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5MT
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メーカー
ポルシェ
ミッション
マニュアル
グレード
5MT
ボディタイプ
Coupe
外装色
グリーン
年式
1974 年型
走行距離
不明
乗車定員
2 名
サイズ
長 398 cm 幅 166 cm 高 126 cm
エンジン形式
排気量
1970 cc
馬力
トルク
車検
令和6年7月29日
ハンドル
駆動区分
輸入区分
ディーラー
内装色
ブラック
燃料区分
ガソリン
幌色

73年 911T エンジン換装 ( ノーマルエンジン有り )アロイホイール ( 5穴に変更 )(ノーマルホイール有り)



ポルシェが実用性を持ったミッドシップの2シーターとして「914」と「914/6」をデビューさせたのは1969年秋のフランクフルトショー。ポルシェとしては初のミッドシップとなり、フォルクスワーゲンの既存のパーツを流用する事でコストを下げ、ユーザーの間口を広げるという思惑もあった。水平対向エンジン使用により重心が低く理想的なハンドリングを持ち、優れたレイアウトによる広いコックピット、前後に広いトランクがあり、更に脱着式のハードトップを備えた、非常に魅力的なスポーツカーとなるハズだった。しかしフォルクスワーゲン411E用の1.7リッターエンジンを搭載する「914」は80馬力しかなく加速性能が劣り、911用フラット6を搭載する「914/6」は、高額過ぎる事から商業的には成功していなかった。︎1973年になると、新たにボア・ストローク94.0mm×71.0mmとした1971cc空冷水平対向4気筒OHV型エンジン搭載の「914/2.0」が登場する。ボッシュ電子制御燃料噴射装置を備えるこのエンジンは100馬力/5000rpmと16kgm/3200〜4000rpmの出力、トルクを発揮する。この新エンジンにより、1973年のカーグラフィック誌実測データでは、0→400m加速16.07秒を記録し、それ以前に同誌で「914/6」が記録した16.2秒を破る速さを披露した。この時0→100km/h加速9.73秒、0→1000m加速30.85秒、最高速度は190.9km/hも同時に記録した。このエンジンの挙動はベースとなったフォルクスワーゲンそのもので回転域は狭く5000rpmを超えるとパワーは急速に落ち、レッドゾーンの始まる5800rpm以上は回りたがらない。しかし全域を通じてデッドスムーズで有効なパワーバンドは広くとてもフレキシブルな性格となっている。組み合わされるトランスミッションは、5速マニュアルトランスミッションとなり、エンジン搭載方向が「911」とは逆となり、長いシフトリンケージを要する。その為シフトの感触が曖昧なモノとなり、特に1→2速への素早いシフトは慣れないと1→4速にミスシフトしやすい。慣れが必要とはなるが自分のモノとしてしまえば、素早い操作は可能となり楽しみの時間となってくれる。足回りはフロント、マクファーソンストラット式でトーションバースプリングを備える。リアはセミトレーリングアーム式でコイルスプリングが組み合わされる。ブレーキは4輪ディスクブレーキを備え、フロント232mm径、リア240mm径のソリッドディスクを採用する。またポルシェは伝統的にブレーキ・サーボを好まず「914/2.0」のブレーキもパワーアシストは無く、踏力が必要となる。しかし耐フェード性はとても高く充分信頼性に足るものとなっている。4輪とも5.5Jの軽合金ホイールに165HR15サイズのタイヤが装備される。(今回、入荷した車両には同時代の「911」に使用されるフックス製15インチホイールが装着され、ボディカラーと合わせてとてもバランスの良い佇まいとなっている。)「914/2.0」は純然たる2シーターだが、キャビンはとても広く感じられるものとなる。シートはリクライニング機構が無く、バックレストと一体式の構造となるが、後縁をヒンジとしてシートの傾斜を調整することが出来る。クッションは硬めで、長時間のドライビングでも不当に疲れる様な事は無い。コーナリングスピードの速さによる強い遠心力に対してサイドサポートは少し物足りなく感じるかもしれない。センターコンソールには時計、油温計、電圧計が納まる。ドライバー正面のメーターナセルには「911」と同じデザインの計器類が並ぶ。大径のレブカウンターが中央に備わり、その右に速度計が配される。これも「911」と同型となる4本スポーク・ステアリングが装備され、ライト類やコラムのレバースイッチはフォルクスワーゲン製となっている。「914/2.0」の大きな特徴となるFRP製ハードトップは、とても軽く容易にタルガ風オープンに換装出来る。脱着は4箇所の良く出来たレバーにより可能となり、外したトップはリアトランクに要領良く収納出来る。またオープンで走行しても、それほど風を巻き込まないので、快適なオープンエアモータリングを満喫できる。ボディ剛性はトップを外しても影響は受けず、ポルシェらしいしっかり感が保たれる。「914/2.0」のボディデザインはフェルディナント・アレクサンダー(ブッツィー)・ポルシェと彼のチームが担当した。そして最終的なデザインはチームの最重要人物の一人であるハインリッヒ・クリエだった。フェリー・ポルシェの長男であるブッツィーがポルシェのデザイン部門を任された時、最も信頼していた人物がクリエだった。「914/2.0」のリトラクタブル・ヘッドライトはデザイン過程で4灯式も検討されていたが、結果的によりシンプルな2灯式となりモーターによって起き上がる機構となっている。フロントフェンダーに峰を持つボディは見切りも良くミッドシップモデルとしては全方向に視界も開けている。ボディ設計はポルシェが行い、製作はカルマン社によるもの。ボディ内外のフィニッシュと工作はこの当時の量産車としては異例に優れたものとなっている。「914/2.0」の乗り心地は車速により異なったものとなる。街乗りの低速域は、やや硬めとなり路面の不整に反応してしまう。ところが70km/hを超えるあたりから劇的に変化して、高速域では素晴らしくフラットで快適なものとなる。「911」より長いホイール・ベースをもち直進安定性の優れた「914/2.0」は高速での長距離クルージングも得意なもののひとつとなる。また空車時の前後重量配分が43:57となる事から、充分なトラクションを与えやすくミッドシップにより慣性モーメントが低い為ステアリングの応答性は高く、ロードカーとしてはレーシングカーに近いハンドリングを示す味付けとなっている。高速でコーナーに進入しても、まるで見えないレールの上を辿る様に、ボディのロールが少ないまま理想的なコーナリングが可能となる。明らかにサスペンション性能がエンジンパワーを上回っているというセッティングとなっている。クイックな応答性と軽い操舵力は連続するコーナーを、容易く鮮やかに走り抜ける事が出来る。過敏過ぎないハンドリングと応答性の鋭さは「911」でも及ばないミッドシップならではのものとなる。当初は廉価版的な位置付けで設計されていたモデルといえども、そこはスポーツカーのなんたるかを知り尽くしたポルシェの設計である以上、その素性はやはりポルシェであり、高速で走らせればしっかりと、持って生まれた性格が明確に現れる。スポーティなシティランナバウトでは無く、紛れもないポルシェのスポーツカーとなっている。全長×全幅×全高は3985mm×1650mm×1230mm、ホイールベースは2450mm、トレッド前1343mm、後1383mm、車両重量950kg、燃料タンク容量は62リットルとなり、給油時はフロントフードを開けなければならない。新車時価格「914/2.0」が243万円「914/2.0S」が263万円となっている。Sが付くモデルには、前後サスペンションにスタビライザーが標準装備されたものとなる。「914」はデビュー直後から「モンテカルロラリー」や「ル・マン24時間耐久レース」などモータースポーツに積極的に参戦し、1970年のル・マンでは総合6位、2リッタークラス優勝、熱効率指数2位という好成績を「914/6GT」が残している。生産台数は1970年から1976年までの6年間で「914」シリーズ全モデルあわせて11万5597台が生産された。