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Lusso T LHD
2200
万円
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メーカー
ミッション
オートマ
グレード
Lusso T LHD
ボディタイプ
外装色
ネロデイトナ
年式
2020 年型
走行距離
23.600km
乗車定員
4 名
サイズ
長 491 cm 幅 198 cm 高 137 cm
エンジン形式
排気量
3855 cc
馬力
610
トルク
77.5
車検
令和9年12月
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ロッソフェラーリ
燃料区分
ガソリン
幌色

パノラミックルーフ・リフティングシステム・カーボンステアリングLED・パワーシート・シートヒーター・カーボンスクーデリアエンブレム・レッドキャリパー・360°カメラシステム・イエローレブカウンター

1947年にエンツォ・フェラーリにより創業し、古くからのF1コンストラクターとしても知られるフェラーリは、1960年に発表した「250GTE」以降、4シーターのGTモデルをその販売ラインナップに加えている。1988年、創業者エンツォ・フェラーリが逝去すると、その意志を継いで1991年末からフェラーリを率いるルカ・ディ・モンテゼーモロは、エンツォの時代に開発され1989年に生産を終了していた4シーター・GTモデルの「412」を、搭載エンジン、シャーシともに全面的にリニューアルして「456GT」として1992年に発表する。このモデルは1998年にマイナーチェンジ版の「456M GT」に進化して、今世紀初頭の2004年「612スカリエッティ」にモデルチェンジを果たす。「612スカリエッティ」発表の2年前の20029月のパリ・サロンでは、ポルシェからの初のSUVモデル「カイエン」がデビューを果たしている。前世紀末の「BMW X5」や「メルセデスベンツMクラス」の参入により、本格的な盛り上がりを見せ始めたSUVブームは、世界規模に拡がりを見せながら瞬く間に「ポルシェ・カイエン」も人気車種へと躍進しそのニーズを高めていた。そこにはエンジン、シャーシの技術的な進歩をはじめとして、タイヤの高性能化によるSUVモデルのオンロード性能の著しい向上も影響しているが、それまでの最大マーケットだった北米市場に替わる新たなマーケットの伸長も大きく関係していると考えられる。そうした時代背景の中で、フェラーリは「612スカリエッティ」の後継モデルとして20113月のジュネーブショーで「フェラーリFF」をデビューさせている。フロントにV12気筒エンジンを搭載する4シーター・GTという基本レイアウトは継承しながらも、それまでのフェラーリ・ロードモデルの常識に囚われない全く新しい4WDシステムと、フェラーリ初となるハッチゲートを持つボディが与えられ、リアシートを倒せば最大800にも及ぶラゲッジスペースを確保したモデルとなる。シューティングブレーク・スタイルをもつ特徴的なボディデザインは、カロッツェリア・ピニンファリーナに在籍するベルギー出身のデザイナー、ローウィ・フェルメールシュの指揮のもと、フェラーリ・スタイリングセンターのフラヴィオ・マンゾーニと協同開発されたもの。車名の「FF」は「Ferrari Four」の頭文字で「Four」は「4シーター」と「4WD」を意味している。搭載されるエンジンは2002年に発表された「エンツォ・フェラーリ」由来の、水冷65°V12気筒DOHC48バルブでF140EB型とよばれるものとなる。ボア×ストローク値、94.0mm×75.2mmから6262ccの排気量をもち、最高出力660馬力/8000rpmと最大トルク69.7kgm/6000rpmを発揮、メーカー公表性能値では0100km/h加速3.7秒、最高速度335km/hを標榜する。フロントの車軸より完全に内側に低く搭載されるドライサンプ式のエンジンは、トランスアクスル方式でリアに置かれるゲトラグ製7DCTとドライブシャフトで繋がれ、前後重量配分47:53を実現している。またエンジンのクランクシャフト前方から出力されたエンジンパワーは、湿式多板クラッチを介してエンジンの前方に置かれた自動2段変速機構をもつPTU(Power Transfer Unit)にも送られ、4RM(4Ruote Motrici=4ホイール・ドライブを意味するイタリア語)とよばれるフェラーリが特許をもつ4WDシステムを形成する。前輪を駆動する為のドライブシャフトやセンターデフを必要としないフェラーリ独自の4WDシステムは、軽量化と前後重量配分に貢献しながら最大トルクの25%迄を、4速以下のギア選択時のみ後輪が空転する様な限られた状況下で自動的に前輪を駆動し、トラクションを確保するオンデマンド4WDとなっている。それ以外の状況に於いては、マネッティーノ(ドライブモード切り替え装置)によりエンジン・マネージメントや磁性流体ダンパーを備える電子制御サスペンション(SCM)7DCTE-Diffを統合制御し、カーボンコンポジット製ディスク(CCM)によるブレーキシステムを活かした高いバランスをもつ2輪駆動の高性能FRGTとなる。SUVブームを背景とした時代に、フェラーリは自身のDNAを全く損なう事無く家族や友人とショッピングからスキーリゾートまで、365日デイリーユース可能な歴代フェラーリモデルには無かった新たな価値観をもつモデルとして「FF」を世に送り出した。その結果、この「FF」の販売価格はV8エンジンを搭載した他のフェラーリ・ロードモデルに比べ4割以上も高額となるにも関わらず、それまでの「612スカリエッティ」のユーザー層の平均年齢を10歳も引き下げるとともに、年間の走行距離は平均50%程の伸びを記録したといわれている。これまでには無かった、このユニークなフェラーリ製の4シーター・GTは、フェラーリに新たな価値観を与えるとともに、全く異なるユーザー層にアピールする魅力を獲得することにも成功している。これを受けてフェラーリは20163月のジュネーブショーで「FF」の進化モデルとして「GTC4ルッソ」をデビューさせる。車名の「GTC」は「330GTC」や「365GTC」に用いられた「グランツーリスモ・クーペ」から、続く「4」は「4シーター」を意味し、「ルッソ」は「250ベルリネッタ・ルッソ」と同様、「豪華やラグジュアリー」を意味するイタリア語となる。シューティングブレークのイメージをを継承しながらも、ルーフは後方へ行くに従い僅かに下降する「クーペ」スタイルとし、それに伴いウィンドウ・グラフィックにも変更が加えられ、いちだんと流麗なイメージが与えられたボディのデザインは、フェラーリ・スタイリングセンターが担当しフラヴィオ・マンゾーニ主導で進められたもの。フロントグリルはエンジン出力アップに伴い、大型のシングルグリルとされ「330GTC」を想起させるフロントフェンダー上の3枚のルーバーを持つエアベントが設けられている。このエアベントの上下を「FF」のボディには存在しなかった後方へと走る新たなウェッジラインが与えられ、躍動感を感じさせる繊細なディテール処理が施されている。テールライトが2灯式から4灯式に改められた事と絞り込まれた Cピラー周り、小型化されたリアウィンドウによるワイド&ローのイメージにリアスタイルは大きく変化を見せている。搭載されるエンジンは同型となるが、圧縮比を12.4から13.5に引き上げるとともにピストンクラウン形状変更を含む燃焼室の再設計に、限定モデル「F12Tdf」のノウハウを盛り込む事で、最高出力は690馬力/8000rpm、最大トルクは71.1kgm/5750rpmまで向上し、最高速度に変更は無いが0100km/h加速は3.4秒へとパフォーマンスアップを果たしている。自慢の4WDシステム4RMは、新たにZF製のアクチュエーターを用いた後輪操舵システムを加える事により4RM-Sに進化。インテリアはドライバー側、パッセンジャー側が左右対称のデザインをもつデュアル・コックピット形状に改められるとともに静粛性が高められることで、よりコンフォート性能の向上も図られている。この「GTC4ルッソ」が発表された、僅か半年後の20169月のパリサロンでデビューしたモデルが、今回入荷したモデル「GTC4ルッソT」となる。車名の「T」からも想像出来る様に「GTC4ルッソ」との違いは、搭載するエンジンが3.9V8気筒ツイン・ターボに換装されている。搭載エンジンの変更に加えて、駆動方式も4RM-Sによる4WDではなく、純粋なFR2輪駆動を特徴としている。フェラーリが意図するこの「GTC4ルッソT」のターゲット・カスタマーは「GTC4ルッソ」より更に10歳ほど若い3045歳くらいを想定している。都市部に暮らし日常的にこのモデルを利用し、家族や友人等しばしば同乗者を伴うような人物で、週末には都会を離れ山や海のリゾートに足を伸ばし、ワインディングロードでドライビングを楽しむというストーリーを思い描いているという。こういう使用状況に於いては、ターボ過給エンジンによる低回転域での加速性能は12気筒エンジンよりアドバンテージをもち、俊敏に仕立てられたハンドリングによりスポーティなドライビングを楽しむ事も可能となる。12気筒エンジン搭載の「ルッソ」と、V8・ツインターボの「ルッソT」では、低/中グリップ時の安定性とドライバビリティ、及びブレーキ・コーナリング性能は同レベルとされている。異なるのは加速性能で、高回転時には「ルッソ」が勝り、逆に低回転時には「ルッソT」が上回り、ステアリングの俊敏性やレスポンスについても「ルッソT」にアドバンテージが存在する。更にトラクションについては4WDの「ルッソ」が有利となるが「ルッソT」はコーナリング時のロールが少なく、より足回りをソリッドな仕立てとされ、あらゆる路面状況でダイナミクス性能とドライビングをバランスさせているのが「ルッソ」、そしてドライ路面に特化して俊敏性とレスポンスに優れるのが「ルッソT」と完全に方向性が分けられている。同じボディデザインとインテリアをもち、異なる性格が与えられた2台を見分けるポイントは、ホイールデザインと、共に4本出しとなるマフラーエンドのパイプの内側の形状のみとなっている。GTC4ルッソT」に搭載されるエンジンは、水冷直噴90°V8気筒DOHC32バルブ・ツインターボとなり、F154型とよばれるフェラーリにとっては「F40」以来のツインターボ・エンジンとなる。このF154型エンジンは、2001年にフェラーリがマセラティと共有していた自然吸気エンジンF136型・V8気筒エンジンの後継機種として開発されたモジュラー式ツインターボエンジンで、2013年に発表された6世代目の「マセラティ・クワトロポルテGTS」に搭載されたのを皮切りに、翌年には「カリフォルニアT」にも搭載されている。開発は1999年にマセラティからフェラーリに移籍したエンジニア、ジャンルカ・ピヴェッティ主導によるもので90°のバンク角とガソリン直噴方式を採用、吸気側・排気側ともにカムシャフトには連続可変バルブタイミング機構を備えている。ボア×ストロークは86.5mm×82.0mmとなり3855ccの排気量をもつこのエンジンは、2016年〜2019年の間「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞し続け、2018年にはこの賞が始まった20年の間で最も優れたエンジンに選出されている。アルミ製のヘッド、ブロックを採用し、フェラーリ伝統のフラットプレーン型クランクシャフトにより等間隔爆発を実現、高出力を発揮しながらもコンパクトかつ高効率なエンジンとなっている。ツインスクロール式を用いるツイン・ターボチャージャーはIHI製となり、タービン・ホイールをTiAl(特殊チタン・アルミ)合金製とし、ボールベアリングを採用することで、慣性モーメントを低減しターボラグを最小限に留め、抜群のレスポンスを得る事に成功している。ターボチャージャーはVバンクの外側にひとつずつ配置され、それぞれにインタークーラーが組み合わされている。選択された変速ギアに応じてターボ過給圧とトルク特性を緻密に変化させるバリアブル・ブースト・マネージメントを採用し、どこまで加速が伸びていく様なナチュラルなトルク感を特徴としている。9.4の圧縮比とドライサンプ式のオイル循環方式を採用し、フロント・ミッドシップ方式でバルクヘッド側に寄せて低く搭載されるエンジンは、最高出力610馬力/7500rpm、最大トルク77.5kgm/30005250rpmを発揮する。組み合わされるトランスミッションはゲトラグ製7DCTとなり、トランスアクスル方式でリアに搭載される。これにより純粋なFR2輪駆動となるこのモデルは、リアのトラクションを稼ぐのに理想的な前後重量配分46:54を実現している。またリア・デフには電子制御式ディファレンシャルのE-Diffを装備し、トラクションコントロール機構のF1- Tracと併せてエンジンパワーを効果的にリアタイヤへとデリバリーする。足回りは、前後ともにダブルウィッシュボーン式を採用し、基本的には「GTC4ルッソ」と同じ磁性流体ダンパーのSCM-Eを備える電子制御式となり、チューニングは「ルッソT」専用とされている。磁性流体ダンパーの減衰力を司る磁場を発生させるコイルがデュアル(2)配置としたSCM-Eでは、それまでのSCMより磁場の制御スピードと正確性が劇的に向上することで、路面の凹凸への追従性が飛躍的に高められている。また「GTC4ルッソ」同様、ZF製のアクチュエーターによる後輪操舵システムを装備し、走行状況に応じて同位相、逆位相を使い分けることにより、大柄なボディを感じさせる事無くシャープな回頭性を発揮する。そして今回入荷した車両には、デイリーユースに便利な純正オプションとなるリフティングシステムが装備されている。スイッチを押す事で通常時より40mm車高を高められるこのシステムは、時速40km/hに達したところで元の車高へと自動で戻る機能をもつ。ブレーキは、高い制動性を発揮するカーボンセラミック・ブレーキシステム(CCM)を装備。ブレーキディスクのサイズは、フロントに398mm×38mm、リアには360mm×32mmのドリルド・ベンチレーテッド・タイプを備え、それぞれ対向6ポッドと4ポッドのブレンボ製アルミ・モノブロックキャリパーが組み合わされることにより100km/h停止迄、僅か33mを実現している。ホイールはアルミ鍛造製の20インチ径を装備、フロント8.5J、リア10.5Jサイズに、それぞれ245/35ZR20295/35ZR20サイズのタイヤが組み合わされている。今回入荷した車両には、ボディカラーに合わせてグロスブラックに仕上げられた純正オプションに設定される、シャープなスポークデザインが特徴のホイールを装備している。4シーター・GTを名乗るのに相応しい居住スペースが確保されるインテリアは、12気筒エンジンを搭載する「GTC4ルッソ」と同様に、豪華さとスポーティさを感じさせる造りとなっている。キャビン中央に前方から後方に貫通する太いフロアトンネルによる「デュアル・コックピット」デザインが採用されることで、それぞれの座席が独立したカタチでレイアウトされ、それにともない左右対称の位置にエアアウトレットが配置されるダッシュボードの中央には、10.25インチの大型タッチ・モニターが装備されている。エンジンスタート・スイッチとドライブモード・セレクターのマネッティーノ(Ice/Wet/Comfort/Sport/ESC OFF5種のドライブモードが設定され、エンジン、7DCT、ダンパー、スタビリティコントロール、トラクションコントロール、E-Diffを相関させながら統合制御される)が備わる、3スポーク・ステアリングの裏側左右には任意変速用のパドルが装備されている。今回入荷した車両にはオプション設定されるカーボン製ステアリングが装備され、その上部にはエンジン回転数に応じてLEDが点灯し、ドライバーにシフトチェンジのタイミングを知らせる「シフトタイミングインジケーター」を装備、レーシーな気分と精度の高いドライビングをサポートする。ステアリングを通してドライバー正面には7500rpmからレッドゾーンとなる1万回転まで刻まれたアナログ式のタコメーターがレイアウトされる。このタコメーターの盤面も、レーシーなオプションカラーの「イエロー」が選択されている。スピードを含むその他の車両情報は、タコメーターの左右に置かれる液晶パネルに表示される。また助手席正面に装備される8.8インチ・フルカラー・タッチパネルにも、スピードやタコメーターが表示出来、助手席からも車両情報の確認やオーディオの操作が可能となっている。ヘッドレストまで一体型となるスポーツシートがフロントのみならず、リアにも2脚装備されていて、そのレッグルームは「FF」から「GTC4ルッソ」へとモデルチェンジ時にフロントシートの背面デザインの改良により16mm拡大されている。2ドアモデルとなる為、後席へのアクセスはスムーズとは言えないが、シートに腰を下ろせば快適なスペースが確保される上に、今回入荷した車両にはオプションとなる、遮光性充分な上に室内外の熱交換を抑える効果をもつ、Low-E(Low Emissivity=低放射)ガラスを採用したパノラミックルーフが備わる。これによりキャビンの閉塞感はかなり軽減されている。「FF」から「GTC4ルッソ」へのモデルチェンジ時に、アルミ製となるシャーシとボディの接合部の剛性強化が図られ走行性能の向上が図られるとともに、エアコンの作動音や音響特性にも配慮された新素材が採用されることによりキャビン内の静粛性がより高められ、コンフォート性能の向上も高められている。全長×全幅×全高は、4922mm×1980mm×1383mm、ホイールベース2990mm、トレッド前1674mm、後1668mm、車両重量は1865kgとなる。燃料タンク容量は91、新車時販売価格は2970万円となっている。メーカー公表性能値は0100km/h加速3.5秒、0200km/h加速10.8秒、最高速度320km/h以上となっている。停車している「GTC4ルッソT」は5mに届きそうな全長と、ほぼ2mに近い車幅によりワイドアンドローを強調しながらも、かなり大型の車両に感じられる。2ドアのクーペボディでリアへと長く弧を描くルーフラインは、後方へ向かいながら低められハッチゲートを備えるシューティングブレーク・スタイルとされている。フェラーリらしくホイールの上部で摘み上げられる前後のフェンダーラインのエッジと、緩やかなルーフライン、またボディサイド下方を駆け上がるキャラクターラインにより、停車していても疾走感が感じられるスポーティな仕上がりを見せ、そのボディの大きさによる鈍重なイメージは微塵も無い。セダンより低い位置にあるドアノブを引いてドアを開きシートに腰をおろしてキャビンを見回せば、車名に「ルッソ」を名乗る意味が良くわかる。ダッシュボードやシートに用いられるレザーの質感やクラフトマンシップを印象付けるステッチの仕上がりは、高い品質を感じさせるものとなっている。シート座面のサイドに配置される電動調整スイッチを操作し、理想的なシートポジションを確認して、ステアリングに装備されるエンジンスタート・スイッチを押すと、フォンッ!とエンジンが始動し、V12エンジンとは明らかに異なる野太いエキゾースト・サウンドが響いてそれまでのラグジュアリーな雰囲気は一瞬でスポーティな色合いへと変化を見せる。エンジン始動後は、自動的に「オートモード」となっている為、アクセルをゆっくりと踏み込む事でスムーズな発進が可能となる。走り始めはボディの大きさを意識するが、ターボ過給エンジンとは思えないレスポンスの良さと滑らかなシフトチェンジに加え、低回転域での豊かなトルクのおかげで、クルマの流れにも難なく対応することが出来る。意識していると、交差点を曲がるだけでもステアリングの切り始めからノーズはリニアに反応し、ボディは後輪操舵が効いてイメージするより遥かに軽快で小気味良い反応を示している事がわかる。少し開けたところでスロットルペダルを深めに踏み込むと、瞬時に心地よいエンジン音が高まるとともに、背中をシートに押される様な加速を味わうことが出来、その秘めたるポテンシャルを垣間見る事となる。高速に乗りステアリング上のマネッティーノで「Sport」を選択すると、スロットル・レスポンスは僅かに鋭さを増すとともに足回りが引き締まり、ギア・チェンジはダイレクトに変化し変速スピードが速められ、クルマは一体感を強調した方向にシフトする。長いホイールベースを活かした高速巡行も「GTクーペ」の車名に相応しく、高い直進安定性と疲れを最小限に抑える乗り心地を享受出来るのはV12エンジン搭載の「GTC4ルッソ」と同様。しかしワインディング・ロードに舞台を移せば、このモデルがもつ高いコーナリング性能を堪能することが出来る。車両重量が「GTC4ルッソ」から50kg軽量化され、フェラーリが特許をもつ4WDシステム、4RM機構の中核となるPTUを持たない純粋なFR2輪駆動となる「GTC4ルッソT」では、前後重量配分がよりイーブンに近い46:54へと向上している。ここに後輪操舵やE-Diff、磁性流体ダンパーのSCM-Eのセッティングが加わり、カーボンマテリアルを採用した強力なブレーキを活かして、極めてニュートラルなコーナリング特性に仕立てられている。軽いステアリングの操作感に遊びは無く、ロック・トゥ・ロック2.4回転をもつステアリングの特性は、V8ミッドシップ・モデルを凌ぐと感じられる程シャープな仕上がりを見せる。このハンドリングに慣れてくると、低回転域から豊かなトルクを感じさせる広いパワーバンドをもつエンジン特性と瞬時のシフトチェンジを活かしたリズムに乗ったコーナリングをワインディングロードが続く限りに楽むことが可能となる。これまで数多くのスポーツモデルをラインナップしてきたフェラーリの中で、このモデル程デイリーユースから楽しみの為のワインディングロードまで、幅広くドライバーに寄り添ったドライビングが味わえるモデルは少ないかもしれない。新たなカテゴリーへの進出をかけて開発された「FF」がもたらした新時代の4シーター・GT像は、そのオールマイティな性格と高い走破性はV12エンジン搭載の4WDモデル「GTC4ルッソ」に引き継がれ、20229月に発表されたフェラーリ初のSUVモデル「プロサングエ」へと更なる進化を見せる。一方、「250GTE」に端を発する、それまで引き継がれてきた古典的な4シーター・GTがもつ、ワイルドともいえる鋭い切れ味をもつFR2輪駆動の持ち味は、この「GTC4ルッソT」へと集約されている。この「GTC4ルッソT」は、フェラーリならではの深いドライビングへと誘うDNAを引き継ぎながら、1960年の「250GTE」から始まる4シーター・GTという豊潤な時代が存在した事をこれからもけして語り続けていくことだろう