性を世界中にアピールした。そして1980年代中盤「アウディ・クワトロ」の登場で、フルタイム4WDシステムが注目を浴びはじめ、1987年にアメリカで「レンジローバー・ヴォーグSE」により高級SUVが認知されると「ゲレンデヴァーゲン」は1990年モデルからフルタイム4WDと、モダナイズされたエクステリアをもつW463型を派生させる。オーバーフェンダーや「Sクラス」の様なウッドパネル、レザー内装など充実した装備をもつW463型の登場により、更に販売台数を伸ばした「ゲレンデヴァーゲン」は、累計生産台数10万台を突破する。一方、パートタイム4WDによる初期モデルはW460型とよばれ、1992年まで生産されていたがマイナーチェンジを受けW461型に進化する。 その後GfGは解体されるがメルセデスベンツが引き続き「ゲレンデヴァーゲン」の開発を担当し、オーストリアのグラーツにある工場での生産は継続され、1993年にメルセデスベンツによる生産車のモデル名の再編により「ゲレンデヴァーゲン」は新たに「Gクラス」とよばれ現代に至る。この「Gクラス」を名乗ってからのW463型は徐々にハイパワー化する傾向を見せ、豪華装備と併せて「AMG」モデルも加わると、プレミアム4WDとも表現出来る新たな路線を歩みはじめる。断続的に生産され続けてきたW461型だったが2001年に生産終了を迎え、残されたW463型もあわせて「Gクラス」の生産中止の意思表示をするように、メルセデスベンツは新たに「GLクラス(X164型)」をデビューさせる。しかしマーケットはそれを許さず「Gクラス」は生産され続け、2009年になると「Gクラス30周年記念モデル」を登場させる。「プロフェッショナル・シリーズ」の先駆けとなるこのモデルが「G280CDI EDITION30 PUR」で、オーバーフェンダーを装備し「ゲレンデヴァーゲン」登場時のエクステリア・イメージをもち、ダッシュボードはW463用を流用しながら、マニュアル式空調システムや手動式サイドウィンドウを装備し、200台が限定生産された。ヘッドライトやウィンカーはワイヤーパーツで保護され、ボンネットはその上を歩いてルーフラックにアクセス出来る様に、強化されるとともに特殊な凸凹の塗装が施されていた。メカニズム面では通常の「Gクラス」と同様となるが、本格的なオフロード走行を見据えたシンプルな装備により、本来持っている高い悪路走破性を発揮出来る「ゲレンデヴァーゲン」直系の後継モデルともいえる内容を持っていた。この「G280CDI EDITION30 PUR」をベースに、それを引き続ぐモデルとして2011年に発表され2014年迄生産されていたのが、複数のボディバリエーションを持つ「G300CDI professional」となる。このモデル以降「プロフェッショナル・シリーズ」は2016年に「G350d professional」が販売され、2018年「Gクラス」のフルモデルチェンジ以降も「G400d professional ED」として販売される。「Gクラス」のオーナーの95%が、所有期間中にオフロード走行を経験しない事を明らかにしたメルセデスベンツは「Gクラス」初のBEVモデルとなる「G580 with EQ Technology」を加えるべく2024年におおがかりなマイナーチェンジを敢行する。多くの「Gクラス」のオーナーがオンロードでの快適性を望んでいても、開発チームはオフロードの性能にこだわり更なる走破性の向上が図られた。現在でもグラーツのマグナシュタイアで手作業で作られる「Gクラス」は、ロボットが積極的にラインに導入された「Sクラス」が37時間で完成するのに対し100時間が費やされている。約3500人の従業員による手作業で、年間約4万5000台の「Gクラス」がラインオフしている。今回入荷した「G350dプロフェッショナルエディション」に搭載されるエンジンは、OM642型とよばれるオールアルミ製の72°V型6気筒DOHC24バルブ・ディーゼル・ターボエンジンとなる。ボア×ストローク83.0mm×92.0mmから2986ccの排気量を得るこのエンジンは、ボッシュ製ピエゾインジェクターを装備するコモンレール式直噴エンジンで、排気ガス中に尿素水溶液(AdBlue)を噴射して主にNOxを浄化する「BlueTEC」が採用されている。圧縮比15.5をもち最高出力245馬力/3600rpm、最大トルク61.2kgm/1600〜2400rpmを発揮する。組み合わされるトランスミッションはメルセデスベンツ製7Gトロニックとよばれる、電子制御式7速トルコンATとなり副変速機を備えるフルタイム4WD方式の駆動システムをもつ。フロント、センター、リアのディファレンシャルは、それぞれに独立したロック機構をもち、高い悪路走破性能を持ったものとなる。︎足回りは、フロント・リアともに3リンク式リジット+コイルとされ「プロフェッショナル・エディション」専用のセッティングが施されている。これにより車高は10mm高く設定され、アプローチアングルは、ベースモデルの30°から36°に、デパーチャーアングルは同じく30°から39°に引き上げられ、更なる高いオフロード走破性をもつ。ブレーキはフロントにディスク+4ポッド・キャリパーが組み合わされ、リアはドラム式となり、ABSが装備されている。タイヤサイズは265/70-16となり、5スポークの専用デザインの16インチ・アルミホイールが組み合わされている。︎ ブラックアウトされたヘビー・デューティーなフロントマスクをもつ「350dプロフェッショナル・エディション」のエクステリアは、専用のスチール製フロントバンパーからオーバーフェンダー、サイドステップ、リアバンパー、モールディング部も含め、W460時代を思わせる一貫したコーディネートが施されている。ドアミラーも専用装備品が採用され、大型で視認性の高いものとなるが、シンプルな非電動仕様となっている。ルーフに装備されるスチールとアルミ材による2300mm×1400mmのルーフラックとリアゲート・サイドに付くラダーは、ドイツのLeTec社製となり亜鉛メッキが下地に施され、ブラックパウダーコーティングで丁寧に仕上げられている。リアゲート開口部の下にはトーインパッケージによる大型の牽引用フックが装備され、リア・バンパーは2分割式となる。クラシカルでヘビーデューティーなエクステリアに対してインテリアは、ベースモデルと同様、充実した装備が施されている。ただし床にはカーペットが無く、鉄板剥き出しのフロアには渡河を想定した水抜き用のプラグが設置されるのは他の「プロフェッショナル」シリーズモデルと同様となる。ダッシュボードにウッドの化粧パネルは無く、道具感溢れる黒一色のフェイシアとなり、ファブリック張りの運転席、助手席にはエアバックが装備され、メルセデスベンツ純正の4スポークステアリングが採用されている。ドライバー正面のメータークラスターには、見やすいシンプルなデザインの左側にスピードメーター、右側にタコメーターがレイアウトされ、それぞれ小型の燃料計と水温計を中に納めている。センターコンソールの中央にはシルバーのデフロックスイッチが装備されフロント、センター、リアのディファレンシャルギアを、それぞれドライバーの意思で機械的にロック出来る。必要に応じて4輪のトラクションは4ESP(4エレクトリック・スタビリティ・プログラム)により駆動配分を電子制御されているが、最悪の状態からの脱出を想定してこの3つのデフロック・スイッチが装備されているのがメルセデスベンツらしく、他のSUVとは異なり「Gクラス」らしいところでもある。はじめに登場した「ゲレンデヴァーゲン」は、“メルセデスベンツが造るならば比類なきまでのクオリティをもち、およそ大地の続く限り河に行手を阻まれても浅瀬を見つけて渡河し、地平の果て迄走り続ける走破性を持つ。その上でオンロードでの乗り心地は下手なサルーンを凌ぎ、快適性をも併せ持ち、戦車にも匹敵する堅牢さと高い踏破力、そして疲れを感じさせない足回りをもつ”と表現されていた。「G350dプロフェッショナル・エディション」は、その「ゲレンデヴァーゲン」をリスペクトしたモデルとなり、日本への正規輸入がされていないたいへん希少なモデルとなっている。︎ 全長×全幅×全高は4540mm×1850mm×2010mmで、ホイールベースは2850mm、トレッドは前後ともに1515mm、車両重量2550kgとなっている。最小回転半径は6.2m、燃料タンク容量は96ℓとなる。︎メーカー公表性能値は、最高速度160km/hとなっている。︎小山の様に背の高いボディは、現代ではもはやそれほど大きなボディではない。大きく感じるとすれば、製造時の造り込みやクオリティを知ってしまっているからかもしれない。プッシュボタンを押し、異様にガッチリとした作りのドアを開けトラック並みに高いドライバーズシートによじ登り腰を下ろす。多くのSUVの中でも高いアイポイントをもち、開発された世代を感じさせる前後に薄いダッシュボードと、傾斜角の浅い平面ガラスが特徴的なフロントウィンドウ、そして垂直に切り立ったピラー類に囲まれるコックピットは「Gクラス」ならではの世界となる。視界はどの方向にも素晴らしく良く、フロントフェンダー上に飛び出したウィンカーや、垂直に配置されるサイド・ウィンドウにより車両感覚はとても掴みやすい。ハンドル、ペダル類を含め操作系は重めで、しっかりと動かす事を要求してくる。この操作感覚は、道なき地の果てのシビアな条件下に於いて、僅かな車両操作時を想定したもので、他の多くのSUVとも全く異なり軽快で洗練された操作感覚とは反対側に位置する、重厚で大きなモノをオペレートする感覚に溢れている。2.5トンを超える自重を感じさせずに車両を加速させるエンジンは、低い回転数から豊かなトルクを発生し、常用回転域からとても扱いやすいエンジンとなる。ガソリンエンジンに引けを取らない低ノイズ、低振動で高い環境性能と経済性をもち、多くのバリエーションをもつ「Gクラス」の中で、数多く搭載されるエンジンを通してベストマッチングとなる。快適性より機能性を優先させた設計のモデルといわれるが、ラダーフレームとモノコックボディにより走行時の振動は乗員には伝わりにくく、ハンドルの遊びも少ない為、操作に対してクルマの反応がとても素直に感じられる。それはあらゆる速度レンジに於いて変わる事無く、クルマの置かれた状況がとてもわかりやすく無用なストレスを感じずに距離をこなす事が可能となる。考えてみればこの思い通りに動かせる事の重要性は、走らせている環境や天気、路面の状況が悪くなる程に重要性が高まる。そういう道なき道や、悪天候の中を平然とドライブする為に開発されたモデルである事を改めて認識させられる。その原点に最も近いモデルとして存在する「プロフェッショナル・エディション」は「ゲレンデヴァーゲン」とよばれた時代から変わる事なく「Gクラス」だけが持ち続けてきた、他の多くのSUVとは全く異なるプロギアとしての一面を強く感じさせるモデルとなっている。